ようこそ!アロマの世界へ
日本ハーバルアロマセラピスト協会認定 アロマテラピーアドバイザー リフレクソロジスト
崎谷明子(saki)さんによるアロマエッセイです
第24回 オリジナル香水で春のおしゃれを楽しみませんか?
春です。花や草木が芽吹き、自然が色とりどりの色彩や優しい香りを与えてくれるようになりました。その自然の恵に呼応するかのように、私たちも街を歩けば明るいパステルカラーの洋服に目がいき、髪形も春らしい軽やかなスタイルにしたくなります。そして季節がかわると、香りの好みもかわってきます。冬のおしゃれは外気の寒さから人々の体だけでなく心も暖かくしてくれる暖色系に人気があるように、香りも人の心をホッと暖かくさせてくれるようなソフトで甘い香りが人気です。でも春になり暖かくなってくると、ファッションも明るいパステルカラーに人気が出るように、香りも軽やかで優しいもの、さらには爽やかでフレッシュなものを求めるようになります。 香りの好みが変わる理由の一つとして、私たち人間の嗅覚は、同じように香りが漂っていても鼻の粘膜が乾燥している状態ではその香りをあまり感知できない、ということがあげられます。逆に湿度が高い状態の時は、鼻の粘膜も潤っている為、通常より香りを強く感知するということです。ですから、乾燥していた冬場から、暖かい春、そして湿度の高い梅雨へと季節がかわってくると、香りに敏感になり今までの香りが重く感じたりするのは自然のことでもあるのです。 とはいっても、市販の香水を季節によっていろいろ試してみるのは難しいもの。でも香水って、実は意外に簡単に手作りできます。精油で作るオリジナルの香水は、優しいナチュラルな香りであるだけでなく、できあがりがどんな香りになるのかというワクワク感も楽しめます。 一言で香水といっても、賦香率と呼ばれるアルコールに溶かした香料の割合によってその種類は次の4種類に分類されます。(香料の含有量の規定は特に定められているわけではないので、本によって数値が違うこともありますし、ブランドや製品によって割合が違うこともあります)
今回は香料の含有率が一番高いため、香りが長時間持続し、香りの深みや変化がより楽しめる パルファンのレシピをご紹介します。 <用意するもの> ・ 遮光瓶 1本 ・ アルコール 4ml (無水エタノールかウォッカがよい) ・ 精油 20滴 (20%)5〜6種類以上選択することをお勧めします <作り方> ・ アルコールに合計20滴の精油を混ぜて容器にうつします。 (香りがアルコール臭に負けてしまうこともあるため、香りを調整しながら作りたい場合は、精油を全てブレンドしてからアルコールを加えてもよいでしょう) ・ でき上がった香水は、毎日軽く瓶を振りながら、冷暗所にて最低2週間は熟成させて下さい。 ・ ベルガモットなど柑橘系のものは光毒性に注意して下さい。レモンは香水には使用せず、代用品としてレモングラスを使用します。 最初はアルコール臭が強いため香りがよくわからないかもしれませんが、日が経つにつれ香りが熟成され、深みのある何ともいえない良い香りになります。香水をつける場所は、肘の内側、ウエスト、膝の裏側、足首などがよいと言われています。肌が弱い方は、空中にスプレーして、その下をくぐるという方法もお勧めです。香水は、時間が経過するにつれ香り立ちが変化していきます。人肌によって温められた香水は、人それぞれの香りのハーモニーを醸し出すのです。また香り立ちは、ブレンドする精油の種類によっても様々な違いが生じます。 ブレンドの方法ですが、実は特別に決まりがあるわけではありません。ただし、相性の良いブレンドというものがやはりありますので、ノート(Note)を意識してブレンドするのが良いと言われています。ノートとはアロマテラピーの世界では<香調>といわれ、香りの系統や揮発速度・持続性を表す際に用いられます。トップノート・ミドルノート・ベースノートという表現をご存知の方もいらっしゃると思いますが、これは香り立ちの時間(揮発速度)を表します。精油事典などでは、必ず精油がどのノートに属するのかが記されています。トップノートは香り立ちが早く、香りの第一印象になり、ミドルノートは30分以上してから香ってくるその香水のメインとなる香りです。ベースノートは香りに深みや持続性を持たせるために使われたりします。また精油は香りの系統で6つあるいは7つのグループに分けられています。ブレンドは香りの系統が同じか近いグループほどブレンドの相性が良いといわれていますが、その系統だけでなく香りの持続性なども意識してブレンドするとより素晴らしい香水ができるでしょう。そこが手作り香水の楽しさでもあります。次回はブレンドの方法についてさらに詳しくお話していきたいと思います。 |
2007年4月号 |