ママとパパのリレーエッセイ
ー第103回ー
昔は天文少年さん

「生涯唯一の不思議体験」


それを見たのは、1975年7月17日のことだ。

ここまで細かく書けるのは何故かというと、アポロ宇宙船(アメリカ)とソユーズ宇宙船(ソ連)が、ランデブーした日のことである。自分は、そのとき10歳だった。
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新聞で、そのランデブー成功という記事を読んだ後、それが見えないかなと、何となく、夕方、家の外に出た。空をみあげていると、変な物体が飛んでいた。距離がわからないので、正確な大きさはわからないが、飛行船が少し高い高度を飛んでいる程度に感じられた。形は、月軌道を回ったアポロ宇宙船のような、つまり小さなロケット+着陸船のような形状だった。
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最初、ランデブーを見つけた?と思ったが、流石に10歳でも、そんなものが肉眼で見える大きさの訳がないとわかる。すると、ランデブーを祝って誰かが飛行船を飛ばしたのか?それにしては、あまりにも形状が奇天烈である。

回りの人間に、「あれは何だ?」と聞きたかったのだが、人の姿はなく、そうこうするうちに、その物体は、山の向こうに音もなく消えていった。
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これが、生涯唯一の不思議体験である。息子に話すと、後日、「父ちゃんはUFO見たことあるんだよ」と、友達に自慢していた。そこまで、言い切れればいいんだけどね。
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2011年9月号

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