星の話をしよう!5月号

協力:天文学とプラネタリウム


5月の夜空は、これに注目!


 5月12日シュヴァスマン・ヴァハマン第3彗星が地球に大接近します。そして、肉眼でも見える明るさになるかもしれないと予報されています。しかもこの彗星は、なんと本体がいくつもの破片に分裂しながら太陽の周りを回っているのです。そこで、今回は「彗星」という天体について、紹介したいと思います。

[彗星ってなんだろう?]
 皆さんは、彗星(すいせい)という天体を知っていますか?ハレー彗星や百武彗星などは、名前を聞いたことがあるかもしれませんね。彗星は「ほうき星」とも呼ばれますが、その名のとおり、よく長い尾を引いて私たちの前に現れます。彗星は、私たちの地球と同じ、太陽の周りを回っている「太陽系」の仲間です。地球と違って、とても細長い楕円を描きながら太陽の周りを回っています。

 彗星の本体は、よく「汚れた雪だるま」といわれます。都会で少ししか雪が積もらなかったときにがんばって雪だるまを作ると、泥や土などが混じった、少し黒っぽい雪だるまができますよね?そんな感じです。彗星は、ドライアイスや水の氷と、砂みたいな塵がごちゃ混ぜになって固まっている、そんな天体なのです。そんな彗星が太陽に近づくと、太陽の熱で氷が溶かされガスになり、塵などと一緒に宇宙空間に吹き飛ばされます。これが彗星の「尾」です。

 このように彗星は、氷と塵の塊なのでとても壊れやすく、今回のシュヴァスマン・ヴァハマン第3彗星のように、壊れてしまうことがしばしばあります。国立天文台では、皆さんにシュヴァスマン・ヴァハマン第3彗星をぜひ見てもらおうと、「謎の彗星見えるかなキャンペーン」を行っています。キャンペーンのwebページでは、この彗星の秘密や、どのように見たらいいのかを解説していますので、ぜひご覧になって、彗星ウォッチングにチャレンジしてみてください。(塚)

◆「謎の彗星見えるかな?」キャンペーン(国立天文台)
http://www.nao.ac.jp/phenomena/20060502/index.html



今月の星空 Q&A
このコーナーでは、皆さんから寄せられた宇宙に関する質問に対して、天文学とプラネタリウム(略称:天プラ)のメンバーがお答えします!お子さんから聞かれて答えに困った素朴な疑問などありましたら、sukusuku@mitaka.ne.jpまでぜひお寄せ下さい。


オシエテオシエテ
どうしてお月さまはず〜っとぼくについてくるんですか?


オコタエシマス

 私もこどもの頃に、とても不思議に思っていました。家族でお出かけをした帰り、車窓から外を眺めていると、周りの景色はどんどん流れていくのに空のお月様だけはずっと付いてきます。車が信号で止まると、お月様もぴたっと止まる。なんとも不思議な気分でした。

 これは、どう考えたら良いのでしょうか?答えは、やはり車窓の中にあります。よくよく外を眺めていると、近くよりも遠くにある景色の方がゆっくりと流れていくことに気が付きます。遠いほどゆっくり動くのなら、ずっとずっと遠くなら・・・きっと、ほとんど動いていることに気が付かないでしょうね。そう、お月様はずっとずっと遠くにあるので、いつも同じ方向に見え、まるで私たちにぴたっと付いてきてるように感じるのです。

 こんなお月様でも、じっと眺めていると少しずつ動いていく様子がわかります。特に皆さんに見ていただきたいのが、夕方、東の地平線近くに見える満月。10分も眺めていれば、みるみるうちに地上を離れ、空を目指して昇っていく様子がわかるかと思います。これは主に地球が自転しているためですが、そう思って眺めると、地球が動いているんだなということが実感出来るでしょう。たまには手を休めて、ゆっくりと月を眺めてみませんか?(梨)
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2006年5月号

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