(1歳6ヶ月〜3歳児編)第6回 奥歯が生えてきた!


虫歯の出来やすい場所
1歳6ヶ月前後になると、個人差はありますが上下の前歯12本と奥歯4本(第1乳臼歯)が生えてきています。

前歯に比べ奥歯は磨きにくい場所であり、さらに歯の溝が深く、噛みあわせの面から虫歯になりやすくなります(咬合面う蝕)。

3歳頃になると、さらに奥歯4本(第2乳臼歯)が生えて、合計20本の歯が生え揃います。

この頃になると、噛みあわせの面だけでなく、一番奥にある第2乳臼歯とその前にある第1乳臼歯の間や、第1乳臼歯と乳犬歯との間に虫歯が出来やすくなります(隣接面う蝕)。引き続き虫歯にならないようにしっかりと磨く事や、シュガーコントロールを心掛けましょう。

また、奥歯が生え揃ったら、歯ブラシだけでなくフロス(糸ようじ)を使うと効果的です。
(磨き方については第三回参照)


隣接面う蝕と歯並び
乳歯の隣接面の虫歯を放っておくと、今後の歯並びに影響します。    

少し専門的な話になりますが、歯の前後的な幅を比較してみると、乳犬歯<永久歯の犬歯、第1乳臼歯≒第1小臼歯、第2乳臼歯>第2小臼歯 の関係にあり、乳犬歯・第1乳臼歯・第2乳臼歯の前後的な幅の総和と、その後に生えてくる犬歯・第1小臼歯・第2小臼歯の前後的な総和では、乳歯の前後的な幅の総和の方が大きいのです。

仮に、第1乳臼歯と第2乳臼歯の歯と歯の間が虫歯になって、それを放っておくとどうなるでしょうか?

第1乳臼歯の元もとの大きさが虫歯によって保たれなくなり、そして、第2乳臼歯は虫歯でなくなった手前側、すなわち第1乳臼歯の方へ移動します。歯の前後的な幅、第1乳臼歯≒第1小臼歯の関係が崩れ、スペース的に「第1乳臼歯<第1小臼歯」となってしまうことで、第1小臼歯は今まであった第1乳臼歯の場所には幅が足りない為、出て来られないか、違う場所にズレて出てきてしまいます。つまり、乳歯の歯と歯の間に大きな虫歯ができ、それを放っておく事によってその幅が保たれなくなり、そのあとに生えてくる永久歯(特に犬歯、小臼歯)がきれいに並ぶためのスペースが無くなってしまうことがあるのです。


虫歯にさせないために・・・
やはり大事なのは、毎日の歯磨き!(プラークコントロール)

そのためには、仕上げ磨きを通して、お母さんがよくお口の中を観察してあげる事です。 

そして、何も無くても、歯科医院での定期的な検査を受けることも大切です。

いうまでも無く、「虫歯になってから治す」のではなく、「虫歯にならないように予防する」ことが1番です。

また、フッ素やシーラント(歯の溝を予防的に封鎖する処置)は、虫歯予防に大変効果があります。

きれいな永久歯列の完成は、お母さんの頑張りが必要です。
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2005年12月号