「特別支援教育」という言葉を耳にしたことがありますか。
文部科学省の
「今後の特別支援教育の在り方について(最終報告)」(平成15 年)によると、
特別支援教育とは
従来の特殊教育の対象の障害だけでなく、
LD、ADHD、高機能自閉症を含めて、
障害のある児童・生徒に対して適切な教育や指導を通じて必要な支援を行うこと。
とあります。

三鷹市では、
三鷹市特別支援教育検討委員会が、平成19年度からの特別支援教育の本格実施に向けて、課題を整理するとともに、基本方針や実施方策を検討してきました。

平成17年7月から平成18年10月までに合計10回の検討委員会を開催し、昨年10月に報告書を取りまとめ、教育長に提出しました。
(報告書の全文は「三鷹市特別支援教育検討委員会報告書」をご覧ください。)
これを基に現在、教育委員会は平成18年度末までに三鷹市特別支援教育推進計画(仮称)を策定しています。する予定です。 (公式ホームページより)

となっているのですが、

平成19年度って来月!?
三鷹市特別支援教育推進計画って?
いったい何が始まるのですか!?


・・・ということで、
三鷹市教育委員会・教育部学務課主査 
総合教育相談窓口・特別支援教育コーディネーターの
田中容子さんに
お話をうかがいました!


三鷹市特別支援教育推進計画」が策定される、ということですが、そもそも、「特別支援教育」というはどういうことなのですか。
そうですね。三鷹市では、一人ひとりのニーズに応じた支援というのは、障がいがあると言われている子に限ったことではなく、どの子にも行われなければいけないことだと考えています。
なるほど。
ニーズに応じて支援をしていくのは当たり前のことですよね。
たしかにそうですね!
今日は10月に提出された「三鷹市特別支援教育検討委員会報告書」に沿ってお話しますね。
三鷹市では、「三鷹市教育ビジョン」にあるように、0〜15歳までの「すべて」の児童・生徒が、一貫して、落ち着いた適切な教育が受けられるようにと考えています。「すべて」の児童に、それぞれの課題に応じた配慮と支援がなされることが大切ですが、支援が必要な子、担任が見て何か配慮したい、「気になる」面があるという児童・生徒に対して、適切な配慮と支援をしていくことが大切と思います。この支援が機関から機関へ確実に引き継がれ、連携していくことが大切です。
引継ぎと連携、ですか。
ええ、子ども達は、幼稚園・保育園、小学校、中学校と進んでいきます。それぞれの場で行われている支援が途切れてしまわないように、引き継いでいくことが大切ですよね。また、子どもの課題は成長と共に変化しますし、社会の中で生活しているわけですから、各機関・地域の方たちなどが連携して見守っていくことが大切だと思います。

三鷹市では、特別支援教育について、三つの柱を立てました。

一つは総合教育相談窓口が担っていく特別支援教育です。
私が勤務している総合教育相談窓口についてお話しますね。総合教育相談窓口は、今までは、教育委員会の各部署に分かれていた相談の窓口を一つにまとめました。就学の相談も、教育の相談も、こちらにいらしていただければ、きちんと対応させていただきつなぐことができます。ここでは、0歳から、義務教育期間を終えた後の18歳までの方が対象で、必要に応じて学校や保健、福祉、医療機関等をご紹介したり、相談を引き継いだりすることができます。
それはわかりやすいですね!
子ども家庭支援ネットワークのように、何か心配なことがあったら、とにかく総合教育相談窓口で相談すればいいんですね!
そうですね。
また、総合教育相談窓口では、市内小中学校へのスクールカウンセラーの派遣、特別支援教育にかかわる巡回指導相談、学習指導員の派遣もやっています。それから、スクールカウンセラーや学校の先生方の研修会もやっているんですよ。
また、子ども家庭支援ネットワークはもちろん、幼稚園・保育園・医療機関などとも連携をとっています。
本当に、全部に関わっているんですね〜!
はい。
総合教育相談窓口ができたことにより、私達も、今まではそれぞれの部署がバラバラに支援していた児童・生徒さんのことを総合的に幅広くサポートできるようになったのです。
それからもう一つの特別支援教育の柱は、「小・中一貫教育校で推進する特別支援教育」ということです。
小・中一貫教育校の中で、小学校から中学校への支援の引継ぎを確実に行い、また、地域の中で、児童・生徒を長い目での見守って行くことを考えています。今後は、各中学校区に計画的に固定・通級の心身障がい学級を設置することを検討していきます。

もう一つの柱は、「一人ひとりのニーズに応じる特別支援教育」ということです。支援が必要な児童・生徒には、確実に個別指導計画を作っていくようになります。今後は各機関の連携した支援の引継ぎの計画である個別の「教育支援計画」も作成していきます。
なるほど〜。
あれ?でも、このようなことは、既に行われていたわけですよね?
そうなのです。少しずつ進み始めてきたところです。「三鷹市特別支援教育推進計画」は、これから市民の皆さんに見ていただき、パブリックコメントをいただくのですが、今、お話したようなことがまとめてあります。
なるほど〜。
関わりがないと、知らないことが多いのですが、たくさんの人が理解し、協力することも必要ですものね。
ええ。学校の先生方だけでなく、保護者をはじめ、すべての皆さんに知っていただくことも必要だと思っています。
それにしても、
子ども家庭支援ネットワーク、総合教育相談窓口、と、三鷹ってすすんでるということですか??
(笑)すすんでいる、というか、こういった教育面でのサポートは、今までの三鷹市の福祉が充実していたからこそできることです。子ども家庭支援ネットワークなどはもちろん、子育て家庭を見守るために地域での福祉活動を展開される団体や個人の皆さんがいままできちんとサポートしていた実績があるので、教育も連携をとり、引き続きのサポートができるようになっていると思います。
0歳から18歳まで、すべての子どもを地域で見守り育てていく、というのは、理想でもあると思うのですが、三鷹ではそれが実際に行われるような土台があり、また、いまは、システムづくりが進んでいるのですね〜。

今日はお忙しいところ、どうもありがとうございました!
*(教育ビジョンでは0〜15歳と書いてありますが、総合教育相談窓口は0〜18歳に対応します。その後の支援は地域福祉課、上級学校、就労機関等に引き継ぎます。)
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