第十回
三鷹市こども家庭支援ネットワーク
”子育ての悩み相談しましょう” のコーナーで
これまで三鷹市内の主な相談先を紹介してきました。
実は、これらの相談先は全部一つのネットワークとして連携しているのです。
赤ちゃんが、母親からオギャー!と産声をあげて
生まれ、最初に出会うのが、親、家族です。
家庭というのが人間関係のはじめの小さな単位なのです。
やがて赤ちゃんは成長し、外の世界(社会)、保育園や幼稚園へと出て行きます。
人間関係の最初の小さな単位である家庭の中の誰かに問題が起きたとき、
子ども、両親、祖父母、
そのどれをとっても、家族全員にかかわって来ます。
そして、その家族は会社、学校、保育園など社会の一員でもあるのです。
とても悲しいことですが、新聞やテレビで虐待、ドメスティック・ヴァイオレンス、
一家心中など毎日のように深刻な事件が報道されています。
幸せに生活していたはずの家族が、
どこかで歯車が狂ってしまい、
家庭という単位の中だけで解決しようと
もがいているうちに深みにはまるケースが多いように見受けられます。
個人→家庭→社会というつながりで人は暮らしています。
家庭の問題はやはり外に向かって相談しなければ解決が難しいのです。
例えば虐待の問題が起きたとき、
虐待をしている親についての対応で良いのかというと、そうではなく、
その家庭の夫婦の問題、
虐待を受けている子どもの心ケア、
場合によっては保護なども発生してきます。
兄弟姉妹がいれば、その子どもたちのこともかかわってくるのです。
これまでは、問題がある場合、
どこかひとつの相談機関に相談すると、
守秘義務などもありその機関の内部で解決するか、
必要な場合は専門機関を紹介するという流れで
なかなか横の繋がりができませんでした。
しかし、これでは、現代の複雑化、
深刻化する問題を解決するには不十分です。
三鷹市には、三鷹市子ども家庭支援ネットワークという組織があります。
このネットワークは、平成2年からスタートした「子どもの相談連絡会」を母体としており、
虐待などの問題が深刻化し複雑化した現在では、
より大きなものとなっています。
子ども家庭支援センターが中心となり、
子育て支援室、私立公立保育園、三鷹市の健康福祉関係の各部署、
市立小中学校、幼稚園その他の教育委員会関連施設、
私立幼稚園、保健センター、医師会、助産師会、
児童相談所、児童養護施設、警察署など、
市内の子どもや家庭に関係するさまざまな機関が
ネットワークを組んでいます。
最初は子ども家庭支援センターや
子ども家庭支援ネットワークの活動が浸透せず、
連携が難しい面もありましたが、小中学校や、
社会福祉協議会の参加、学童保育所への支援強化などにより、
教育領域にもネットワークが確実に広がっています。
このネットワークは年に7回定例会が開かれ、
参加する機関の方々が顔をあわせ意見交換をします。
そうすることにより、ケースが発生したときに連携がスムーズに行き、
問題解決がうまく進むことが多いそうです。
例えば、母子の相談を、母子自立支援員が受けた場合、
相談員だけでの解決が難しい時には、
相談者に、子ども家庭支援センターを紹介します。
センターから必要に応じて、相談者の了解の下、
他機関に呼びかけられ、
ネットワークに参加している機関の方が、
それぞれの専門の立場から
良い解決方法についての意見を出しあいながら援助に当たります。
もちろん、ケースについての守秘義務が
厳しく守られていることは言うまでもありません。
さらに、重い場合は、スーバーバイザーといって
精神科医、弁護士、臨床心理士、精神保健福祉士、カウンセラー、
学識者の助言を受け対応を考えることになっています。
このようなネットワークは全国に先がけた試みだそうです。
とにかく家庭内に問題が起きたとき、
市内にある色々な相談機関のどこかにまずは相談してみましょう。
その後ろには心強いこども家庭支援ネットワークがありますので、
どんな深刻な問題でも、必ず希望を持てる良い解決方法が見つかるはずです。
自分達だけで解決しようとしないで、
あきらめないで
まずは身近なところに相談してみましょう。
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