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【第3回】 「子どもがいるとできないこと、子どもがいたからできたこと」@
さぁ、古本屋を始めようということは決めた。が、まったくノウハウがわからない。どこかの古書店でアルバイトをして修業しようかと考えた。このとき“ネック”となったのが、子どもの存在。子どもが幼稚園の年長のときに、テレビの仕事に復帰したが、フルタイムワーカーではなく、基本的には、子どもが幼稚園なり小学校に行っている時間帯と子どもが寝たあと、週末にやると決めていたからだ。


子育て中の女性が仕事をするとなると、子どもをどうするのか、どういう時間帯、どういうスタンスで働くかが大きなポイントで、そこは人や家庭によってそれぞれ事情も考え方も異なり、どれが正解という次元のものではない。

私の場合は「おかえりなさいを言う」を原則に考えた。時に、子どもが帰宅する時間に間に合わないことがあっても、原則はそこ。子どもが帰ってきたときに「誰かが家にいる」ことが大事かな、という感覚を優先したかった。

そしてそれと同じくらい大事なのが、この原則を守ることで私の精神的なバランスが保たれる、時間配分的にも五分五分な感じが、私には合っているということが、私自身、よーくわかっていることでもあった。


しばらくして吉祥寺にある古書店がアルバイトを募集していることを知った。しかし、週5日、10時〜17時か18時まで…。採用条件を読むと、アルバイトとはいえ、しっかり仕事をさせてもらえる、きちんと育ててもらえることが想像できたが、これでは私の原則に反する。

 「あぁ、子どもがいなければ、ここでバイトして修業できたのに……」と思わなかったわけでもない。独身だったら、夫婦ふたりの時期だったら…とも思ったが、現実に子どもがいるわけだから、そんなことを考えても仕方がない、じゃ、どうしようと考えて、いろいろ探してみたところ、ネット古書店のネットワークを作っている会社があり、古書店開業セミナーなるものをやっていることがわかった。

胡散臭い会社(笑)ではないことを確かめつつ、まずは2012年11月に半日の入門コースを受講。続いて、2013年3月に2日間の開業セミナーを受講した。これと前後して、古物商許可証も申請し、取得した。

セミナーでご一緒した人とは今でもつきあいがあり(大阪在住の方だが)「いつか一緒に何かやりたいね!」と話しているし、講師で来てくださった三省堂古書館チーフの方は、その後、三省堂神保町本店での古書市で大変お世話になることになる。たった2日で何がわかったかと言われると、古書店をやっていく上で必要な基礎の基礎を学んだに過ぎないのだが、いい出会いもあった、とにもかくにも、「やると言ったからには、始めよう!」と腹を決めた。


実は、この時には既に、「猫の本にしぼる」ことを決めていた。なんの経験もない、ちっぽけな自分がネット古書店をやるとしたら、普通にやったのでは、古くからの古書店さんや大手にかなうわけがない。何かに特化すべきだろう、じゃあ、何にしようと考えた時、昔、よく仕事で行っていた国立国会図書館で「国会図書館の蔵書にある猫の本」を特集展示していたことを思い出した。おぉ、猫だ! 
猫は大好き、でもものすごい猫の毛アレルギーで飼うことはもちろん、触ることもできない…。その報われない想いが猫の本に向いていたので、うちにも猫の本があった。猫が好きな人は多そうだし、そう言えば、猫の本は一般に、書店のなかであちこちに点在して所蔵されている。これを一度に見ることができたら便利だよなぁ〜と、あっという間に妄想(笑)は広がった。

このとき考えた店名は『ねこの古本や』。何のひねりもないが、わかりやすくていいかなと思っていた。しかし、「いや、ちょっと待てよ。これだとあまりにも間口が狭すぎるかも…」と思い、もう1本、何か柱をと考えたのが「絵本」だった。


実は、私は幼少期、家で絵本を読んでもらったり、読んだ記憶がほとんどない。母がまったくと言ってよいほど本を読まない、興味がない人だったせいだと思う。幼稚園では読んだのだうが、私の本の記憶は、小学生になって図書館で本を借りられるようになってからだ。

そんな私が、もう1本の柱として「絵本」を考えられたのは、やはり子どもの存在が大きかったと思う。表題の「子どもがいたからできたこと」の一番は、「子どもがいたおかげで、絵本に触れる機会を持った」ことである。


絵本を加えたことで、店名も変えた。「ママ猫の古本やさん」。

イベントに出るようになったら、誰ともなく、しかも、どこに行っても、「ママ猫さん」と呼んでくれる。あぁ、良かったな、「ねこの古本や」よりずっといいじゃない! 子どもがいるからできないことを悔しがるより、子どもがいたからできたことを楽しむほうがいいな、と思った瞬間である。

★次回は「子どもがいたからできたこと」のエピソードをもう少し書こうと思います★


【プロフィール】
ママ猫の古本やさん
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2015年3月号

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