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二人の子どもが独立して久しく、しかも未熟な子育てしかしてこなかった私に、「パパとママのリレーエッセイ」を書く資格があるかはともかくとして、孫ができて初めて、自分が子育てしていた時にはじっくり味わうことのできなかった「子どもって面白い」という体験を、いまになってようやくしているように思います。ですから、いま子育てをしているパパやママたちには、ぜひ子育てを楽しんでほしいと心から思っています。
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ところが、現代社会には、パパやママたちの子育てを大変なものにしている要因がたくさんあります。中でも特に大きな要因は、パパやママたちが降り注ぐ大量の情報の中で暮らしていることだと私は思っています。親はみんな、わが子がよりよく育つことを願っています。そのために、「子どもにとっていいもの」を少しでも与えてやりたいと思うのは当然のことです。ここで問題なのが、何が子どもにとっていいものかという情報がありすぎることです。
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例えば、私が子育てをしていた時には、抱っこひもやベビーカー、その他さまざまなグッズは、それほど大した数も種類もなく、いまのようにインターネットで買い物をするような時代でもなかったので、親や周囲の先輩ママに聞いて、「まっ、こんなもんでいいか」くらいの気持ちで選んでいました。あれから数十年(あれっ、きみまろ風になってます?)たって、いまの子育てグッズは目を見張るほど進化し、「これ、どうやって使うの?」といったものがたくさんあり、娘の子育てを見ながら、 |
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「へぇ~、便利なもんがあるんだね。」と感心しきりです。子育て仲間と情報交換をしたり、いろいろな便利グッズを楽しく選ぶのはとてもいいことだと思いますが、一方で、情報や選択肢がありすぎるばかりに、日々の子育ての中で、いちいち選んだり、判断したり、悩んだり、迷ったりすることに膨大な時間をかけなければならず、それがストレスになったり不安な気持ちを増大させているような状況がありはしないかということが心配でもあります。 |
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安全・安心については十分に情報を集める必要がありますが、よかれと思って選びに選んで与えつつ子育てをしたつもりでも後から失敗だった思うことは数知れずという経験をしてきた身からすると、パパやママたちに、もう少し肩の力を抜いてね、と言ってあげたくなってしまいます。
最後に一つだけ、老婆心ながら、与えすぎて奪わないでねと思うことがあります。 |
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それは、「子どもがひとりでいる時間」です。情報社会の中で大きなストレスにさらされているのは、親以上に子どもかもしれません。
『子どもが孤独(ひとり)でいる時間(とき)』(エリーズ・ボールディング著 松岡享子訳)という本の中にこんな文章があります。 |
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「子どもでも、おとなでも、たえまなく刺激に身をさらし、外側の世界に反応することに多大のエネルギーを費やしていると、人間は刺激に溺れ、内面生活や、そこから生じる想像力、あるいは創造性の成長を阻止し、委縮させることになるだろう」。30年近くも前にこんなことを書いているのですが、この状況は現代ではさらに深刻になっているような気がします。気になる方は読んでみてくださいね。 |
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