家を建てるときは採光を考えて南向き、夏の蒸し暑さをしのぐために風通しを良く(あるいは冬の豪雪に対処するため、屋根の傾斜を急に)しておく、というのが日本の一般的な家屋の建て方ですね。南向きにするのは、太陽が一年中天頂よりも南側を通るためです。
ところが北緯およそ23度にある北回帰線に対して、赤道寄りの地域では、春分・秋分の日を境に、太陽が北側に行ったり南側に行ったりします。夏の間は北側、秋分の日を過ぎると南側。南回帰線よりもさらに南に行くと、今度は太陽が天頂よりも北側に行きっぱなし。地球の自転軸の傾きのおかげで、緯度によって、家を建てるときの考え方が変化するわけです。もっともいまどきの都会であれば、よいっぱりの人が多くて、太陽がどっちにいるなんてことは、あまり重要でなくなっているのかもしれませんが。
|
同じ理由で、秋の空の名物であるアンドロメダ星雲も、日本では天頂近くを通るので首が痛くなりがちなのに、ハワイではちょっと低いところを通るので、見やすくなります。しかも晴れたら空気が澄んでいるので、視力の良い人なら平地に住んでいても、見分けられるチャンスが多くあります。日本でも台風一過のあと、空が澄んでいたら、自分の目で見えることがありますよね。台風が過ぎてほっとしたところで、夜空を見上げてみたいものです。何しろ私たちの住んでいる地球が属している太陽系、これを含む銀河系とは別の銀河を、自分の目で見る絶好のチャンスなのですから。 |
さてさてハワイでは、昼間の太陽の高度が相変わらず高い。すばる望遠鏡が設置されている山の上では、強烈な紫外線が降り注ぎます。もし皆さんが見学にいらっしゃることがありましたら、たとえ気温が摂氏ゼロ度付近になっても、紫外線が強いので、日焼け対策にご注意くださいね。(左)
|