ママとパパのリレーエッセイ
ー第66回ー
みかんさん

はじめまして、もうすぐ1歳を迎える息子がいるみかんと申します。

突然ですが、みなさんの「母親スイッチ」が入ったのいつですか?

スイッチというと語弊があるかもしれませんが、溢れんばかりの母性を感じたとき…のことかな。

それは お腹に命を宿したとき だったり、初めて我が子と対面したとき だったり、おっぱいを含ませたとき だったり、人それぞれだと思いますが、私の場合、スイッチが入ったのは出産から遥か1ヵ月後の事でした。
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それまでは、私自身の中でくらやみの時代と申しますか、想像と違った出産後の生活にヘトヘトになっていて、母性を感じる余裕さえない日々を送っていました。

まず母乳がなかなか出なかった。産院の授乳室では劣等感を感じながら、お腹をすかせて泣く我が子にごめんね、ごめんねとつぶやき…。

目の前にいる命の重みを実感して、「この子の人生が始まってしまった」とばかり考えてしまって、なぜだか悲しくなり…。

身体もあちこち痛いし、夜も寝られないし、助けてぇ!!という感じでした。
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今思えば産後ブルーそのものだったのですが、赤ちゃんはおっぱいをごくごくのんで、すやすや眠るものとばかり思っていたので、まったく当てはまらない生活に新米ママは相当参ってしまっていました。

そんな状態のまま1ヶ月経ち、あれは忘れもしない健診に行った時の事です。
母と子が別れて診察する項目があり、赤ちゃん達が奥の部屋に集められ、泣き声の大合唱が聞こえてきました。
「うちの子も泣いてるかな?」と、ぼんやり泣き声を聞いていました。
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私の手元に帰って来た我が子。やはり目にはうっすら涙のあとが。
そして私の顔をチラッとみて、フゥと小さくため息をついて安心したように眠ったのです!

このとき私の「母親スイッチ」は完全ON!!になりました。
この子を守るのは私なんだ!と、身体の内側から溢れるものを感じたのです。

それからは、寝顔をみるたび…ハイハイで必死に後追いしてくる姿に…頭ゴッチンして大泣きしている顔に…
私の「母親スイッチ」はさらにON!ON!ON!
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ネンネしている隙にミルクティーを飲んでいるときはややスイッチOFF。
けれど、ウエェェンと泣けば、またスイッチON!と、育児を楽しめています。

もうすぐ出産から1年。
これからどんな表情を見せてくれることでしょう。
そして様々な場面で、「母親スイッチ」が全開になることでしょう。

そしてそして…産後の私に教えてあげたい。
「もうちょっとすれば、スイッチが入るから!」
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2008年7月号