ママとパパのリレーエッセイ
ー第76回ー
KYさん

〜兄弟喧嘩から見る家族の絆〜




8歳(女の子)、5歳(男の子)、2歳(男の子)と3児を持つ母です。子育てについて日々困っていながら、楽しんでいます。その中身をぜひ皆様と共有したい出来事もあり、ここで、「兄弟喧嘩」について考えたことを書いてみたいと思います。
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自分自身は兄弟が多く、子どものころ、よく兄弟喧嘩が原因で、兄弟全員が母親に沢山叩かれて大きくなってきました(お母さん、ごめん、また悪口を言っちゃった)。今になってその原因の一つたりとも思い出せませんが、「兄弟はなぜ喧嘩するのか」、不思議なままに何十年(失礼、二、三十年ぐらいかなぁ)もの歳月が流れて行きました。別に答えがなくても生活には支障がなかったからでしょうか。
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自分も3児の母になった今では、毎日のように兄弟喧嘩の風景を目にして、再び、「兄弟はなぜ喧嘩するのか」を考えなければならなくなりました。答えは見つかりませんが・・・
そんな中、子ども3人+ママ+パパの5人家族の、ある日のある一幕はその答えを教えてくれました。3人目が生まれてから間もなくの日々、3人目は「フワフワ」で手がかかり、二人目は2歳で「イヤイヤ」、一人目まで赤ちゃん返りで毎日「グズグズ」、自分の体も十分回復できずに「フラフラ」・・・
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寝る前の難しい時間。赤ちゃんは添い寝、息子もママの隣、娘もママの隣とあの時期の決まりきった喧嘩がまた始まり。仕方なく、赤ちゃんをお腹の上に、「僕」を左腕枕に、「私」を右腕枕にして寝かせてみましたが、それでもそれぞれグズグズ・・・

「どうすればいいの?」と涙ながら娘と息子に聞いてみると、

「ママの真ん中にいたい!」と、息子の説明。
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「そこがママの真ん中なのよ、そこでもいいんじゃない?!」とママの怒鳴る声。

「赤ちゃんのいるところがいい。」と息子の答え。

困惑の極まり。

息子に答えられないまま、困っていると、当時5歳になったばかりの娘は続いてまた攻撃:
「でも、私は一番先にママを見つけた〜(ママの真ん中にいるべきのは私だ)。」
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その一言に続き、バタバタしながら毎日この喧嘩にどうしようもないパパも参戦:

「違うよ。そう言えば、一番先にママを見つけたのはパパだよ。」

突然言い返された娘がこの事実にびっくり。しばらく無言でしたが、2歳の息子は「じゃ、僕はいつママを見つけたの?」となぜか、いつからか笑顔。
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「そうね〜、ママは一番先にパパを見つけて、それから一緒に○○を見つけたのかなぁ、その後は△△で、二人とも超可愛いから、もっと探したいと思ってこの赤ちゃんを見つけたんだ。」

子どもの話に続き、口任せで随分でたらめな説明ですが、なんとみんなが納得できたようで、その後も平和に会話を続きながら寝入ってくれました。赤ちゃんまでいつの間にかスヤスヤ・・・
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「兄弟はなぜ喧嘩するの?」と、子どもたちの穏やかな寝顔を眺めながら、再び夫に尋ねてみると、

「親の心にだれが一番大切な子どもかといつも確かめたいからでしょう」と夫の答え。

な〜るほど。

「ママの真ん中にいたい」、「自分こそ一番先にママを見つけた(優先されるべきだ)」。
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子どもはなんて素直でまっすぐでしょう。「兄弟はなぜ喧嘩するの」という私の中で何十年も答えを見つけなかったモヤモヤは子どもたちの飾りのない言葉に、一瞬、簡単に片付けられたようで、「これぞ、答えだ」と納得。

今は8歳の娘は下の子に優しく、5歳の息子はマイペースに、あの時の赤ちゃんも2歳になり、元気な「イヤイヤ」は一日中部屋中に響いています。
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同じ喧嘩はいつの間にかすっかりなくなってきましたが、あれからも、いろんな形の兄弟喧嘩はまだまだ進行形です。


だが、私の心の「困惑極まり」はさっぱりと消えて、穏やかに対応できるようになってきた気がします。子どもの言い訳に夫の言葉。何ヶ月間もの疲れはこれで一気に過ぎ去ったようで、パワーが体中から沸いてきてぽかぽかと「家族の絆」を感じる一幕でした。
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子どもたちに、面倒を見させてもらいながら、引っ張っていただき、自分を再認識するきっかけに沢山出会い、「家族、親、兄弟、子ども、自分」について、より一層理解できたようで、試行錯誤でいながらも、本当に楽しい毎日を過ごしています。これからも感謝の気持ちで、この絆を大切に、子どもたちと一緒に成長していきたいと思います。
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2009年6月号