ママとパパのリレーエッセイ
ー第70回ー
いづみかほるさん

親子向け作品をプロデュースしています。

いつの世でもファミリーというテーマに大きな変化はありません。子は親を慕い、親は子を深い愛情で包みこむ、そんな当たり前の本脳さえもこの世のめまぐるしさで鈍感になってしまうことがあります……残念なことです。
子供を取り囲む環境もさることながら、大人にとっても住みにくい世の中です。
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そんななか理想的な親になろうと無我夢中の子育ての日々、たまに必要以上に叱ってしまう自分、そんな自分を責める自分、愛し方に悩む自分、子育て経験のある人なら誰でも一度は思うこと、でもけして自分だけではありません、悩むことはありません、ちょっとばかり心にすき間がなくなっているだけです。

あまり頑張りすぎないで下さい。
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けして自分を責めることなく、たまには自分が子供にもどって夢をみたりしてもいいじゃありませんか? 子供のためになることをさがすだけでなく、親のためになることを求めることのほうが、むしろ大切なのかもしれません。なぜかというと、それはやがては子供へとつながっていくからです。親が変れば子も変ります、親が笑えば子も笑うのです。どうか心のなかにぎりこぶしひとつぶんのすき間をつくって、ゆっくりじっくり温かく、子供と接していきましょう。
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わたしには、いまや成人になったむすこからもらった目に見えない宝物がいっぱいあります。親が子供に何かを与えるなんてとんでもない、子供からもらうもののほうがはるかに多いのです。

子育ての時代は永い人生の中でのほんの一ページ、でも、その一ページが親も子もその先の人生へ大きな影響をもたらしていくようです。
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理想の親をたかく掲げないで、自分らしい姿を堂々と見せてまいりましょう。そして子供でしか見えないものを親子いっしょにみられたらいいですね。

最後に、親子にまつわるおもしろばなしをひとつ……
“息子に「何事にも詰めが肝心だから再確認せねばのう〜」っと言葉をかけると、息子と夫が同時に自分の爪を確認していた!DNAか〜!!??漢字の再確認を〜”
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今日も夫の猫の鳴き声が家中に響きます。
ちなみに、息子のメール着信音は夫の猫の鳴き声になっているのです。

その滑稽さがたまりません。



いづみかほる
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2008年12月号