ママとパパのリレーエッセイ
ー第61回ー
ヨッシーさん


こんにちは。
今回、このコーナーを気軽に引き受けましたが、
考えてみると、わが娘は、もう大学生。
「子育て中」とは言いがたいので、私の懐かしい思い出を少し書きたいと思います。
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我が家は、娘が小学校に入るまでの期間、江東区の豊洲に住んでいました。
豊洲といっても、今のような高層ビルはありませんでした。まだ有楽町線豊洲駅は工事をしていた時代です。
また、近くのお台場は、ただの野原・埋立地で、船の科学館とお台場公園だけしかありませんでした。

思い返すと、この豊洲での5年間が一番楽しかったなぁ〜。なんて思っています。

娘は、ひとりっ子ということもあり、小さい頃は、ぼーっとのんびりした子どもでした。
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たとえばこんなことがありました。
すべり台の順番を待っていて、さあ、いよいよ自分の番となって登ろうとした途端、横から割り込みをされてしまったり、砂場で、お気に入りのシャベルとバケツで遊んでいてもちょっと置いた隙に、お友達に奪われてしまったりするような子でした。

ひとりっ子だからか、けんかや言い争いは苦手で、尻込みをするタイプでした。

そんな様子を見て、親としては、もっと強くなって欲しい気がして、歯がゆい思いをしていました。
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しかし、今となっては、そんなことはぜんぜん気にする必要がなかったことを実感しています。

残念な思い出もあります。
この頃の仲良しのお友達に、のんちゃんがいました。

のんちゃんは、娘より一つ年上の女の子です。
とても仲良しで、のんちゃんとは1日中一緒に遊んでいました。
ときには、お泊りすることもあるくらい大好きなお友達でした。
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親同士も気があったということもあり、一緒にお出かけしたり、遠くの公園に遊びに行ったりもしました。

そんな仲良しのお友達とも、小学校入学時の転居もあって疎遠になってしまいました。

娘が高校生の頃までは、年賀状のやり取りをしていたのですが、現在は、それも途絶えてしまいました。残念です。
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最後に、忘れられない思い出を紹介します。

娘は、どろんこや水たまりが大好きで、雨の日などは、わざと水たまりに入ったり、傘を裏返して、オチョコ型にして壊したり・・・・。

傘を壊してしまったので、もうすぐ1年生になるというある日の昼下がりのことです。
近くのサンリオショップに一人で買いに行かせたのです。
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今で言えば、「はじめてのおつかい」。
暗くならないうちに帰れるようにと早めに出かけさせたのですが、夕方になっても帰りません。

入れ違いになるといけないと思い、待っていましたが、辺りは暗くなって、七時になっても帰って来ません。

「何かあったのでは!?」と思い、自転車で、サンリオショップに走りました。
しかし、サンリオショップは七時で、閉店していました。
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愕然とした私は、とにかく、主人に連絡をし、事情を説明。
もしかしたら事件に巻き込まれたかも、というような覚悟までして。

そんなことはつゆ知らず、娘はのんきに家に帰っていたようです。
もちろん私がいないので、家には入れず、主人の会社に「お母さんいないんだけど。」なんてのんびりした電話をかけていたのです。


今のように携帯電話が普及しておらず、連絡もすぐに取れる時代ではなかったのです。
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今となっては、笑い話ですが、かなり寿命が縮みました。

「どうしてこんなに遅くなったの」
「ずーっとサンリオショップを見てたの」なんて言うんです。
なんと閉店までです!!

考えてみたら、時間の感覚のない子どもが、興味のあるサンリオショップで、
誰からも干渉されることがなかったら、どうなるか。
それを予想できなかったことが、敗因でした。
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こんな、ハラハラ、どきどきもありましたが、
わくわくもいっぱいの私の子育て時代でした。


by ヨッシー
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2008年3月号