HOMEコラム>ママとパパのリレーエッセイ

ママとパパのリレーエッセイ
ー第120回ー
H.Yさん

私はいま大学院で女性の子育てやNPOについて勉強している学生です。

研究を進めていくなかで子育てコンビニのスタッフの方々とお会いし、こうしてリレーエッセイにも参加する機会を頂きました。

まだまだ自分自身が未熟で、子育て経験もない私が、どうして今子育て中の女性や、その支援をする方々に興味を持ってお話をうかがうのか。
-1-
私がこういう勉強をしている、と知り合いに話すと、
『どうしてまだ子どもがいないのに、子育て支援がテーマなの?』
という疑問を投げかけられます。そのたびに、私も自問自答しながら答えています。
なぜ子育てをしている女性や、支援活動が気になるのか。

たぶん、子どもを育てるということをもっと理解したいから。それが今の私の答えです。
-2-
子育て、という未知の領域を研究テーマにしたきっかけは、高校生のころのことでした。

子育ては母親がおこなうものだ、という当たり前のような空気を感じるようになり、将来の希望を考えるとき『子どもを産むときには』という前提で進められる進路相談に、何かもやもやとした気持ちを抱いたことでした。
父親も子育てはするはずだ、なんで母親ばっかりが子育てするものと思われているんだろう。
-3-
子どもを産むとき、という子どもを産むのは当たり前のことだというように語られる前提は、たとえば不妊治療に臨む人たちが聞いたら、いやな気持ちにならないか。

いま思い返せば、高校生のときからへんくつな性格だったと羞恥を覚えます。けれども、そうした疑問は私の中にずっと残り続け、ここまで引っかかるのならいっそ研究テーマにしてしまおう、と思い立ってからもう3年が経ちました。
-4-
その過程で子育てコンビニの方々と出会い、インタビュー調査に協力して頂く中でいろいろな子育ての経験や、父親母親がいま欲している支援の声を聞くことができました。この中で少しずつ理解できてきたことは、誰もが最初から親だったわけではなく、試行錯誤しながら子育てに向き合っているのだということです。
言葉にすれば当然のことと思われるかもしれませんが、実際に子育てをしている方々や支援している方々にお会いすることで、ようやく実感することができました。
-5-
また、インタビュー調査を重ねるたびに子育てに関する悩みや喜び、それぞれ子育てに対する思いが多様だということも大きな発見でした。
ひとりの親が子育てに感じる思いの多様さに、子育て支援には、まだまだ大きなすそ野が広がっているのだという可能性を感じています。今日も誰かが子育てと向き合っているなか、私自身もより勉強し、子どもを育てるということへの理解を深めていこうと決意を新たにする今日この頃です。

コラムトップへ   過去のエッセイを見る

2013年2月号

子育てコンビニトップへ