ママとパパのリレーエッセイ
ー第75回ー
Hさん

あなたの一番古い記憶はいつから?

我が家では、朝起きたらパパが息子の顔をタオルで拭くことがいつの間にかの日課になっていました。そんなある日、いつものように息子の顔を拭きながらポツリ「そういえば、オレもよくオヤジにこうやって顔を拭かれていたなぁ〜」自分がしてもらっていたことと同じことを息子にしながら、これまで忘れていた30数年前の記憶が蘇ったようです。
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大人になると、2〜3歳ごろまでの記憶を覚えていないという人多いですよね。私もそのうちの一人なのですが。これはどうやら文化を問わずに見られる現象で「乳幼児期健忘」と呼ばれているそうです。なぜこのようなことが起こるのかは、「言葉」が大きく関係していて、大人は記憶した内容を頭の中で言葉に置き換え、キーワードごとの引き出しに整理して保存している為、何かを思い出すときにそのキーワードを手がかりにしています。
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 それに対して、子どもの頭の中は「雲のようにモヤモヤとしたにおいのあるもの(記憶)を箱に入れずに放ったような状態にあって、頭の中はいろいろなにおいが満ちているけど、言葉によって整理されていないため、一つ一つが何のにおいなのか個別に取り出して確認することができない」そうです。 
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記憶に残らないけど子ども時代のこういったいろいろな経験の積み重ねが心の土台を作り、さらにその記憶の積み重ねが人格形成にとっても大きな影響を受けると思うと、子どもにはより良い記憶、愛情たっぷりの記憶を残してあげたいなと思います。

そして、現在1歳8ヶ月の息子がもう少しおしゃべりをするようになった頃に聞いてみたい記憶が、赤ちゃん自身がお母さんのお腹にいたときの記憶「胎内記憶」です。
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全員が全員ではないようですが、言葉が出始めた頃から語りだし、ピークは2〜4歳とのことです。本当かどうかは問題じゃなくて、子どもが一生懸命に話してくれることを聞くということが大切ですよね。

胎内記憶に限らず、子どものどんなに突拍子もなく驚くようなことでも、子どもの気持ちを受け入れて信じる気持ちを忘れないでいられるようなゆとりある子育てをしていけたら素敵だなぁ。
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2009年5月号