コミュニケーション・ファームの高野さん、 コミュニケーション全般について教えてください! |
◆親として持つべき「コミュニケーション能力」とは? 〜まずは受け入れること | |
親として持つべき「コミュニケーション能力」を教えてください! | |
子どもと向き合ったら、笑顔で子どもを観察しながら、そのままの気持ちを1度 受け入れてあげてみてください。 | |
「そのままの?」 | |
はい、子どもの言葉のボールは、キャッチボールができたら笑顔になれるし、落とされたら、悲しいでしょう。日々いくつの言葉を受け取って、いくつ落としているでしょう?「それをしてはいけない」とか「こうしなさい」と言うことに一生懸命になるあまり、ボールを床に落としたままにしていませんか。本当に心を向けてほしい事は、「なぜそうしたのか(言ったのか)」という≪目に見えない子どもの気持ち≫です。人は、心が元気な時は 穏やかに素直な行動がとれますが、心に不安や苛立ちを抱えていると、本来の良さが隠れて 苦しさから頑なな態度をとったり、自分の心にも葛藤があってじたばたすることも しばしばあります。だから、先に受け取ってあげましょう。子どもの心の声も伝わってきます。今どんな気持ちでいても それは子どもにとって≪今できる精一杯の自己表現≫ですから 気持ちと行動に、すぐ×印をつけないで 少しそこに一緒にいてあげてみましょう。安心しますよ。 例えば 子どもがお友達と喧嘩をしそうになっていると、親は「大変、やめさせなければ!」と思って、気持ちをすぐ切り替えさせようとします。それは 急には難しいもの。まだ、子どもの心に○をつけてあげてはいませんね。「今怒っているんだね。怒りたい気持ちだよね。」と、少し一緒のところにいてあげる、(そうだったの。その気持ち、わかったよ)、と子どもの心に寄り添ってあげる時間をもつことで、子どもは、だんだん安心し落ち着いて 自力で心の状態が 少しづつ元に戻っていきます。 |
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「引き上げてあげよう」とか「気持ちを切り替えさせてあげよう」とかではないのですか? | |
子どもは未熟ですから 心の凹みが大きい時は、すぐに気持ちを変えられない事も理解してあげましょう。でも、それができる力を ちゃんと自分の中にもっているんです。 たとえば、「幼稚園に行きたくない!」と子どもが言い出した時に、親はすぐに何とかしなければと 先をあせってしまいがち。でも、子どもの背景にはその子の「何か」があるのです。子どもの大事な感情です。 先に優しく向き合って、話を遮らないで聞いてみることです。登園前の忙しい時でも「はいはい。わかったわかった」とならずに、子どもの笑顔がでてくるまで「そうなんだ、」と聞いてあげてみてください。ある男の子は「行きたくない、ほんとのほんとの理由はね、・・・」と話を続けて、お母さんが「そうなんだ、それは辛いよね。うん、わかったよ。」と言ってあげたら「じゃ、行ってくる!」と安心して 自分で気持ちの切り替えをしました。子どもに理解と尊重の気持ちをもつこと、そして状況に応じて 少し背中を押してあげたり やっている事も認めてあげながら 型にはめず 柔軟に対応を変えて接してあげましょう。 |
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何かしなくちゃ!働きかけなくちゃ!と親ががんばりすぎなくて いいんですね〜(^^; | |
はい。受けとめてあげることが先です。観察して、今この子の心の状態はどうなのだろう?私に何を伝えたいのかな?と感じてみましょう。 不安そうだったら、子どもの気持ちのところに一緒にいる、という気持ち、意識があれば大丈夫です。 |
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子どもにあれしなさい、これしなさいとしてほしい事が日々いっぱいで(汗)、今日はいい子だわ、とか、なんだか今日は難しい子だわ、とか思っても、子どもをじっくり観察したり、あれこれ言わずに一緒にいるという時間はなかったかも。。。 | |
そんなふうに、大人は 無意識に子どもを毎日「評価」しているでしょう。それをどう思われますか?だから 子どもは 落ちたボールや上手くいかない事で苦しくなると 態度で訴える、そうするとまた 何で!と怒られる・・・という 困った循環が起こります。 子どものために聴く時間を 少しでも先に持ってあげると、子どもも安心し、落ち着いて、大人の言葉も受け取りやすくなります。これは、年齢に関係なくて、ずっと小さい子どもでも同じです。 泣いている赤ちゃんも、泣くという行為で 何かを伝えようとしていますね。心の大きさは同じです。 |
