日増しに秋が深まりゆく季節となりました。景色のうつり変わりを感じながら過ごす時間は心なしかゆったりと過ぎていくように感じます。そんなゆったりした気分になり、ふと自分のことを振り返ってみると、大切な肌や髪が夏の間に紫外線ですっかり痛んでしまった事に気づきます。せっかくの秋の夜長、たまにはご自分へのケアの時間にあててみませんか？ 肌や髪によい効果をもたらしてくれる精油はいろいろありますが、今回ご紹介するのはイランイランという精油です。イランイランは熱帯の樹木で、その香りは風にのって遠くからも感じることができるといわれています。イランイランという名前は「花の中の花」という意味のマレー語の「アランイラン」から由来しています。これは木からぶらさがって咲く花々の姿（図１）をさしていったものだということですが、香りもやはり「花の中の花」という言葉にふさわしい、華やかな香りで。高級香水に使われることも多く、有名なシャネルの５番にも入っています。どこまでも甘く、温かく、そしてエキゾチックなその香り、好き嫌いはありますが、一旦その魅力に惹かれると、やみつきになってしまう魅惑の香りです。 イランイランは心に対して、身体に対して、肌や髪に対して、私たち女性にとってとても嬉しい効能がたくさんあります。 心に対しては、神経系をリラックスさせ、怒りや不安、ショックなどの感情をときほぐしてくれるような作用を持っています。例えば、初めての出産の時、準備はしていても初めての陣痛、思いもよらない痛み、不安にパニックになってしまう方もいるかもしれません。プレママアロマ教室では臨月に入り出産への準備や、いざ陣痛がきた時に使える安産お守りオイルというものを作って頂いているのですが、このお守りオイルにリラックス作用をもたらしてくれるイランイランをブレンドしています。 身体に対しては、ホルモンバランスをとる作用があることで有名です。また高い血圧を下げる助けをしてくれたり、過呼吸にも有効です。更年期に入る頃、過呼吸になる方もいるということです。そんな時にも強い味方になってくれそうです。 そして肌に対しては、皮脂の分泌のバランスをよくする作用があるところから、脂性肌にも乾燥肌にも有効です。また、頭皮に対して強壮、刺激の両効果があって、髪の成長をよくしてくれるといわれています。効能も素晴らしいのですが、手作り化粧水やクリームなどにイランイランをブレンドすると、まるで高級ホテルのアメニティグッズのような素敵な香りになるというのが私の気に入っている点です。 さて、イランイランの素晴らしさはおわかり頂けたかと思いますが、今回はご自分への特別なケアということがテーマでもありますので、イランイランをブレンドした肌にも髪にも使えるクレイパックをご紹介したいと思います。 クレイとは、地下の粘土層から採掘されたミネラル分をたっぷり含んだ粘土のことです。鉄、カルシウム、カリウム、マグネシウムなどのミネラルが肌に浸透して新陳代謝を促し、細胞を活性化し、お肌を柔軟にし、若々しい肌作りを助けてくれるといわれています。日光をあてて自然乾燥させミネラルを更に活性化させたものが上質のクレイとされています。クレイは、世界中で採掘され、その成分によって異なる色や特性を持ち、スキンケアだけでなく、医療、磁器、工業や建築などの分野で千の用途があるといわれるほど様々に利用されています。 ♪クレイパック レシピ 【材料】 （１） クレイ（カオリン） ４０ｇ （２） フローラルウォーター 適量 （精製水やハーブの浸出液でもよい) （３） キャリアオイル 適量 （グリセリンでもよい） （４） 精油 ６滴 例）イランイラン２滴・レモン２滴・ローズウッド２滴 （５） 保存容器 ＜お勧め精油＞ シミ・・・レモン・セロリ等 くすみ・・ローズマリー・オレンジ等 シワ・・・フランキンセンス・ネロリ・ローズ等 【作り方】 （１） クレイにフローラルウォーター（あるいは精製水）を適量入れて、かき混ぜ２〜３分置く。 （２） キャリアオイルを加えて混ぜ、精油も加えさらに混ぜる。 （３） 肌（髪でもよい）にクレイパックを塗り１０〜１５分経ったら水でよく洗い流す。 ※石鹸洗顔などは必要ありません。 その後は化粧水や乳液などでお手入れをしましょう。 ※肌の状態によって、パックの時間を調整して下さい。 かゆみ、ひりひり感などがあったら、すぐに洗い流しましょう。 クレイパックをした後の肌は透明感が出て、本当に肌色が一段明るくなった感じがします。 お風呂の中で行うと洗い流すのが楽ですし、その香りがお風呂に広がりまるでアロマバスに入っている感じがしてとってもお勧めです。 最後に注意点ですが、イランイランは過度に用いると頭痛や吐き気がすることもあります。香りが強いため、その日の体調によっても少量でも頭痛が起こることもあります。また敏感な肌を刺激することもあるので、炎症や皮膚炎を起こしている方は使わないように注して下さい。心配な場合はパッチテストをして下さいね。 （図１）
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