そもそもインフルエンザってどういうものなのですか?風邪とはどう違いますか? |
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一般にいうかぜの原因はほとんどがウィルスです。ウィルスにはたくさんの種類があり、その中のひとつがインフルエンザウィルスです。インフルエンザ以外のウィルスによるかぜの場合は、鼻水やのどの痛み、咳などの症状が徐々に表れますが、インフルエンザの場合は突然の発熱、頭痛、筋肉痛、嘔吐や下痢など非常に強い全身症状が表れます。合併症は普通のかぜは少ないのに対し、インフルエンザの合併症は気管支炎や肺炎だけでなく、子どもの場合は脳の炎症やけいれんなど危険な場合があります。 |
インフルエンザだと見分ける方法はありますか? | |
普通のかぜにくらべて症状がひどく、高熱でもいつも自分で歩いて、あるいは機嫌よく診察室に入ってきていたお子さんが、インフルエンザの場合は親御さんに抱きかかえられてぐったりとして来られるなど、重病感があります。インフルエンザかどうかは、外来で迅速診断ができます。 |
インフルエンザにかかってしまった場合のお世話の仕方を教えてください。 | |||||||||||
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普通の風邪の場合ののすごし方、お世話の仕方は? | |
基本的にはインフルエンザのお世話と同じです。インフルエンザのときと違い、お子さんは比較的ご機嫌だったり元気だったりしますので、お子さんの状態にあわせて生活をします。 |
冬はずっと鼻水グシュグシュの状態ですが、これでいいのでしょうか??? | |
冬ずっと鼻水や咳がある状態であっても、インフルエンザにかかりやすいというわけではありませんので、ご心配はいりません。 |
高熱がでたら、すぐに医者に行くべきなのでしょうか、それとも2,3日は安静にしているべきなのでしょうか。 | |
インフルエンザでは発症から48時間以内に治療薬を服用しないと効果がでにくいという特徴があります。それを考えると2〜3日安静にしていたら時期を逸することになります。高熱とお子さんの様子をみて、インフルエンザを心配する場合は早めの受診をお勧めします。ただし、高熱がでた直後はインフルエンザの迅速診断がすぐにでない場合があります。 |
インフルエンザ(や風邪)に罹ってしまってお医者さまに行った場合 どういった治療をなさるのですか? | |||||||
その他の薬:咳や鼻水、嘔吐や下痢に対して症状を緩和する薬を使用することもあります。 |
インフルエンザや風邪の予防方法が知りたいです | |
インフルエンザの予防方法はまずは予防接種を受けることです。かぜとインフルエンザに共通する予防方法は、十分な睡眠と栄養、人ごみに出ない、出るときは保温や保湿効果のあるマスクをすること。帰宅後は手洗いやうがいをすること。小さいお子さん達はうがいのかわりに緑茶を飲むのもいいかもしれません。 |
特に0歳児の予防接種以外の予防法が知りたいです | |
お子さん自身への予防接種以外の予防法としては、家族内感染防止を目標にお子さんをもつ家族全員の予防接種が効果的です。 |
インフルエンザの予防接種は何ヶ月になったら受けられるのですか? | |
生後6ヶ月から可能です。集団に入っているお子さんは検討の余地があるでしょう。ただし、卵アレルギーがないかどうか知っておかねばなりません。 | |
予防接種による副作用などの心配はありますか? | |
多い順に、接種部位が赤くはれる、発熱、喘鳴(ぜいぜいの咳)です。 | |
予防接種は本当に有効ですか? | |
感染防止効果は成人70〜90%、11〜15歳70〜81%、6〜10歳74〜76%、1〜5歳44〜49%、0歳30%程度という報告があります。インフルエンザの合併症であるインフルエンザ脳症は、毎冬100〜200人の乳幼児が罹患し、約3分の1が死亡、3分の1に後遺症を残す重篤な病気です。その対策はインフルエンザに罹患しないことであり、感染防止効果がたとえ100%でなくてもインフルエンザを予防できる可能性のあるのは予防接種と考えます。 | |
予防接種は何月ごろ受けるのが一番いいのでしょうか? | |
接種2週間から効果があり、6ヶ月間持続するといわれています。医療機関では大半が10月から予防接種を開始しています。流行は12月から始まり、1〜2月にピークとなりますので、体調にあわせて早めの接種をお勧めします。 | |
ワクチンに水銀が入っていると聞きました。赤ちゃんや幼児は問題ないのでしょうか? | |
ワクチンにごくごく微量のエチル水銀(チメロサール)が防腐剤として使われてきました。その水銀の量は健康被害をおこさないよう設定されていますが、各ワクチン接種の増加により総合して量が増えるとの心配や自閉症との関連性が問題となりました。この問題に対して、エチル水銀はワクチン接種された後血中から速やかに便中に排泄され、体内での安全値以上にはならないことが確認されました。また自閉症の発症率など大規模な疫学調査が行われ自閉症との関係は否定されました。現在のワクチンに心配はないと確認されています。ただし、WHOが公衆衛生上水銀製剤の使用を減少させていくと提言をしたことから、防腐剤を使用しないワクチンが開発されてきて、日本でも製剤化が進められワクチンがかわりつつあります。 そこで、乳幼児への水銀の心配とインフルエンザへ罹患への心配を天秤にかけたならば、明らかにインフルエンザ予防接種を受ける方に軍配があがると思います。 |
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2005年新年先取り号