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ママとパパのリレーエッセイ
ー第141回ー
戸内大介さん

こんにちは、私は、戸内(とのうち)と申します。
個人タクシーを生業にして、いくつかのボランティア活動をやっています。

子育てどころか、子供もいないので、この原稿も渋々引き受けたというのが本音ですが、私自身の子育てについての見解を、徒然なるまま綴ってみたいと思います。
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私はボランティアを複数個所でやっていますが、一番重点に考えていることは、子供たちに如何に素晴らしい未来を残すかということです。

残念ながら、色々やってきて、この世の中、本気で子供たちに未来を残そうと考えているとは思えません。皆、自分や家族の事で精いっぱいで他人の事どころではない状況は良く分かります。
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個人もそうですが、組織も守りに入りすぎて、社会全体で、この国の将来について考える思考が欠如しています。

政治家も有権者のしがらみから逸脱できず、誰も大局的な視点で社会のあるべき姿を議論できなくなっています。
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しかし、一つだけ道があると思います。それはしがらみに囚われない現場の人間が声を上げていくことです。それも、いかに理性的にバランスよく、フラットな視点で、なおかつ情熱的に声を上げられるかと言うことだと思います。

そして、自分たちの生活水準を落としても、子供に未来を残そうとすることは、結局は、彼らが社会を支え、自分たちも支えられる事を十分認識し、出来ることから行動しようと、頭を切り替えることが重要だと思っています。
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そして、子育て環境について、一つ思うことがありますが、子供に限らず、人間は失敗から学ぶことが大事だと思います。
失敗を恐れ、挑戦しないことが一番いけないことだと思います。そして、自分の意思で挑戦することが大事だと思います。

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バブル期までの護送船団的な世の中では、いかに早く、規格にはまった人間を作るかが、重要視されていました。
つまり、完成形を提示し、個々の意思とは無関係にその完成形に近づけることで世の中が回っていたと思います。
しかし資本主義経済も破たんし、原発や自然災害など、今まで「これで良いのだ」とされていた「常識」が見事に覆されているのが昨今の状況だと思います。
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変わらなくてはいけないのは政治でも、組織でもなく、まず私たち一人ひとりなのです。
いま必要なのは、常識に囚われず、人に与えられた結果ではなく、自分で考え、失敗を重ね、経験から得られた結果を出し、稚拙でもよいから、受け売りでなく自分の言葉で話が出来る人間が必要だと思っています。

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そのためには、子供のうちから良きも悪きも色々な人間を関わり、自分の意思でどんなことでも挑戦させる機会を与えられる地域社会が必要だと思っています。
子供や若者たちは今の時代に適合しているように思えます。彼らに「常識」という色眼鏡であまり干渉し過ぎないほうが良いと思っています。
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今の時代、多様性の時代、どんなニッチな領域でも極めれば職業として成り立ちます。
私は、人として大事な事は、肩書でも年収でもなく、如何に人様のお役に立てるか、如何に人様から「ありがとう」と言ってもらえるかだと思っています。
そのような人間は結果的に他人に必要とされ、経済的に自立できると思っています。

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稚拙であっても、子供たちの挑戦しようとする芽を大事に育てる社会であって欲しいと思っています。
厳しい世の中ですが、挫折しても、いつでも再挑戦できる社会、お金持ちになれなくても皆が心豊かに暮らせる社会になってほしいと切望します。
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