(予防編 その3)第14回 キシリトールで虫歯予防


キシリトールてなあに?

CMなどでよく耳にするキシリトールとは、糖アルコールの一種で、シラカバやカシを原料とする天然素材の甘味料です。砂糖に較べてカロリーが低く、糖アルコールの中では最も甘く、砂糖と同じくらいの甘さと言われています。
    
溶ける時に熱を吸収するので、独特の清涼感があるのが特徴です。また、経口で摂取した場合小腸から吸収されますが、代謝はインシュリンに依存しないため、糖尿病の人が摂取しても問題にならないといわれています。そして、体内でも肝臓で1日に5〜15g 生産され、その安全性はWHO(世界保健機構)でも認められている、とても安全な甘味料です。


キシリトールは『酸』を作らない

砂糖などの糖分は、口の中で虫歯菌(ミュータンス菌など)によって分解され『酸』をつくります。 
この『酸』が歯を溶かして出来るのが虫歯です。しかし、キシリトールは虫歯菌に代謝されないため、虫歯菌は『酸』を作ることができません。また、キシリトールは虫歯菌の発育を抑えたり、エナメル質の再石灰化にも効果があるといわれています。

キシリトール単独ではなく、ガムの形態で摂取すると良い効果があります。ガムを噛むことにより唾液の分泌が盛んになり、唾液による自浄作用や緩衝能(口の中の酸性度を中和する力)が高まります。
そして、唾液が多いほど唾液中に含まれるリンやカルシウムも多くなり、それらが歯の表面に戻る再石灰化の働きも強まり、結果効果も高まります。


キシリトールを含むお菓子を選ぶ上での注意点

キシリトール以外でも糖アルコールのみを使用しているものは虫歯を起こす可能性はありませんが、いくらキシリトールを使用しているからといっても、砂糖や水飴を使用したものは虫歯を起こす可能性があります。また、いくらキシリトールガムを噛んでも、日常生活で頻繁に糖類を摂取しているような食生活では虫歯を発生させてしまいます。

大部分の商品はキシリトール以外の甘味料も使用されており、キシリトールの含有量も10%程度のものから100%のものまで様々です。キシリトールの含有量が高いほど価格も高めですが、少なくとも50%以上の含有量がある物を選んで下さい。
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2006年8月号