子育て支援講演会
「心を鍛える鍵:幼児から児童へ」
参加レポート


講師:小谷英文先生 国際基督教大学教授(教育学科)国際基督教大学高等臨床心理学研究所所長
2月1日(火) 国際基督教大学教会幼児園で開催された、「心を鍛える鍵:幼児から児童へ」に行ってきました。
 
 これは、ICU教会幼児園主催の子育て支援講演会で、今年から地域の方にも公開されているということです。たくさんの子育て中のお母さん方が熱心にお話を聴いていました。

 臨床心理学者として子どもたちやその保護者など多くの方の相談を受けていらっしゃる小谷先生は、現代社会の子育てや子どもの問題に心を傷めていらっしゃいました。不登校ひきこもりなどの子どもの問題や、母親の鬱、子育てが喜びや楽しみにならず負担になっているという状態をどう解決するかについてのヒントをお話されました。

 幼児をお持ちの方対象のお話でしたので、後々深い問題にならないよう、幼稚園から小学校低学年までに対処しておくと良いことについて毎日の生活で参考に出来ることをたくさんお聴きすることが出来ました。

 私が印象に残ったことは、家庭内の言葉のコミュニケーションがとても大切だということ。夫婦同士で言わなくても分っているだろうと思わず、ぶつかってもいいから言葉に出して話をすることが大切で、そういう家庭内の会話が多い環境で育つと子どもの心も安定するようです。

 また、幼稚園から小学校に上がり、親から少しずつ離れ新しい環境に入る時に、

1.つまずくこと
2.ぶつかること(限界を知ること)
3.つかむこと


をスポーツなどの身体レベルで経験することが、子どもの心を鍛える鍵になるということです。

 大人になりたくない子どもたち、傷つきやすい子どもたちが増え社会問題にもなりつつあります。小さい時につまずくことを恐れず、何でもやってみることで、自分の限界も知り何かをつかめるのだと思います。

 子どもは好奇心とエネルギーの塊です。こどもと一緒に失敗を恐れず色々なことをやってみると、子育てがもっと楽しめるのではと思います。
 
 子育てコンビニから他に2名の現役ママが講演を聴きにきていましたので、感想をもらいました。

  ICUの講演は、面白かったです。

 まだ少し遠い話ですが、今からの心構えになるというか・・今の悩みは「寝ない」とか「食べない」とか、そんなことですが、子供が大きくなるにつれ、「お友達をしきりたがる」とか「謝らない」とか、どんどん複雑になっていくんですね。

 でも、大人の私たちは変化がないけど、子供は絶えず変化しているからこちらの頭で決めつけてはいけないということ、尊敬できる人と出会うことの大切さ、そして、最後の三つのこと(ぶつかること、つまづくこと、つかむこと・・でしたっけ?)、目からウロコのような具体的なお話でした。

 そして大人も悩んでいいんだという言葉に、先への不安はそれほど大きくならずにすみました。

 私は子供が途中ぐずったので、母子室を利用しましたが、大変助かりました。
子供を預けて受ける講座も身軽でいいですが、このような母子室という考え方っていいですね。より気楽だったし、子供を犠牲にして自分のために時間を使う・・みたいな思いを感じぜずにすむのでいいです。

正直、数行などでは書き表せないくらい現在の私には非常にためになる講演で本当に出席してよかったと思っています。

 今回のテーマは「心を鍛える鍵:幼児から児童へ」ということで、現在3歳の息子と8歳の娘の母にとって、非常に興味深い講演でした。

 3歳の息子は手もかかり、聞き分けも悪く本当に毎日が大変ですが、実際、この1,2年どんなに下の子が大変で手がかかっても子育てで悩むことが多いのは、上のお姉ちゃんのほうでした。本当に、幼児から児童へというこの時期は、今までと違う子育ての悩みがたくさんでてくるものです。

「もう2年生なんだから・・・」「また忘れたの?」

毎日お小言が多くなり、「どうしてできないの?」そんな思いが頭をよぎります。先生のお話では、幼稚園から小学校にかわるということは環境が変わるだけでなく、自分自身が大きく変わる時期であり、その時期、親の認識と子供の実際の姿にズレが生じるとのことでした。ズレが生じるのはしょうがないけど、でも、そのズレをどのようにかみ合わせるか、その変化に親がどのように積極的にかかわり合うかが大事だということを訴えていました。決めつけず、子供の話しを聞いてあげることも大切とのこと、すぐに良いお母さんになれるわけではありませんが、今回の講演を聴くことにより、自分の子育てをふり返ってみる、子供のことをもっとよく見てみる、といった大事なことを思いだすことができました。

 そして、最後に「心を鍛える鍵」ということで先生がお話になったことは今後の子育てに、とても良いアドバイスとなることでした。将来自分を信じ人を信じ、自分で自分を支えられるような強い心を育てるには、小学1〜3年くらいの大きな成長の時期に3つの体験をすることがとても大事だということです。

 3つの体験とは、つまずくこと(失敗)、ぶつかること(限界を知る)、そしてそこから何かをつかむことです。 

 これらのことを身体的レベルで、つまり体をつかって経験することが大事だそうです。先生は、今の子供たちが「楽なほうへ、楽なほうへ」と逃げていってしまうのを心配されていました。それでは、強い心は育たないそうです。そして、子供がそうならないように、大人の、社会の育てる心が必要だということです。凶悪で、考えられないような犯罪の多い最近の日本の社会ですが、本当に子供にとって、良い社会であってほしいと切に望みます。


国際基督教大学教会幼児園(幼稚園類似施設)
http://www.icuchurch.com/youjien.html
三鷹市大沢3−10−4
お問合せ0422−33−3574
幼稚園類似施設とは、都知事が認定する、幼稚園に準じた教育を行う施設のことです。
国際基督教大学教会幼児園は下記の4条を保育方針としています。
(1)園児の心身を伸展させる保育
(2)使命感と情熱を持つ教師が、園児ひとりひとりを愛する保育
(3)自然の美しさと、ひとの魂の尊さを学ばせる保育
(4)広い世界のひとびとの兄弟姉妹となる心と、自分の家庭を誇りとする心をはぐくむ保育
(5)毎日通園するのがこのうえない喜びとなる、明るさと楽しさをたたえた保育

詳細につきましては、幼児園に直接お問合せください。
お問合せ0422−33−3574
2005年3月号
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reported by nana