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第10回 「関東大震災」から90年

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「防災の日」である9月1日は、今から90年前の1923年に相模トラフを震源とする大地震(関東大震災)が発生した日です。

90年前の出来事ですから、震災の体験・記憶がある人は、かなりの高齢となっていますし、当時の状況や教訓を語り継ぐ人も少なくなってきています。

 関東大震災は、地震発生時刻がお昼時だったこともあり、当時の東京市では134か所から出火し、さらに新潟県付近が台風あり、その影響で南風が強く吹いていたことから、約16万6千棟が焼失し、約6万6千人が犠牲になりました。震災全体の犠牲者は約10万5千人で、うち火災による犠牲者が約9万2千人、実に9割近くが火災により犠牲となりました。

 「地震だ!火を消せ!」と長い間、繰り返し合言葉として言われてきたのは、実はこのような悲惨な教訓があったからなのです。

 その後、1995年発生した阪神・淡路大震災では、約6千5百人の犠牲者のほとんどが、家屋や家財の下敷きになったことによる圧死であったことから、まずは地震の揺れによる被害から自分の身を守ることを最優先にという意味で、今では「地震だ!まずは身の安全!」が合言葉となっています。

 実際、現在では、関東大震災当時と比べ、揺れにより火災が発生する要因は激減しています。ガスが使用されるようになっていますが、マイコンメーターの作動によりガスは自動で止まりますし、ほとんどの石油ストーブには揺れや衝撃を感じると自動的に消火する機能が付いています。

 しかしながら、建物の不燃化も進んでいるものの、依然として木造建物も多く、関東大震災当時より建物の数は大幅に増え、逆にオープンスペースは大幅に減っています。また、同時多発的に火災が発生すると、消防能力も当時と比べ各段に進歩しているものの、平常時と同様には消火しきれないのが現状です。

 東京都が発表した被害想定では、首都直下地震が多摩地区を震源として発生した場合、三鷹市内では、約800棟が焼失すると想定されています。

 このように考えると、昔も今も、とにかく「火を出さないこと」が大切であることは変わらない防災対策です。「地震」は防ぐことはできませんが、一人ひとりの取り組みにより、地震による「震災」を防ぐことは可能です。関東大震災から90年が経った今、改めてその教訓を思い起こし、来るべき大地震に備えてください。

(参考)地震発生時に限らず、停電時に避難や外出をする際には、電気のブレーカーを必ず落してください。通電時の電化製品からの火災の発生を防ぎます。

2013年9月号


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