ママとパパのリレーエッセイ
ー第43回ー
リエゾンさん

初めまして、リエゾンです

9月のリレーエッセイは、みなさんより、はるかに年上、それでも気持ちだけはいつまでも若〜い私、リエゾンが担当させていただきます。子育てはほぼ終了。ついこの間まで、私にくっついて場所の取り合いをしていた3人の子どもたちも、今はそろって大学生。

ああすればよかった、こうすればよかった、子育てで反省することは山ほどありますが、今でも家族でよくおしゃべりしますし、それぞれ家族で過ごす時間を大切に思ってくれているようなので、まあ、その点だけは子育て及第点かな、と思っています。
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今日は、20年以上の子育ての中で私が大切にしてきた2つのキーワードをお話してみたいと思いますので、よろしくおつきあいください。


私のミニチュアは作りたくない

親のいい所も悪い所も子どもはすぐ吸収してしまいますよね。特に小さい頃は母親の影響が大きい。私をミニチュアにしたような子どもが3人、ポコポコポコと並んでいたら、それはそれで親としては嬉しいけど、子どもの将来を考えると、「これではかわいそう!」なんて思っていました。
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親を超えてほしい、個性的に育ってほしい、と思っていましたからね。それにはいろんな人に会って、その人たちから教えてもらったり、自分で感じ取ったりして、いい所をどんどん吸収してほしいと思っていました。

幸いにも、子どもたちが小さい頃、家族参加型の楽しい活動に週に1〜2回、4年近く通うことができました。そのおかげで、いつのまにかいろんな方とお話することを楽しめるようになっていました。
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今、社会人の基礎力として一番重要視されているコミュニケーション力・・・その土台となるような、人と話すことが楽しい、そんな気持ちが自然に芽生えてくれたのでは、と思います。

それから、2度の海外生活。いろんな素敵な大人の方たちとの出会いがありました。私もできるだけ、そんな機会を演出してきました。赤ちゃんからお年寄りまで、うちの子たちの守備範囲が広くなったのは、そんな経験があったからだと思います。おっと、これは自慢になってしまいましたね。失礼!親ばかですみませんね。
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通知表 はかれぬ能力 我にあり

教育は、子育ての中でも最重要課題ですよね。
「通知表 はかれぬ能力 我にあり」 10数年前にある中学生がこんな川柳を新聞に投稿していました。子どもたちの無限の能力・・・学校で評価されるのは確かにそのほんの一部にすぎませんよね。

今では絶対評価になり、子どもの良さが通知表にもしっかり出るようになっているのかもしれませんが、以前は相対評価で、その点数の中に一人一人の良さを見つけるのは、とても難しかったように思います。
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引越しの多い我が家の子どもたちには、この川柳は絶好のエールになりました。外国の学校で言葉もわからない中でいい点数をもらうことも大変でしたし、また帰国して日本の学校でいい点数をもらうなんていうのも、土台無理でしたね。

そんな中で自信を失わせたくなくて、「通知表 はかれぬ能力 我にあり」のエールを私は送り続けました。

本当のところ、私は通知表の評価で一喜一憂することはあったのですが、子どもたちにはそんなそぶりは見せないようにできるだけ平静を装っていました。
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まあ、しっかり子どもたちには見抜かれていたかもしれませんが。この子には他にいいところ、いっぱいあるもの、と自分に言い聞かせていました。「通知表 はかれぬ能力 我にあり」これは私自身へのエールだったかもしれません。

こんな二つの子育てのキーワード、いかがでしたか。みなさんのなにか参考になれば嬉しいです。

大学生になった3人の子どもたち、私のミニチュア(もうミニチュアではないですよね。)にならずにすんだかな、と思います。
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今、それぞれの道を歩き始めていますが、自分の良さに気づき、自信を持ってその良さを発揮してほしいと、まだまだ危なっかしいですが、これからは少し離れたところから見守っていこうかなと思っています。

子育てのあとには・・・

1年前に帰国し、私自身、これから何ができるか模索しています。できることは何でもやってみようと、色々チャレンジしています。気持ちだけは若いでしょ!

この夏休みにはみんなでKids陶芸主催の「2006夏 子ども体験講座」でボランティアコ
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ーディネーターとしてお手伝いをしました。三鷹市、武蔵野市のみなさんの中にはお子さんが参加された方も多かったと思いますが、陶芸をはじめ、お菓子作り、絵画、親子で脳トレ、カラー講座など26講座あり、今年で4年目だそうですが、毎年パワーアップし、今年は473名の参加がありました。

幼児、小学生の参加が中心の講座に、中高生の若い人たちと大人の方たちが組んでボランティアとして関わってもらいたい。講座を通して、世代を越えた交流が生まれるといいなと思っていました。

中高生の若い人たちにとって、いろんな年
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齢の人と関わること、講座のお手伝いをして喜ばれることを体験すること、今の学校教育だけでは経験できない、多くのことを学べる場にもなりうると思っていました。
また、大人の方たちに参加していただくことによって、地域で子どもを育てていくという意識が広まってくれれば、とも思っていました。

今年は初めての経験でしたので、思い描いていたようにはできませんでしたが、これは初めの一歩。次回から、もっと内容を充実させ、ボランティアコーディネーターとしてお手伝いできれば、と考えています。
是非、みなさんも機会があれば、お力を貸してくださいね。
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2006年9月号