あきやま子どもクリニックの秋山先生に花粉症についてうかがいました! (あきやま子どもクリニックニュースは、こちらからご覧いただけます) |
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<花粉症は> 俗に言われている「花粉症」は、アレルギー性鼻炎のうちスギ・ヒノキ・ブタクサなどの花粉によって季節性に起こるものを指します。アレルギー性鼻炎の中には他にハウスダスト・ダニなどによる通年性(季節を問わない)のものもあります。また、「花粉症」は鼻炎の症状が有名ですが、他に結膜炎や皮膚症状も起こすこともあります。 <スギ花粉症の増加> 従来、花粉症は若い成人に多いとされ、小児の発症は比較的少ないとされていました。花粉症は1960年代から増加してきており、特に近年スギ花粉症は著しく増加しています。スギ花粉飛散量の増加に伴い最近は発症時期の低年齢化が指摘されており、かつては学童期に始まるとされていたスギ花粉症も、幼児期からみられるようになっています。 |
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<花粉症の治療> 花粉症の治療には次のようなものがあります。
[1]抗原(アレルギーの原因となっている物質)の除去・回避について スギ花粉など、原因となっている物質を避ければ、症状の改善・消失を期待できます。花粉情報をチェックし、飛散の多い日は窓を閉めておく。また、表面のツルツルした上着を着れば、容易に花粉を払い落とすことができます。外出から帰ったらうがいをし、鼻をかむ。掃除をしっかりするなどでも、花粉を遠ざけることができます。 [2]薬物療法(抗アレルギー薬、ステロイド薬)について 抗アレルギー薬には種類がたくさんあり、眠くなりやすいものもあるので、かかりつけの先生と相談してください。他には鼻噴霧用ステロイド薬も内服に比べて副作用の心配が少ないため使用されています。 [3]特異的減感作療法 現在、アレルギー性鼻炎を治癒させることのできる可能性をもつ唯一の治療法です。抗原(アレルギーの原因となっている物質)をごく少量ずつ皮下注射します。どのような仕組みで効いているかという詳しいことはまだわかっていませんが、体内への抗原の注入で免疫性を高めて、抗原への反応性を低下させようとするものであると言われています。アレルギーが寛解する可能性はありますが、2年以上にわたり50回以上通院して皮下注射をしなければならないという短所もあります。また、喘息のある子では発作を誘発する恐れがあります。 |
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成人の花粉症と同様、現在のところ予防法は確立されていません。花粉症の症状は花粉に反応するIgE抗体が作られることによります。したがって、なるべく花粉への曝露を避けることが現状でできることだと思います。 | ||||||||
秋山先生と杏林大学小児科・山本先生のご協力をいただきました! ありがとうございました!! |
2008年3月号 |