ようこそ!アロマの世界へ
日本ハーバルアロマセラピスト協会認定 アロマテラピーアドバイザー リフレクソロジスト
崎谷明子(saki)さんによるアロマエッセイです
第25回 香りのブレンド
前回に引き続き、今回もブレンドの方法についてお話させて頂きます。 ブレンドの方法というのは厳密な決まりはありませんが、相性の良いブレンド、香りの持続時間を長くするブレンド、香りにより深みを持たせるブレンドなど、実はとても奥が深いものです。 そして、そのブレンドこそが、アロマの楽しみともいえます。 ブレンドの方法を少し知っておくだけで、きっとアロマの楽しみ方がかわってくると思います。 さて、前回のおさらいです。香りは香り立ちの時間(揮発する時間、持続時間)によって、 トップノート、ミドルノート、ベースノートという言葉で分けられている、ということを覚えていますか? 各ノートの特徴と持続時間は下記表をご参考下さい。 <揮発度>
トップノートの特徴を持つ精油は、レモン、オレンジ、ベルガモット、ペパーミントなど柑橘系やハーブ系が上げられます。 これらの香りは日本人には馴染みがあり、人気が高いものですが、揮発時間が早いため、持続時間も短く30分程度で消えてしまう香りもあります。 ミドルノートは、ローズ、ネロリ、カモミール、ローズマリー、クラリセージなど花の香りや、グリーン系の香りが上げられます。香水を作る時は、メインとなる香りです。 ベースノートは、サンダルウッド、フランキンセンス、パチュリー、安息香などウッディ系のものが上げられます。 これらの香りは単体では香りが強いものもありますが、微量をブレンドすることによって、香りがやさしくマイルドになり、そして香りにより深みを持たせ、なんとも言えない残り香を漂わすものに仕上げてくれます。 以上3つのノート以外に、もう一つお伝えすべきことは、香りの系統です。 精油には様々な種類があり、現在精油としてあるものは300種類くらいですが、 その中でも比較的安全性が高く、入手しやすいものは100種類程だといわれています。 それらの精油は香りの種類(系統)によって大まかに6つ、あるいは7つのグループに分類されています。 下記の表をご参考下さい。 <香りの系統>
香りの系統が同じか近いグループほどブレンドの相性が良いといわれています。 例えば、ローズマリーはハーブ系なので、同じハーブ系のペパーミントやマージョラム等と相性が良いのです。 また同じグループだけでなく、ハーブ系は柑橘系や花のグループの香りともブレンドの相性が良いので、 オレンジやグレープフルーツ、ゼラニウム等ともブレンドすると爽やかな香りを楽しむことができます。 でも、先程書きましたようにハーブや柑橘系はトップノートのものが多く、香りはすぐに消えてしまいます。 もし香りを持続させたいのであれば、ここにベースノートの精油をごく少量加えることによって、より持続する香りにすることができるのです。 また香りに変化を加えるために、香りの系統が全く違う樹脂系のものを少量ブレンドするという方法もあります。 これは、お汁粉にちょっとだけ塩を入れて隠し味にするようなものです。 例えば、フランキンセンスは、ベースノートであり、樹脂系の香りでもあるので、 ローズマリーをメインとした香りにブレンドすれば香りの継続時間を長くするだけでなく、香りのアクセントにもなります。 以上、簡単ではありますが、ブレンドについてご興味を持って頂けたら幸いです。 ブレンドは、慣れないとちょっと難しいと感じるかもしれませんが、 どんな時に使いたいのか、どんな香りの香水にしたいのか、目的を決めれば比較的香りを選びやすいと思います。 やはり最初は好きな香りから始めたほうがよいでしょう。 でも、アクセントのための精油などは、そのままの香りは苦手でも、意外に思わぬ香りを醸し出してくれたりします。 また香水は2週間以上熟成させるので、その間に香りの鋭さが取れ、ソフトでマイルドな香りに落ち着いてくることもあります。 私が先日作った香水はちょうど3週間が経ち、まだ多少アルコール臭が残っているものの、良い香りに仕上がってきました。 因みにブレンドは、ローズゼラニウムIネロリライトAラベンダーBベルガモットBサンダルウッドAです。 大好きなローズゼラニウムの香りをメインに、落ち着いた女性らしい香りです。是非、皆さんも自分だけの香りを作ってみて下さいね。 |
2007年5月号 |