「天文台のあるまち三鷹」として国立天文台とは深い関わりのある三鷹市。今回は「国立天文台三鷹キャンパス」と、天文台内にある「三鷹市星と森と絵本の家」にお邪魔して、小さな子どもを連れても楽しめるおすすめの場所などをうかがってきました。 |
三鷹にある国立天文台、実は誰でも見学できる、ということを知らない人もいるのではないでしょうか?楽しみながら知的好奇心もくすぐるようなお散歩、いかがですか? 国立天文台の広報普及員、高畠さんにお話をうかがいました。 |
天文台は研究施設ですが見学に入っても大丈夫ですか? | |||||||||
はい。どなたでも予約不要で自由に見学していただけます。 正門にから入っていただくと守衛所に受付があるのでそこでMAPと見学者用のワッペンをもらってください。(詳細はHPで確認してください) |
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赤ちゃんや未就園児を連れても大丈夫ですか? | |||||||||
もちろんです。ベビーカーでも見学コースを回ることができます。建物に入る際には建物の外の邪魔にならない場所にベビーカーを置いてください。 各所に多目的トイレがあり、おむつ替えの台もあります。 休憩室で飲食が可能なのでお弁当を持って来ていただいても大丈夫です。 |
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施設内の見どころは? | |||||||||
見学コースに「太陽系ウォーク」といって太陽系の距離や天体のサイズを実際の縮尺に従って展示している場所があります。お散歩しながら太陽系を実感できるのでおすすめですよ。 「天文機器資料館」には古い望遠鏡など展示しています。詳しく分からなくても、お子様と古い機器の武骨な、かっこよさを楽しめるでしょう。 古くておもむきのある建物が多いので見て回るだけでも楽しいと思います。国の登録有形文化財になっているものもあるんですよ。 |
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おすすめの季節はありますか? | |||||||||
春や秋など、気候の良い季節がおすすめです。夏は虫よけや日よけ対策が絶対必要です。 秋には特別公開が予定されており、普段入れない研究施設も公開されます。また、月2回の定例観望会では夜に口径50cmの望遠鏡をのぞいて天体を見ることができます。(事前予約制) |
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見学するうえでの注意点はありますか? | |||||||||
天文台内は自然がそのまま残っているところが多いので、見学コースを外れると思わぬ事故につながる可能性もあります。必ずMAPのコースを守ってください。 コース内でも車が通ることもあるので気をつけてください。 |
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三鷹市では「天文台のあるまち三鷹」として「みたか太陽系ウォーク」を企画したり、三鷹中央通りに「天文・科学情報スペース」を設置したりしていますね。 | |||||||||
「みたか太陽系ウォーク」は毎年秋に、市民のみなさんが楽しめるスタンプラリーとして定着しています。 「天文・科学情報スペース」では企画展やイベントなどが行われています。駅前という立地もあり、市民のみなさんの憩いのスペースになれたらと思っています。 |
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子連れで行っても大丈夫ですか? | |||||||||
情報スペースの図書コーナーには天文に関する絵本やパズルが置かれており、お子さんと一緒に楽しめるスペースもあります。 また、三鷹中央通りで定期的に行われているMマルシェでは、毎回天文に関する様々なイベントを行っています。11月・12月は星座早見盤の製作、3月は天体望遠鏡の製作を企画しました。MマルシェのチラシやFacebookでも情報発信しているのでぜひご覧になってください |
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では最後に一言お願いします。 | |||||||||
今後も国立天文台と天文科学情報スペースでは、いろいろなイベントを企画して参ります。それぞれの場所が、みなさんが最先端の科学と触れることのできる憩いの場所になることを願っています。 | |||||||||
本日はどうもありがとうございました。 | |||||||||
ありがとうございました。 |
お話にもある通り、天文台内は自然が多く静かでとても落ち着いた雰囲気でした。 春には桜も楽しめるので、お花見散歩などもいいですね。お子さんと一緒に身近な宇宙を楽しんでみてはいかがですか。 |
第一赤道儀室。天文台内で一番古い建物です | 天文台歴史館(大赤道儀室)。 中にはとても大きな望遠鏡や パネルの展示などがあります |
図書館。意外と知られていませんが、 一般のかたにも開放されています |
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見学可能日時:年末年始を除く毎日午前10時から午後5時。入場は4時30分まで。 入場無料、自由見学 詳しくはHPをご覧ください。 |
