HOME>コラム>三鷹のハハヂカラ(母力)!>coarooバッグを生み出したチカラ
コアルーバッグのアイデアを思いついてから、今の事業レベルに引き上げるまで、実にたくさんのママたちに助けていただきました。家にはなぜか常に人であふれていて、チヂミを作ったりサムギョッサルを焼いて食べたり、お花見やクリスマスなど欠かさず集まって大騒ぎ状態でしたが、コアルーバッグのアイデアを思いついた時も、マンションのママや幼稚園のママたちと一緒に食べながら「こんなのどう?」から始まった話が、「すごくいい!と思う。絶対ウケるよ!」と言っているうちにどんどん発展していったものです。 |
特に、マンションのママの一人は大手化粧品会社のデザインの仕事をするほどの凄腕のデザイナー。その人は、「新しい商品にはプロモーションが必要でそれには商品を企画したり生産する以上の労力と費用がかかるから自分が手伝ってあげるよ」と名乗ってくれました。ロゴ作りやキャラクター作り、名刺のデザイン、展示会のツール、会社案内、そしてコアルーバッグの紐の掛け方をイラストで分かりやすく表現する作業までも。翻訳や編集の仕事が主だった私はもっぱらテキスト人間だったので大いに助かりました。ビジュアルで表現すること、イメージを共有することは、本当に大変な作業で、そこをまかなってもらいましたからね。 |
会社を立ち上げて間もない頃、3.11で営業が苦しんでいたとき、私は実に無謀な決断をしました。これで会社がつぶれるぐらいなら、いっそのこと冒険をしてお終いにしようと。発明仲間と机を並べて、TASKものづくり大賞でいただいた副賞として、毎年9月と2月のギフトショーという大きな展示会に出展していたのですが、今度は1ブース丸ごと借りて大きくプロモーションしようじゃないか! ありったけのお金をはたいてブースを借りました。商品も少ないのに、ちゃんとした見せ方も決まってないのに、よくもそんな決心をしたと、今でもぞっとするぐらいの無謀さです。 |
ちょうどその頃、最近どう?と話をかけてくれる幼稚園時代のママがいて、涙をこぼしそうになりながら近況や展示会のことを言うと、「チーちゃん、一人でそれをやるつもり?」と心配をしてくれました。「ダメよ、皆に呼びかけてみよう、きっと手伝ってくれるよ。」その時に集まったメンバー5人と私を入れてさっそく作戦会議。やることは山ほど、問題も山積です。 それぞれの子育て業があるものだから会社組織のように決まった日時に集まることすら大変。さあ、どうする? フェイスブックの中でグループを作って意見を交わして、最低限のミーティングで作業をしようということになりました。自分も皆もあまりフェイスブックの使い方に長けてなかったので、使い方から学ぶ始末。夜な夜な激しい議論を交わしながら情報を集め案を出し合いました。子どもたちが騒ぐ中、お迎えの時間を気にしながら密にミーティングを行いました。展示会の期間中もシフトを組んで会場に立ってくれました。もし自分一人で臨んでいたらとても寂しい展示会になっていたところを、皆のお陰で大盛況! だっておばさんパワーですもの。 |
それからというもの、ちょうど政権が変わり3.11からの影響も抜け出しながら営業は復活。それまで以上の勢いで次々と取引が決まったり契約が決まって。今では三越伊勢丹さんとのコラボ商品作りまで進んで9月には発売を控えています。とはいえ、まだどこの取引先も慎重気味で第一ステージのレベルですので、まだまだ利益が見えるほどではありませんが、明るい希望だけは確かに見えています。 |
アベノミックスと称される最近の経済対策の一環として、女性の仕事を応援するモードも広がっているなか、女性の働き方についていろいろ考えることがあります。女性と男性では働く動機や働き方にかなり違いがあるなあと。 男性は一家を食べさせるという古典的な役目を背負って、嫌でも応でもという要素もありますが、女性はある意味「好き」という気持ちが大事なのではないかと。そしてとてもピュアなところがあるように感じます。私を手伝ってくれたママたちから、感謝すべきはこちら側なのに、かえって感謝されるときがあります。素敵な体験をさせてもらったことに感謝していると。こないだメンバーの一人が妊娠し可愛い女の子を出産しました。上のお子さんが小学校3年生だからずいぶん年が離れています。二人目を諦めていたのに、コアルーの仕事を通して普段と違うことをしたり違うことを考えたりしたからだと思う、といってくれたときには、本当に嬉しかったです。思わず、じゃ、その子の名前をコアルーにする?と言いたくなりましたね。笑 |
コアルー公式サイト
http://www.coaroo.info/
2013年8月号