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こうさせよう、ああさせよう、と思わず、ただ聞く・・・ | |
大人は、子どもの話を聞きながらもついつい先のこと〜「そうはいっても今はこれをしておかないと後で困る」とか「晩ご飯の準備が」とか(笑)考えてしまいがちなのですが、「目の前の子どもに心をちゃんと向けて聴く」時間をとってあげる、自分の言いたいことは脇に置いてみることから始めて、少しずつ聞く時間を増やしてあげてはどうでしょう。子どもには 心が安心して話ができる環境が大事で そこから信頼関係ができていくでしょう。 | |
◆日常で実行するのは難しい? 〜「今の自分の精一杯」でOK! | |
うーん、でも、辛抱強く聞くとか、じっくり観察するとか、毎日の中ではなかなか難しいです・・・ | |
お母さんも「今できる自分の精一杯」というところでいいんですよ!そしてその「精一杯」は小さくていいので、続けていくことを意識してみてください。 コミュニケーションは人それぞれに今までの心の癖がありますが、練習していけば 大丈夫。 うまくいかない時があっても 誰でも同じです。「これは実践してみようかな」と思ったことを「三日坊主を目指す!」ぐらいの気持ちでやってみてくださいね。 |
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三日坊主はできそうです! | |
そして、それをやったら、小さな1つ1つ 自分をほめてあげてくださいね。 | |
ほめちゃっていいんですか? | |
はい♪それだけでなく、毎日、自分が子育ての中でしたことに○印をつけていくことがおすすめです。 「おむつを替えた」「ミルクをあげた」「晩御飯をつくった」・・・そんなことでも、自分に○。 |
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自分に○、ですか? | |
◆「私」に○をつけよう! | |
はい。○をつけるのは、「自分を認めてあげる」ということです。 日々のお料理や洗濯について「○」でなく 当たり前の事としていませんか。がんばっているのに。。 最初は○をつけることは難しいし、こんな小さい事でも?と思う事も 丁寧に○! そうすると、だんだんアンテナが立って○が見つけやすくなります。○がたくさん増えると、心の余裕もでてきて、子どもへの接し方も変わります。 それに、自分に○がつけられるようになると、自然と子どもがしている小さい事にも気づけて たくさん○がつけてあげられるようになります。できた事に限らないで、広い意味で 5分やってる・始めたでも○。 大切な自分の存在を認めてあげることができますね。 |
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なるほど! 自分に○をつける!子どもを評価は脇に置く!子どもの話を100パーセンの気持ちで聞く!そのあたりから、三日坊主目指してやってみます! ところで、子どもの自身のコミュニケーション能力についてはどうでしょう? 子どもの話を聞いてあげていればコミュニケーション能力がつくのでしょうか? |
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◆子どものコミュニケーション能力を伸ばすためには?〜親がまず話を聞く | |
はい、たくさん話を聞いてもらっている子どもは、会話の楽しさを知っているので 外でのコミュニケーションも 楽しんで自然に広がります。 また その子自身が 外で話を聞いてあげるようにもなります。おうちで「そうね。それで?」「ありがとう!」という言葉を沢山受け取った子どもは、外でそういう言葉を話すようになっていきます。 大人がお手本ですから 子どもにかける言葉を大切にしたいですね。 |
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親子のコミュニケーションが大切なのはよくわかりましたが、子ども時代の子どもにとってのコミュニケーション能力というのは、どういう意味があるのでしょうか。 | |
◆コミュニケーション能力が高いとどんないいことがあるの? | |
