ママとパパのリレーエッセイ
ー第12回ー
まさきさん

「マダムになりたい」
 2月号のエッセイ担当になりました、まさきです。2月といえばわたしの誕生月。干支は丑、今年は31歳。

 20代前半のころフランスで知った”マダム“という響きに憧れ、誕生日が来てまたひとつ数字が増えたことでマダムに近づけたような気がして嬉しく思っていたものです。冷静に考えると数字の増加に伴って必然にマダムになるわけでもないのにねぇ〜。 
 一瞬で20代は過去となり、ここ数年は”誕生日“が近づくと、なんだかドキドキ、特に子供を産んでから余計にドキッドキッ、妙な緊張さえも感じています。これは何故に私が勝手に描く“マダム”の像が年々具体化してくることに加え、そのマダム像と重なる女性にここ数年の間に出会ったことからくるものです。

 仏語のmadameを辞書でひくと、「夫人,奥様、婦人に対する丁重な呼掛け」と書いてあります。一般的に既婚女性を指しますが、既婚でなくても“ある年齢“--皆さんにお任せします--の女性を「マダム」と呼びます。  

 私流の解釈による「マダム」は、知的で品があり、お洒落で、確立した自己を持ち(決して自己主張が強く、ではないですょ)、輝き(金銀財宝がキラキラ、というのではないですょ)、そして大切な家族がいる女性です。
 年齢的には、10代の頃は30歳以上と思っていましたが、30になった今では40歳でも早いくらい、んん〜50歳、60歳かな?

 そんな私の一方的な解釈により私のマダムリストに加わったマダムと、そのマダムが教えてくれたこと;   
 マダムは御年66才。お子様二人は既に独立、お孫さんは3歳。会社員のご主人はあと数ヶ月で退職。彼女とは1月にあるスキークラブ主催の2泊3日スキー合宿に参加した際に、部屋が同室になり、またスキーの班も一緒になりました。
 彼女の趣味は山登り。日本には、日本100名山と呼ばれる山々と他を合わせて計300の主な山々があるそうです。マダムはあと少しでその名立たる300名山を制覇するそうです。         
 山登りを本格的に始めたのは60歳を過ぎた子育ても一段落してから、とのこと。雪のない間は、毎週1〜2、年間40〜50の山々を登り、雪の積もる時期は毎週スキーで体力維持、ちょっと散歩に高尾山。今年は300山制覇!が目標。こりゃビツクリ。一緒にスキーを滑っていても早いこと早いこと。リフトを降りたかと思うと一気に下まで軽快に、ダイナミックに滑り、「もう一本いきましょうか」と軽く言ってくださる。私も体力にはかなり自信がありますが、私と同じか、はたまたそれ以上か!!と思わせるような強靭な足腰。そしてそれを全く想像させないやわらかな雰囲気。一緒に滑っていてワクワクしてしまいました。 
マダム曰く

「人生、人によって様々な“流れ”があるのよ。私みたいに子育てが終わってやっと一段落してから、さあ、好きなことを始めようという流れもあれば、ある程度好きなことは経験したからそろそろ子育てしてみようかなって流れ。なんだ訳分からないうちにいつのまにかバタバタ子育てがはじまちゃったわ、って流れもあり。
 

無理して流れを逆流したり、留まろうとすることもないのよ、流れてるんだから。
 大切なのは「好き」っていう気持ちや好奇心を常に持ちつづけること。今すぐにできなくてもその流れがきっと来るはずだから、その時に備えて方々にアンテナ張っておけばいいの。人生チャンスなんて沢山くるんだから。要はそのチャンスが流れてくるのに気づくか気づかないか、っていう程度のものよ。」


も〜素敵!。わたくしアッパレ、尊敬いたします。
流れが違うそんなマダムと私、スキー合宿の最終日、無事揃って検定試験に合格できました。次の目標は1級か!
 またスキー合宿で会いましょうね、マダム。沢山のパワーをもらった私。さぁ〜てと32歳に向かって子育て、己育て、仕事も、スキーも、合間にちょっと家事も(?!)、方々にアンテナ張って好きなことを持ちつづけ、キラキラと輝くマダムになれるよう今日も明日も、せっせとタクマ。



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