ママとパパのリレーエッセイ
ー第67回ー
ぴいすけさん

はじめまして。
1才2ヶ月の息子を持つ母です。
みかんさんのコラムで、母親スイッチが入ったのはいつですか?という問いかけがありましたが、私は子供が生まれてからずっとずっと後だったような気がします。そして、それがいつだったのかはあまり記憶になく、ただ、今はおっぱいを飲んでいる顔を見ていると、しみじみ幸せを感じ、頑張る力が湧いてきます。

私は小学校の頃から友人に、「子供は産まないの。だって、その子の育つ環境が不安なんだもん。」なんて、話していたマセガキでした。
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大学を出て、男性の中で仕事をしていて、本当に子供とは縁のない生活がずっと続いてました。自分では意識はしていませんが、小学校の頃の思いはずっと心のどこかにあったのでしょう。友達に子供ができて、楽しそうな家族を見ていても、そんなに子供が欲しいとは思いませんでした。

そして、もういい年になり、周りも自分も子供のいない生活があたりまえだと思い始めたとき、何の前触れもなくできたのが息子でした。
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なので、そもそも子育てについて調べたこともなければ、友達と大変さなどを語り合ったこともなく、「子育てなんて仕事の延長!」くらいとしか思わず、「大丈夫、何とかなるわ!」なんて気楽に考えていました。

しかし、実際は×××!

出産は予想をはるかに越える苦しみで、さらに、出産後の体はずたずた。
生まれてきた息子は、私に眠るどころか食事する間も与えないくらい、おっぱいを求めて泣き続け・・。
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3ヶ月になっても6ヶ月になっても、昼間は1時間半ごとにおっぱいを欲しがり、夜も何度も何度も起きて飲み、どうしてこんなことになったんだろうと何度も何度も思いました。

ある時、色々な人と話す中で、

おっぱい育児の子は、やめるまで夜は起きるのよ。おっぱいの間隔が空かなくたって気にしなくていいのよ。ミルクと違って、消化がいいからすぐにお腹が空くの。体重が増えていれば心配ないわ。
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寝る時間が短くても、子供は無理しているわけではないから心配要らないわ。少ない睡眠時間で元気なんだから、強い子なのよ。それがこの子の個性なのよ。

などというアドバイスをいただきました。

やはり、雑誌や育児書にある、3ヶ月たつと朝まで寝ますとか、おっぱいの間隔は3時間に・・とか、頭では一人一人違うと思っていても、気持ちのどこかで、どうしてうちの子は・・という思いが強かったのだと思います。
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色々なアドバイスは、決して私の体は楽にはならないことばかりだったけど、気持ちはとっても楽になりました。

この子が寝ないのも、何度もおっぱいを飲むのも、子のこの個性なんだって思えるようになっただけで、本当に楽になったものです。

こんな私ですが、思い返せば、妊娠したとわかったときは、本当に嬉しかったものです。無事に生まれたときも本当に嬉しかったし、生まれた後も、笑顔を見るたびに励まされたし、何かできるようになる度に両親や友達にメールして、親バカ振りを発揮していました。やっぱり子供の力は無限大です。
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そして、彼が1歳になったときに私は復職しましたが、今でも私といるときはおっぱいおっぱいです。とてもたいへんですが、ああもう少しでこれも終わっちゃうんだな・・と思うとなかなか、卒乳に踏み切れません。

今は、うちの息子だけでなく、子供たちが皆、安心して暮らせるような将来のために頑張らなくてはいけないのだと思うようになりました。
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2008年9月号