話ができるコミュニケーション環境があることは、人間関係がうまくいきやすいという事だけでなく「自分を知る」ということにつながります。 実は、自分のことは わかっているようでわからない事って ありませんか。 もやもや、という気持ちがあったとき、一人だったらもやもやのままですが、誰かに聞いてもらえたら 霧が晴れてきて、もやもやの正体も見えてきますよね。 自分の気持ちを言葉にすることができれば、自分で気づくことができます。他人とコミュニケーションをとること、話をすることで、自分が見えてくる・・・子どもが自分の可能性を見つけるチャンスが増えるということにもなるでしょう。 |
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そして、その能力を育てるためには、親は笑顔で、話を聞いてあげて、気持ちに○をつける、ということをしていけば よりいい方向へ向かえるのですね。 | |
ええ、心を育てることはとても時間がかかります。また子どもが伸びる土台がそこにありますから 優先してほしい事の1つ。近道はこちらにあって 親子関係もより楽になって、話ができてお互いがちょうどいい親子の距離感が取れるようになったお母さんも 大勢いますよ。。 子どもは小さくても感受性が強いので、大人の気持ちを察します。いい子ばかりを求め過ぎると、親が望む子どもに育ちながら 子ども自身が望む未来とは 離れていく場合もあります。 どの子も自分の中に 育つ力を持っていますから、「しつけなくちゃ!」とか、「こう変えなくては!」とか、「もっともっと!」と求めすぎず、その子が安心して 自分らしくいられるように その子の今の声を聞いて、何より「あなたは お母さんにとって素晴らしい存在!」「あなたが大好き」という愛情を伝える気持ちを 伝え続けてあげましょう。≪愛されているという確信≫を持っている事が、子どものエネルギーの源。親はもっと力を抜いて 笑顔でその環境を作ってあげることが、親の役割と思ってみてはどうでしょうか。 |
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まずは、高野さんのお話を聞いた私に○をして、今日は、子どもの話をじっくり聞いてみます!ありがとうございました! |
☆コーチ高野まゆみさんプロフィール☆ 市内在住 3児の母親 (財)生涯学習開発財団認定コーチ 小学校非常勤講師、児童館職員を経て 2002年からコーチングの実践と普及に関わり コーチング個人セッション(電話かスカイプ)、コーチング研修・講演等を行っている。 コミュニケーション・ファーム 代表 ブログ「コーチング◇あっとほ〜む〜家族の笑顔がすき〜」 メルマガ創刊 「1日5回を続けましょう☆〜気づき愛コミュニケーション」 【お知らせ】 2014年3月末まで、「子育てコーチング講座」(ワークショップ)市内無料で出張しています。 昨年度は 子育てコンビニ広場、すくすくひろば(2回)、2中家庭教育学級、市民の底力事業 おやこひろば事業、市内自主子育てサークル等で、コーチング講座を開催しました。 三鷹ポキネットコミュニティ「三鷹市民み〜んな笑顔コミュニケーション・プロジェクト」 【2/3月の市内の予定】 ・3月26日(火)10:30〜12:00 みたか・みんなの広場の2F和室 「心を支えるママになる」講座(子育てコーチング)参加費 800円 個人のお話を聞いて アドバイス等 気楽に皆さんでお話を聞きあっています。 同会場で両日 13:30〜15:00 「江戸小ばなしを楽しむ集い」 ・2月14日(木)3月14日(木)10:30〜12:00 三鷹市市民協同センター(受付け) おやこひろば「2月:兄弟仲良く育てるコミュニケーション〜笑顔コミュニケーション術」 0〜3歳未満までの親子同室の講座です。 参加費1000円 ・2月22日(金)『NPO法人子育てコンビニ感謝祭』に参加します。 豊かなコミュニケーションの根底に支え愛があった江戸時代の空気を今につなげる市民活動です。 「笑い愛○江戸小ばなしを楽しみましょう♪」無料 一緒に笑いで声を出してみませんか? 午前・午後に30分2回予定しています。 それ以外の時間は 声をかけていただければ、子育てアドバイスも。 ・2月16日(土)25日(月)東児童館で「江戸小ばなしで遊ぼう!」15:45〜17:00 子ども達と一緒に江戸小ばなしカードで遊んだり声を出して笑い愛。(3月〜第2・4月曜日) ・地域のお年寄りのサロン等へ、江戸小ばなし笑い愛にボランティアで出かけています。随時 お問い合わせ、お申込みは communication-farm@mail.goo.ne.jp |
2013年2月号