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【第1回】 初めの一歩 〜作ってみる、試してみる
思い起こせば、発想の発端は「不満」でした。
おんぶ紐やママバッグはかさばるし思いし、他の荷物と一緒に持つには、自転車に子どもも荷物も乗せるには、とにかく一苦労。こんな形のほうがより便利じゃないかな?? あの形も試してみたい・・・の毎日でした。しかし、どれも気に入らない! これはもしかしてベルトの構造そのものに問題があるから? と疑問を持ち始めたのでした。


ある日、これだ! こんな形ならできるのでは? と閃いた瞬間から、作って試してみたくて居ても立ってもいられなくなりました。まずは紙を切ってノリやテープで貼って動かしてみる。おお!いけるかも! 次は布で実際使えるようにして実験してみたくなり、ほこりをかぶっていたミシンを取り出し原型を作ってみました。あれ? 紙の時とちょっと違うな、という発見や、布って紙と違ってこんなこともできるんだ・・・という発見を楽しみながら。
もともと私はミシンが苦手で、なぜか縫うとまっすぐいかないので、ごまかしが効くようにふわっとしたキルトの生地を買うことにしました。実際に買いにいくと、色々な絵柄でビジュアルに弱い私は混乱状態。店員さんにお勧めの柄を聞いたりしながら2種類の絵柄を選び、親子セットで作ってみることにしました。子どもも使えるほど分かりやすいものでないと、という思いがあったので。
まったく新しい構造を考え出したものだから、型紙も無い状態。あったとしてもそれをこなせる基礎知識も経験も無かったものですから、結果は同じかも知れませんね(笑)。ゴツゴツした作りだったためミシンが通らないところも出てきたりして、そこは布団針を取り出し何度も重ねて丈夫に縫い付けることにしました。手作り感を出したい時にも、手縫いっていいなあと思いながら。
そして出来上がった娘用のものが右の写真です。
写真


写真 まずは娘に使い方を教えやってごらんと誘うと、喜んで思った以上に上手にできました。それを見ていた息子は自分は違うのを考えたよ、と言いながら絵を描いてくれました。コアルーは4方向にベルトを伸ばせるのに対して、息子のは3方向。まるでメッセンジャーのような構造でした。あれ? そうだ! 腕を両方通さないで片方だけ通せばこの形になれるのでは? 思わぬ収穫です。さらに何通りも使えるバッグじゃないかと独りで感心、息子のアイデアをぱくりといただいちゃいました。実に楽しい瞬間でしたね。
さっそく、翌日幼稚園に持っていくと、まずは可愛い絵柄が目を引いたのか、可愛いね!とお母さんたち。娘がさりげなくさっとリュックにして中に入ると、その後ろ姿をみてさらに驚くお母さんたちがいました。何それ? そこから話は尽きません。こういう構造を考えたんだけど、いけると思う? ええ?すごい発見だね! うちにも作ってほしい、私も作ってみようと・・・



ある日、園長先生からも、娘さんの鞄の使い方を見てびっくりしました、とのお言葉をいただき、さらに燃えました。もっと多くの人が便利に使えるように、商品化してみたい! その思いはやがて幼稚園のママたちに伝わり、偶然にも同じ幼稚園のママでバッグデザイナーがいることを知りました。さっそく会って話をしてみると、とてもやさしい人ですぐにデザインを引き受けてくれました。
発明品という切り口から発明学会の存在を知り、ある先生の講義を聞きに通っているうちに、毎年9月にギフトショーという展示会に作品を出す機会に誘われました。さっそく出来上がったデザインを工場さんに試作品を頼み出品することに。まだラベルもついていない状態で、個人レベルでの挑戦でした。いつもそうですが、私の無謀な挑戦は周りを心配させ、こんなことをやらないといけないと思う、これも必要じゃないの?と意見を出してくれる人たちに恵まれるのです。幼稚園やマンションのママ友だちの提案を受け入れ色々な準備をしているうちに、タダの主婦じゃない!と目が丸くなるようなキャリアの持ち主や経験者がなんて多いこと。びっくりです。
さあ、船出。どうなるかな? マーケットレベルでちゃんと受け入れられるかな? どきどきしながら皆とサンプルの出来上がるのを楽しみにしていました。
続く・・・

コアルー公式サイト
http://www.coaroo.info/


2013年5月号

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