ママとパパのリレーエッセイ
ー第28回ー
mikieさん

こんにちはmikieです。

今回、リレーエッセイのお話を頂きはてさて。。。何を書こうかなぁ〜と しばし考えてみたところ私自身が幼い頃から「好きなもの」、そして今も「好きで止まないもの」について書いてみよう!と思ったのでした。

その好きで止まぬもの...とは「音楽」です。まぁ どなたもが「音楽」は好きであるかと思うのですが、私の場合、「聴きたい!」という気持ちが自分でも驚く程の強さとなることが時折あります。
実は その気持ちの表れは今思えば子供の頃から始まっていました。

ちょうど今の息子と同い年の頃(10歳くらいかな?)、ある日の夕方、CMでサイモン&ガーファンクルの「SCARBOROUGH FAIR」を耳にしました。

”何てきれいなメロディーなんだろう...”

ざわざわっと鳥肌が立ち ものすごく感動をしたと同時に“今すぐ この曲を最後まで聴きたい!”と強く思い、台所で夕飯作りをしていた祖母に手を合わせて頼み込み、レコード屋に一人で買いに行かせてもらうことになりました。
外は既に暗く とても子供一人で出掛けるような時間ではなかったのですが...。

今となっては祖母もずいぶんと思いきった行動に出たなぁ と思います。でもOKをもらった時は 本当に嬉しくて「うわぁ〜い!」と飛び跳ねたのをはっきりと憶えています。

小遣いをかき集め、シングルレコード1枚分の小銭をギュッと握りしめてバスに乗り、駅ビルの中にあるレコード店まで行きました。しかし、洋楽のことなど全く知らない小学生の私は一体、その曲が何という曲名かも誰が歌っているのかもわからず、説明に困り 店員さんの前で半分泣きそうになってしまいました。
”でも どうしても聴きたい!!”

その気持ちひとつで 何とか ここに至るまでのいきさつを話し、その場で覚えてる限りのメロディを歌ってみることにしました。

閉店間際の店に小学生の女の子が飛び込んで来て曲を説明する為に歌う...店員さん達みんなが「コレはただ事ではない」と思ったらしく、店内に流していた曲を止めて 耳を澄ませて聴いてくれました。
上手く歌えるか(伝えられるか)のドキドキと見知らぬ大人達の前で突然 歌うはめになったドキドキでホント 涙がこぼれる寸前でした。

でも 優しい店員さん達が「わかった! わかったよ 大丈夫だよ!」と一斉に言い、そのレコードのある場所へと私の手を引いて連れて行ってくれたのでした。

本当に嬉しかった。
苦労して手に入れたレコードを胸に帰りのバスに...そして バスを降りると心配そうに待つ祖母の姿がありました。

ありがとう おばあちゃん...。
子供の真っ直ぐな気持ちや思いを受け止めてくれる大人達により私の「音楽との出会い」は あたたかく素敵なものとなりました。

私は 普段、ほとんどTVを観ません。朝起きてまずすぐにすることはCDを流すこと。ジャンルはいろいろ聴くのでそれぞれ知識は浅く広くで詳しくはないのですがでも 音楽は本当に好き。

常に何かが流れてる環境の我が家。果たしてその効果かどうかはわかりませんが、息子も どうやら音楽は好きなようです。
息子は2年前からギターを始めました。最近はCDを止めて、息子の弾くギターをBGMにすることも増えてきました。モーツァルトとビートパンクが好きな息子が自分の小遣いで買うCDは さて、何かな???ちょっと楽しみであります。

そして その時期が来た時には、たとえ自分の好みと真逆な物であっても決して否定などをせず、あの時の祖母やレコード店のお兄さんお姉さん達のように”受け止め、受け入れる”態勢のとれる大人でありたいと思うのでした。
音楽は日々を豊かに幸せにしてくれる魔法の空気。

息子にも どうか素敵な音楽との出会いがありますように♪

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2005年6月号