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管理栄養士さんのインタビューへ

三鷹市保健センターの管理栄養士・木村さんにうかがいました!



コンビニ 私は料理も苦手だし、周りのお母さんはみんなちゃんとやっているように見え、離乳食から幼児食にかけての子どものご飯は悩みの種だったのですが〜(^_^;)。ズバリ!「これだけはどうしてもやらなければならない!」という最低のラインというのはどのへんでしょうか!

<離乳食・幼児食で大切なのは「食べるのが楽しい!」こと>

木村さん 「最低のライン」ですか〜(笑)。そうですね、「楽しく食べる!」ということでしょうか。
コンビニ メニューより、「楽しく食べる」ことが大切なんですか。
木村さん ええ、子どもたちにとって「食べることは楽しい!」というところから食が広がっていくものなのです。どんなに素晴らしいお料理があっても、お母さんが「ちゃんと食べなさいよ〜!」オーラを出していると楽しくないですよね。
それよりも、お母さんの笑顔と、「食べるのは楽しいね」という雰囲気が、まずは何より大切ですね。
コンビニ とはいっても、ゼンゼン食べてくれないと、ついイライラとしてしまうんですよね・・・。

<食べないときは、お腹をすかさせる!>

木村さん そうですね。「食べない」という状況も、そのときのその子の状況でいろいろです。そのときのその食事だけを見て、「食べなきゃだめよ!」と子どもを追い詰めないで、次に期待する、という姿勢を持つとよいと思います。
コンビニ 次に期待する」ですか?
木村さん ええ、次の食事のときには、お腹が空いた状況をつくりましょう。お腹が空いたらちゃんと食べますから(笑)。
コンビニ 食べなかったら食べないで、こだわらないほうがよいのですね。でも、中途半端なときに「おなかがすいた〜」モードになったりしてしまうのですが。
木村さん そんなときは、なるべく気を紛らわさせましょう。中途半端に与えるより、食事時間を守ることを心がけたほうがいいですね。たとえば、幼児だったら、4時間ぐらいでお腹がすきます。それを見越して食事時間を考えるというふうに、「生活を見越す」ということは大事です。
コンビニ なるほど。「食べさせよう!!」と思うのではなく「ちゃんとお腹を空かせさせよう!」と思うことが大事なんですね!メニューに関しては、あまり気にしなくてもよいですか(^_^;)?
木村さん 「こうすることがよい」という理想を持つことは大事です。ただ、それが実行できないからといって、悩んだり落ち込んだりしなくてもよいのです。理想を持ちつつ自分のペースで、「食べるのが楽しい」という食事の時間が持てることを第一にしてください。

<ベビーフードのこと、味つけのこと、取り分けのこと>

コンビニ ベビーフードもガンガン使っちゃってよいのでしょうか?
木村さん そうですね、別にいいと思うのですが、割高ですよね。ごはん(主食)とお味噌汁は用意して、あとはベビーフードにする、などのやり方がよいのではないでしょうか。
ベビーフードを使うことに罪悪感を感じる方もたくさんいらっしゃいますが、ベビーフードに使われてしまうのではなく、「自分で使う」という意識を持っていればよいと思います。
歯を食いしばって手作りするより、笑顔でベビーフードを使う、というほうが子どもにとってもよいですよ!
コンビニ 割高、という言葉がでましたが、「お財布にやさしい離乳食・幼児食」メニューというとどんなものでしょう。
木村さん お豆腐は、栄養面から見てもお値段も、とても優等生だとは思いますが、一番の経済的メニューは、大人からの取り分けですね〜。
コンビニ 一人目のときなどは特に、いつから・どの程度取り分けで済ませてよいのかわかりにくくて・・・。味付けも、つい、「なるべく何も入れないで素材の味を!」なんて意気込んじゃうんですよね(^_^;)。
木村さん 2回食ぐらいから、大人の味を薄くすればよいでしょう。程度ですが、「うす味」という気持ちでいれば大丈夫ですよ。

<食べさせてはいけないもの・アレルギー対策>

コンビニ では、絶対に食べさせてはいけないものというのはなんですか。
木村さん 刺激物、生もの、は2歳ぐらいまでやめましょう。それから、ハチミツも1歳までは控えましょう。
あと、これは私の個人的な考えですが、脂っこいものもやめたほうがよいと思います。1歳のお誕生日のときに初めて生クリームのケーキをあげたい、というおうちも多いと思いますが、体調によっては、ゲボっとなってしまうことがあるので、控えめにあげてくださいね。
コンビニ それだけでよいのですか?最近はアレルギーが心配で、食べさせるものも制限しているという話をよく聞きますが・・・
木村さん アレルギーの除去食ですね。アレルギーについて、一番よくないことは、自己判断です。心配しすぎて、あれもだめこれもだめ、と自分で決めてしまわないようにしましょう。それは、子どもの心身の成長を妨げることになります。ご両親がアレルギー体質だからといって、お子さんに強くアレルギー症状が出るとは限りません。気になることがあったら、医療機関を受診しましょう。保健センターでも医療機関をお教えすることができますよ。

<離乳食がなかなか進まないとき>

コンビニ あと気になることは、回数や量などが、なかなか本などの通りにいかないことなのですが・・・。
木村さん 子どもの成長には幅があります。親の意思とか都合ではなく、子どものサインに合わせるということが大切です。食べないお子さんっているんですよね(笑)。でもね、ちょっとの食べ物で活動できる子どもと、すぐにおなか減っちゃう子ども、つまり車でいうと燃費がいいとか悪い、みたいな差があるんですよね。食べる量が少なくても、まずは体重を見て、ちゃんと曲線が描けていればいいのです。
コンビニ なるほど。とにかく、本や周りの子どもに合わせようとしたり、自分で先走ったりしないで、子どもに向き合うということが大切なのですね。
あと、「食事は楽しい」ということが一番大切、というのが印象的でした!
今日からは、がんばりすぎず、というか、「せっかくつくったのに!」と子どもに恩を着せず(?)、楽しい食事時間になるようにします!
木村さん 最近のお母さんたちは、一生懸命すぎて、「いい(よい)加減」でやるということが難しそうに見えます。
本などに振り回されず、是非、お子さんの顔や状態を見てくださいね

<小学生のお子さんをお持ちのお母さんへ>

コンビニ はい!ところで、このサイトは、小学生以上のお子さんをお持ちのお母さんもご覧になると思うのですが、小学生の食についてはどういうようなイメージをお持ちですか?
木村さん 最近、朝ごはんを食べてから学校に来るという子どもたちが増えました。それはとてもよいことなのですが、まだ100パーセントではないのです。欠食の子どもをゼロにしていかなければならないと思っています。それには、親御さんにしっかり食べさせていただくしかないのです。これは、生活リズムというものが大切なので、小さいうちから、その子なりの生活リズムというのを家庭でつけるようにしていただきたいなぁ、と思います。
コンビニ 本日はお忙しいところありがとうございました!

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2010年2月号