ママとパパのリレーエッセイ
ー第36回ー
たに吉さん


こんにちは!たに吉です。
20代で、長男(小6)を、
30代で長女(保育園年中)、
40代で1歳10ヶ月の次男を出産。

「クマだって、子育てしながら
働いている」と思って、
(実際に私の家事、育児はクマなみで、
掃除洗濯は夫が主にやり、
どう生き抜くか、
どう食べてくか
どう愛するかを
子ども達に伝えて行けたらと
思っています。)

3人とも、生後1.5ヶ月から
保育室、認証保育園、
認可保育園、学童クラブの
お世話になり、
陶芸の指導と制作を
仕事にしています。

もともと結婚前に保母していたので
よくここの掲示板で話題になるような
「小さいときから保育園に預けるのは
可哀想」とは思いませんでした。
保母1年目、泣き叫ぶ0歳児達に
おろおろしていましたが、
長男の時は手慣れたもので
私の気持ちを落ち着かせるために
子守歌を歌って
「いいこ、いいこ」と可愛がって
育てました。
ただ、わが子は保育園児と違って
誰も迎えに来てくれない、
間で家事もしなければいけない、
小さな水泡1つでも、すぐ気になる。
よりよく育ててあげなきゃと
マタニティスイミング、母乳マッサージ
自然食、布おしめ、きれいに掃除した家と
3人目の時とは同じ親と思えないほど
いい母めざして、頑張っていました。
でも、その分、先回りしすぎたり
真綿でくるむように大事にしすぎたり。
そのために長男は、優しいけど、
集団の中で傷つきやすい面もありました。

ところが、その兄を日々鍛えているのは
5歳の長女。
7歳の年の差をもろともせず、
時には言い負かしていて
保育園でもしっかり者です。
涙を浮かべても、けっしてこぼさず、
果敢に兄に立ち向かっていく姿に
ほれぼれします。
負けても私に言いつけにこないのも
偉いなあと思います。

1歳の次男が夕方泣いたら
面倒を見続けるのは兄。
生きたポポちゃんのごとく
可愛がるのは姉。
次男も「にいにい、ねえねえ」と
呼んでは嬉しそうです。
兄姉の真似っこをするのが好きで
茶運び人形のようにお皿を運びます。
本当に子宝、子宝と思う日々です。

もちろん3人とも、ムカッとすることも
しでかしますが、そのとき
怒鳴ったり、叩いたり、イライラしたりせずに
「深呼吸、深呼吸、クールダウン、クールダウン」
と心の中で唱え、落ち着いて注意する。
3人のおかげで鍛えられ、スキルアップし、
どんなクレーマーにも笑顔で対処しつつも
ダメなものはダメと伝える技術が身に付きました。
お母さんも成長するからね。

フリーのビデオディレクターの夫は
このところ仕事の量も減り、
自宅で作業できる部分(編集とか)が増えたため、
収入は激減したらしいのですが、
元々、収入も定職もなかったころに結婚したので
「初めからなかったものは、ほしがりません」
と唱える日々です。けれど、その分
子どもたちの面倒をみてくれる時間があるので
助かっていますし、
子ども達も良くなついています。
世間的に見ると「下流社会」の我が家ですが
好きなことをして
好きな家族と暮らして
つつましいけどおいしいものを食べ
子ども達と早寝早起きをして
楽しい仲間たちがいて
幸せな日々です。


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2006年2月号