ママとパパのリレーエッセイ
ー第73回ー
あんみさん

「子どものペースと個性」について思うこと。


あれは長男の1歳検診のとき・・・。

出された積み木に積極的に手を伸ばそうとしません。
「どうぞ」と言われれば楽しそうに遊ぶ感じ。

その時に「この子はとても慎重派。ゆっくりペースに合わせてあげて」と言われました。
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公園でもブランコ、滑り台には全く興味を示さず、毎日散策したり、坂を上ったり下りたり、川にいるカニや魚を眺めたり…。

それに付き合うものの、初めての子育てにどうしても他の子と比べてしまう私。

同じ月齢のお友達より何もかも遅く、いつも最後にくっついていく息子。

入園式でも、園児の席に座りたくないと泣き、結局保護者席の私の膝に座る始末。
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「これでいいんだろうか。子育て間違っていたのかしら」と、思い悩んだ日々もありました。

でも、幼稚園生活が始まって間もなく、持病の小児喘息の検診のため早めに幼稚園に迎えに行った時にこっそり教室をのぞいてみると、先生の質問にものすごく元気な声で返事をしている息子がいました。

その声とその時の本当に嬉しかった気持ちは今でもはっきり覚えています。。
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だって、ずっともじもじクンの姿しか見たことがありませんでしたから。

そして、幼稚園に入って最初の先生との面談で、「遅咲きタイプですよね。楽しみが伸びると思えば良いんですよ。」と言われ、本当にその通りだと、気持ちがとても楽になりました。。

それまでは、息子のペースを分かってはいるもののそれを受け入れ、認めていなかったような気がします。
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その事を深く反省しました。

息子だって、自分のペースで精いっぱい頑張っているんだ。応援しなくちゃと。


そして、忘れもしない小学校2年生の運動会。

思いっきり堂々とダンスをしている息子がいました。
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感動して、涙涙でした。何度ビデオを繰り返し観た事でしょう。

待ちに待ったこの時がついに来た!

5年待った甲斐があった!!本当に感激もひとしおでした。

急に変わったのがとても不思議で聞いてみると、本人いわく「一緒にダンスしないとかえって目立つ。」のが、わかったとのこと。
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そういえば、今でも人前に出て目立つことが苦手。

今でも高い所や速い乗り物が苦手。

だから、舞台で発表することも、滑り台もブランコも好きじゃなかったんだ。

これも個性だったんだな。

でも、その時は必死にほかの子の様にさせようと無理をしていた、させていたような気がします。反省。
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今では、あの時の苦しかった気持ちは何だったの?と思うくらい、今の息子は人並みになって、ごく普通のよくいる野球少年。
毎日楽しそうに友達と過ごしています。


子どもにも個性があり、得手不得手があり・・・。
こんなところは私に似ちゃったなとか、ここは主人に似てすごいなとか、親としての見方の他に一個人として息子と向き合うと、また新鮮で楽しい「人育て」になります。
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そんな息子も春には中学生に。

目立っちゃう卒業式、入学式が控えています。

先生から、「式典きちんとできていません。」と、すでに言われています。

目立たないように、しっかりと頑張ってもらいたいものです。



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遅咲きの息子・・・

いつかは素敵な花を咲かせてくれるかな。

息子のペースに合わせて成長を楽しんで行きたいと思います。
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2009年3月号