国立天文台内にある「三鷹市星と森と絵本の家」(以下、絵本の家)は、大正4年に東京天文台(当時)の官舎として建設された古民家を再築して整備された施設です。 落ち着いた雰囲気の中で絵本を読んだり、お庭遊びや展示を通して自然や科学への関心を高めたり、様々な楽しみ方ができます。 「絵本の家」館長の築地さんにお話をうかがいました。 |
まず建物に入ると目に入るあのしかけは何ですか? | |||||
入場者をカウントするものなのですが、年齢・性別にわかれたチップを取って木にかけていただき、帰りには箱にいれてもらいます。なかなか帰りたがらないお子さんに「お帰りの仕事」としていただく意味合いもあります。 受付カウンターの下にジオラマを設置しているのも子ども目線での発見を大切にする工夫です。 |
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子ども目線での発見ですか? | |||||
絵本の家には、子ども主体で動ける工夫がいろいろあります。カウンター下のジオラマも子どもの目線にちょうどいい高さにしていますし、建物のどこかに「あけてごらん」と注意が書かれた扉があるのも工夫のひとつです。扉があれば子どもは開けたくなりますよね。それを大人が止めないように注意書きがしてあります。 子どもが発見したことに大人が耳をかたむけるといった関係性を作ることが知的好奇心を育てることだと考えています。 |
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注意点などはありますか? | |||||
先ほどの話にも繋がりますが、子どもが何か発見したら戻ってこられる親子の関係がいいと思います。ただ「遊んでおいで!」とするよりも「ママはここにいるから何かあったら来てね」というような一言があるといいですね。「こわしちゃった、どうしよう」でもいいんです。 小さな子どもが、ここに来て大人からほんの一歩でも離れて大冒険をします。再び出会った親子の最初の言葉が「そんなことしちゃダメよ」になるのは、悲しいですよね。 大冒険した子どもに最初にかける言葉が、「何を見つけたの?」になれば、幸せですよね。 |
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赤ちゃんや未就園児も楽しめますか? | |||||
もちろんです。おむつ替えの台や授乳室は完備しています。 絵本だけではもたないようなお子さんでも楽しめるようにおもちゃ室があります。おままごとや電車遊びなど、物語が作れるような再現性のあるおもちゃをそろえています。 未就園児向けのイベントも企画しているので、毎月発行している「おたよりえほん」をご覧ください。図書館や各コミュニティセンターに置いてあります。 |
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他にはおすすめはありますか? | |||||
ロビーにあるワークショップコーナーには、手作りおもちゃが置いてあります。おうちにある材料でも作れるものなので、ここで楽しんだあとはぜひ技を持ち帰っておうちでも楽しんでいただきたいです。 お庭にはクラフトコーナーがあり、来てもらった時にテーマ別の木工製作ができます。また、スタッフと相談しながら自由に工作できるスペースもあって人気です。 |
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昨年までの3年間、「三鷹駅前まるごと絵本市」を企画されていましたが? | |||||
たくさんの方に参加してもらえて、楽しい絵本市になりました。去年までの絵本市とはまた新しいかたちで企画してもらえるかた、ぜひ絵本の家までご一報ください。 | |||||
最後に一言お願いします。 | |||||
絵本の家は三鷹市と国立天文台のつながりがベースとなってできた施設です。今後もそのつながりを大切にしていきたいと思っています。 | |||||
本日はどうもありがとうございました。 | |||||
ありがとうございました。 |
縁側や畳敷きの和室など、懐かしい雰囲気の中で子どもたちの遊ぶ声を聞いていると、自分も子どもに戻ったような気がしてきました。 扉を開けるワクワク感や「これってなんだろう?」と発見して気づく感動、自然と子どもの目線と一緒になって楽しめました。好奇心をはぐくむ場所、というお話にも納得です。 親子で、お友達同士で、いろいろな楽しみ方を発見しに来てはいかがですか。 |
落ち着いた雰囲気でゆっくりと絵本を楽しめます | 赤ちゃん向けの絵本もたくさん! | 懐かしさが漂う古民家の風景 |
晴れた日にはお庭でお弁当も食べられます | 昔懐かしい外遊びにも挑戦 | 最近かいぼりをしたという池。 かえるが卵を産みにくるそうです |
開館時間: 午前10時〜午後5時 休館日:火曜日、年末年始(ほかにメンテナンス休館あり) その他:飲食可能なスペース、授乳室、おむつ交換トイレあり 詳しくはHPをご覧ください |
毎年、天文台と絵本の家が協力してアイディアを出し合って企画する催しがあります。 今年は8月7日に伝統的七夕まつり、9月17日に中秋の名月お月見会があります。 どちらも夜間のイベントなのでいつもと違った雰囲気を楽しむことができます。 お楽しみに! |
reported by ミドリコ
2016年4月号