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日本ハーバルアロマセラピスト協会認定 アロマテラピーアドバイザー リフレクソロジスト
崎谷明子(saki)さんによるアロマエッセイです



第29回 リフレクソロジーで冷え対策


  冷え性の方にとっては、これからの季節は辛いものです。冷えについては第3回のコラムでも取り上げましたが、冷えは寒さだけからくるわけではなく、冬に限らず夏でも手足が冷えている方が多くいます。 知っておかなければいけないのは、冷えることで体には様々な症状が出るということ、そして本人にその自覚がない場合もある、ということです。頭痛・肩凝り・生理不順・むくみ・めまい・慢性疲労・肌の不調等、様々な症状は冷えが原因で起こっていることもあるのです。

 冷えというのは、様々な原因によって血管が収縮し、血液のめぐりが悪くなって、末端の毛細血管までスムーズに血が流れない状態になることです。よって、まず手や足の先など、体の末端から冷えを感じ始めます。冷えが酷くなると、血液によって運ばれる栄養や酸素もうまく運ばれなくなってしまうため、血管はますます収縮し、細胞の機能も悪化し、新陳代謝も低下していきます。その結果、上記のような様々な症状が起こってきてしまいます。
 冷えの原因はいくつかあります。まず自律神経(交感神経と副交感神経からなり無意識に働く神経)の乱れです。自律神経のバランスが崩れると、血行不良が起こるため冷えの原因となります。また女性ホルモンの分泌の変化や喪失も自律神経を乱れさせます。その他、貧血や血圧といった体質の問題もありますし、運動不足、食生活といったことが原因で血行不良を起こし、冷えの症状が出ている場合もあります。よって、冷えを改善するには、温かくして体を外から冷やさないようにすることはもちろんですが、その他、規則正しい生活をする、ストレスをためない、適度な運動をする、栄養バランスの取れた食事を取る等も大切なことです。

 そしてもう一つお勧めなのは、リフレクソロジーです。リフレクソロジーは、洋服を着たままでも手軽に行うことができ、しかも痛すぎず心地良い刺激なので、近年とても人気のあるトリートメントです。
 リフレクソロジーは「reflex(反射)」と「-logy(学問)」が合わさった造語で、反射療法、あるいは反射学という意味を持っています。リフレクソロジーの考え方は、身体の各部分に反応する特定の反射ゾーンを刺激することによって、血液やリンパの流れをスムーズにし、人間が持っている自然治癒力を本来の状態に戻すというものです。実際、リフレクソロジーは血行を促進する効果だけではなく、その特殊な刺激により、脳に深いリラクゼーションをもたらし、ストレスや不安を解消してくれるといわれています。冷えの原因は自律神経の乱れなどもあるので、リフレクソロジーは冷え対策には理想的なマッサージだと思います。
 リフレクソロジーはもちろんプロに行ってもらうのが最も効果的ですが、体の各部分に反応する場所を点ではなく、ゾーン(範囲)として捉えているので、だいたいの場所さえわかれば、誰でも気軽に自分で行ったり、家族にやってもらったりできるものです。
 そして、ご存知の方もいるかもしれませんが、足裏の図があまりにも有名なので、足裏だけに反射ゾーンがあると思いがちですが、実はそうではありません。足の甲にも反射ゾーンはありますし、手にも足と同じようにゾーンがあります。足裏のリフレクソロジーが主流なのは確かですが、手でも同じような効果をもたらしてくれるので、足に怪我をしている場合や、手のほうの疲れを感じている場合などは好みに応じて行ってみて下さい。
 ソーンの覚え方ですが、これが実は意外に簡単です。リフレクソロジーのゾーンというのは、実は足裏を体の上半身にみたてて考えることができるのです。図を参考にしてみて下さい。
           

(1)のゾーン:足の指から土踏まずの上までを横に切った部分を、身体の頭から横隔膜までの部分と考えます。足の指には頭部、そしてその下には食道や気管支、肺、肩などのゾーンがあります。

(2)のゾーン:土踏まずの始まる所から踵の上までを横に切った部分を、身体の横隔膜から骨盤までの部分と考えます。ここには胃や肝臓、腎臓などのゾーンがあります。

(3)のゾーン:踵の全体を、骨盤や腰の部分と考えます。

(1)、(2)、(3)の順番に右足から刺激していきます。右足が終ったら左足に移り、同じ様に刺激します。全体的に行うことが好ましいのですが、不調を感じているゾーンを刺激してあげるだけでも効果があります。

 リフレクソロジーを行う場合は、トリートメントオイルを使う事もより効果を高めます。精油は、血行を促進する効果があるものをブレンドするとよいでしょう。

<トリートメントオイルレシピ>
キャリアオイル(アーモンド、ホホバなど) ・・・ 30ml
精油 ・・・・・・・・・・・・・・        18滴
ボトル1本(できれば遮光瓶。プッシュ式のものが楽) 

《精油のブレンド例》
♪サイプレス5滴+マジョラム5滴+ラヴェンダー5滴+ジンジャー3滴


このレシピは効果を高めるため、濃度が3%になっています。妊娠中の方やお子様へ使用する場合には、半分以下の濃度にして下さい。

底冷えの始まるこれからの辛い季節、少しでも快適に過ごす事ができるよう願っています。
  

2007年11月号



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