ロンドン「妊娠」「出産」「子育て」体験記


この体験記は、ご主人のお仕事で2年弱をフランスで過ごされたあと、ロンドンに渡り、ロンドンで初めてのお子さんを妊娠・出産・子育てされたSOSママクラブ会員さんのお話です。ロンドンには息子さんが1歳2カ月になるまで過ごされ、その後またパリに戻られました。


  産後とその後の子育て
産後一ヶ月ほどすると、ヘルスビジターに「ベビークリニック」へ参加することを勧められました。ベビークリニックとは、国立の診療所の中に、週一度、ヘルスビジター(保健婦)が来てくれる日があり、赤ちゃんの身長・体重測定、育児相談にのってくれる場のことです。地域によってはベビーマッサージも開催しているところもあり、どちらも参加費用はかかりません。ベビークリニックへは、行ける限り、参加していました。毎回レッドブックと呼ばれるイギリス版母子手帳に子どもの成長を書き込んでもらえるのが嬉しく、他のママや赤ちゃんを見るのも興味深かったです。家にとじこもるのが苦手だったので、実母が日本に戻った産後1ヶ月過ぎからは、ママ友達親子とランチへ出かけたり、散歩に出たり、外にもよく出ていました。ロンドンは緑豊かで美しい公園が多かったので、お天気の良い日には、子連れピクニックを楽しみました。

子どもがつかまり立ちできる程度の月齢になってからは、地域の「プレイグループ」に参加しました。プレイグループはたいてい教会かコミュニティセンターで行われ(参加費用は1ポンド程度)、先生が来て、英語の歌や踊りなど、いわゆるお遊戯をします。今まで、英語の童謡に触れることがなかったので、新鮮で面白く感じました。また別のプレイグループでは、沢山のおもちゃが置いてあり、自由に遊び、晴れている日は教会の庭で水遊びや砂遊びをさせてもらったり、紙芝居を楽しんだりします。私の住んでいた地域には、プレイグループが何箇所かで行われていたので、自分の予定に合わせていろいろなところに顔を出してみましたが、出かける場が沢山あることは母子にとってありがたいことでした。

子どもが1歳3カ月のときにパリに引っ越してきましたが、パリではベビークリニックやプレイブループがないのがとても残念でした。幸い、近所にお友達もできたので、公園に連れて行ってもらって遊んだりしましたが、パリの公園にはあまりブランコがなく、逆にお砂場が充実しているのも、イギリスと違うところだなあと思いました。

また、イギリスでは、2歳を過ぎるとナーサリー(幼稚園)に通いだす子どもが大半ですが、2歳未満の子どもを受け入れている施設はあまり主流ではないので、幼稚園就園前の0〜3歳の子どもが通うフランスのギャルドリーの存在に驚きました。ロンドンでも仕事を持つ母親は出産後早々に、子どもを保育園に預けて仕事に復帰しますが、そうでない専業主婦の母親が子どもを預けたい場合は、ベビーシッター、またはチャイルドマインダー(保育ママ)に時折頼むくらい(私が知る限り)で、パートタイムのナーサリーに預けている人は、子どもが二人以上で多忙であるとか、母親が学校に通う事情があるとか、一部分の人が利用しているようでした。

私の知りうる限り、お隣同士の国でも、かように異なる点があり、その違いなども楽しみながら、子育てをしています。世界のどこにいても、子育ては大変なものなので、「どっちの国のほうがラク?」と問われても、即答できませんが、まだ2歳に満たない子どもがイギリス、フランスという二つの外国で生活した経験は、将来話して聞かせてあげたいと思っています。


2010年8月号

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