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第13回 | スマホ等での架空請求の手口が巧妙になっています! |
新年度を迎え、入学や進級などで新たに携帯電話(スマートフォン)をお子さんに持たせた保護者のかたも多いと思われますが、それらの普及にともない、特に「有料サイトへの登録が完了したから代金を払え」と請求される架空請求の相談は激増しており、昨年度は全国で相談件数10万件を突破し、過去最高になりました。 三鷹市消費者活動センターでも、そのような「インターネットをやっていたら突然、登録完了画面になって・・・」と相談される方が多くいらっしゃいます。 特徴としては一般的にはアダルトサイトが多いのですが、「入り口」となるサイトは、占いサイト、ゲームサイト、アニメサイト、小説サイトなどから急に繋がることもあるため、男性だけでなく、女性や高齢者からの相談の割合も増えているという点です。 |
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その手口はどんどん巧妙になっていて、最初は無料サイトを見ているはずが、どんどん興味があるコンテンツのリンクをたどって複数のサイトを移動するうちに、「年齢認証:18歳以上」という画面が出てきて、ついついそこをクリックした途端・・・ と、このような画面が表示されてしまいました!(参考画面:国民生活センターより) |
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こういう場合に気を付けていただきたいポイントを紹介します。 @ 絶対に連絡をしない →「誤操作をした方はこちら」や「登録に関するお問い合わせ」など、あたかも、目立つ場所に相手の連絡先が書かれていることが多いのですが、慌てて連絡をすることで、相手は「では、登録されているかどうか確認をしますので…」というような感じで、うまくあなたの名前、電話番号、住所、(お子さんの場合は両親の氏名、勤務先なども!)などの「個人情報」を入手しようとしてきます。 そうして、入手された個人情報は完全に消去することは大変困難で、「闇のリスト」に掲載され、今後、様々な請求や勧誘に使われることになります。 A 「個体識別番号」「ブラウザの名称」「IPアドレス」などでは個人情報は伝わらない →悪質なサイトでは、そういったものを掲載して、あたかも「あなたの個人情報は知っている」という感じで、脅すような文面がある場合もありますが、それらを知られたからと言って、あなた自身が誰であるか等の個人情報は全く分かりませんので無視をして構いません。 B もちろん支払ってはいけません! →一度、支払ってしまうと、「この人は脅かせば、お金を払う人だ」と相手に認識させ、今後、かなり頻繁、かつ強引な督促電話やメールなどが届きます。そもそも契約は成立していないことが多いので、絶対に支払ってはいけません。 ・・・と、ここまでは以前にもお話しした内容の繰り返しにもなりますが、今回は新たな手口のご紹介です。 ★ ケースその1 スマホで色々なサイトを見ていたAさん。 とある、動画サイトにて、無料だと思って、再生ボタンを押したところ・・・ 「カシャッ」 ・・・・・・・・・・ ・・・・・・・ ・・・ Σ(゜д ゜;)!? 突然、カメラのシャッター音、画面には「登録完了しました。24時間以内に10万円支払ってください」の文字と個体識別番号やお客様IDなどの数字・・・ 慌てて、「間違えて登録した方はこちら」に書かれていた連絡先に電話したところ、登録されているかどうか確認のため、と氏名、年齢、電話番号を聞かれ、答えたところ 「正式な登録されていますので、支払ってもらわないといけません。登録時の顔写真もこちらに保存されているので、明日中にお支払されない場合は追徴金として合計30万円をお支払いいただくこととなります。」 ―――――こういったケースが、最近新たに確認されるようになりました。 この「シャッター音」が鳴ったとしても、当然、顔写真が相手に保存されているはずもなく、支払いの義務もありません。 カメラのシャッター音ではなく、確認ボタンを押したときにバイブ機能が振動して、登録したように感じさせる手口もありますので、どちらにせよ、クリックしただけで急に請求画面が出た場合などは焦らず、連絡せず、支払いもせずに消費者相談室にご相談ください。 ★ ケースその2 さて、アダルトサイトから「登録完了」された画面を見て、すぐに連絡をしてしまい、個人情報を伝えたうえ、24時間以内に10万円を払えと言われたAさん。 困ってしまい、インターネットで「消費者相談窓口」や「消費生活センター」と検索して、上位に表示された相談窓口に電話したところ、行政書士事務所のようで、「このまま放置しておくと法外な請求をされる。サイトに知られた登録情報をすぐに削除します。そのためには4万円ほどかかりますが、悪質サイトに裁判をおこされるよりは安くなる」と言われ、契約代金4万円をすぐに振り込んだ。 ―――――こちらのケースも、最近、多く聞かれるようになりました。 結論から言いますと、アダルトサイトとの解約交渉を行政書士はできません! 独立行政法人国民生活センターでは平成27年5月14日付でこちらのような報道発表を行っています。 これによると、アダルトサイト等に誤って接続して料金を請求されている、支払ってしまった消費者が、消費生活センターに相談しようとして、インターネットで検索した結果、本来は業務としては行うことができないアダルトサイトとのトラブル解決をうたっている一部の行政書士に救済を依頼し、費用を請求されたという相談が2014年度に急増していることが分かります。
アダルトサイトに関連する行政書士の相談件数 そもそも行政書士はアダルトサイト等に対しての文書の作成やその相談を受けることはできますが、弁護士が行う「返金請求」や「解約交渉」等を行うことは、弁護士法に違反している可能性が高く、解約交渉等を行うことは認められていません。 また、公的な相談窓口である、自治体が設置している消費生活センター等では、相談に際して電話料金等以外の費用が発生することはありません。 「解決に必要」「個人情報を消す」などと言われ、費用を請求されたら、それは公的な消費生活センターではありません。 困った際には公的な消費生活センターかどうかをきちんと確認したうえで相談しましょう。 |
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2015年6月号