ようこそ!アロマの世界へ
日本ハーバルアロマセラピスト協会認定 アロマテラピーアドバイザー リフレクソロジスト
崎谷明子(saki)さんによるアロマエッセイです
第32回 アロマで森林浴
新緑が眩しいくらいに美しい季節になりました。自然の恵みの中で思いっきり深呼吸してその香りを堪能してみたくなります。特に緑豊かな森林の中の空気は格別です。清々しい空気を吸う森林浴は、ストレスを緩和し疲労を回復してくれる等といった効能があることを聞いたことがある方も多いと思います。 そんな時よく用いられる言葉はフィトンチッドという言葉です。フィトンチッドとは、植物から放散されて周囲の微生物などを殺すはたらきをもつ揮発性の物質のことです。1928年にロシアのトーキンという人物が、植物を傷つけるとその周囲にいる細菌などが死ぬ現象を発見して、この物質をフィトンチッドと命名しました。これは「植物」を意味する「Phyto」と「殺す」を意味する「cide」から作られた造語だそうで、意味を知り・・・納得です。植物が何故このような物質を放出するのか、それは自らの身を外敵からの攻撃等から守る為ではないかと言われています。またそれだけでなく、他の生物に様々な生理作用をもたらし、森林生態系の中で非常に重用な役割を担っているのではないかとも考えられています。そして、このフィトンチッドというのが、私たちが感じる森の香りの成分でもあります。 森林浴は、目から見える美しい景色、小川のせせらぎや鳥の声、そしてこの香りの成分等が私たちに様々な効能をもたらしてくれます。本来なら、自然の中でその素晴らしさを堪能できればよいのですが、忙しい毎日で時間がない方もいるでしょう。そんな時は是非アロマで手軽に森林浴を楽しみましょう。 フィトンチッドが放出される森林などの空気中には、α?ピネンやリモネンといった成分が検出されていて、これらの成分がリラックス効果をもたらしているといわれています。これらの成分を含む精油には以下のようなものがあります。 ジュニパー・ベリー ・・・ くっきりしたリフレッシュさせる香り ? サイプレス ・・・ ウッディーで軽くスパイシーな香り? ユーカリ ・・・ クリアでしみとおるような香り ? パイン ・・・ フレッシュな森林の香り レモン ・・・ フレッシュで鋭い柑橘の香り フランキンセンス ・・・ ウッディーでわずかにレモン的な香りのスパイシーな香り これらの精油をブレンドして、エアフレッシュナーを作ったり、アロマバスに入ったり、フレグランスを作ったりすれば、お家で森の香りを楽しむことができるでしょう。そんな時は、お部屋のインテリアや音楽等にも一工夫するとよりお家での森林浴気分が楽しめるので、是非気分をかえてチャレンジしてみて下さいね。 |
2008年5月号 |