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相談しました。
第一回
「子育ての悩み相談しましょう」コーナーを担当していますnanaです。
三鷹市内の子育ての悩み相談先の取材を一通り終わりました。
今度は、実際に悩みを相談した体験談を募集して掲載していこうと考えています。
実は、わたしも相談をした一人なのです。

相談先は、教育相談室

第一回目はわたしの体験談から始めたいと思います。

わたしは、現在高校1年生と大学1年生の娘と息子の母親です。
現在高1の娘が小学校の頃、学級崩壊を経験し、
娘が学校に行ったり行かなかったりという時期が3年ほどありました。
全く小学校と縁が切れるということではなく、
トータルすると年間の3分の1ほどは行っていたように思います。
そうは言っても世間で言ういわゆる不登校児ということになります。

最初はあわてました。
まさか自分の子どもが学校に行かなくなるとは夢にも思っていませんでしたので、
どのように対応したら良いのか、
無理しても連れて行くべきなのか、
本人の意思にまかせるべきなのか
葛藤がありました。
実際嫌がる娘を無理やり連れて行ったこともありました。

そんな時に学校に薦められて相談に行ったのが、「教育相談室」でした。
2週間に1回のペースで1時間ほど、今の状況を話し、どんな風に子どもに接したら良いのか、
学校や担任の先生と付き合っていけば良いのかなどを話し合いました。
その他にも講演会に出かけたり、
本を読んだり
問題解決のために出来ることは何でもしました。。

自分のこれまでの子育てを振り返り、どうしてこうなったのかと悩んだり苦しんだりもしました。
本当は子ども自身が相談室に行って、
先生と遊んだりセラピーを受けたりすると良いということでしたが、
娘は自分の考えがはっきりしていて、

「自分はテレビなどで報道されている不登校児とは違うから
そんなところには行かなくても大丈夫だ。」

と言い張るので、
結局最後まで本人は行かず、わたしが通い続けて終わりました。

 確かに、不登校と一口に言っても、
100人いれば100通りというほどケースによって内容も、その対応も違います。
家の娘の場合は、
学校に時々しか行かないという一点を除いては、
放課後お友達ともよく遊ぶし、
自宅で学校に遅れない程度の勉強もすると言った具合で
目だった問題行動はなく家庭で家族とも仲良く暮らしていました。

親から見るととてもわがままで気ままに見え、
このままでは社会性のない自分勝手な人間になるのではととても心配しました。
しかし、教育相談室の先生に、

「とにかく、子どもを信じること。すべて子どもに下駄を預けるように。」

と言われましたので、
その言葉を信じて、
子ども自身がどうしたいのか言ってくるまでじっと我慢して様子を見ることにしました。

つい先回りして

「どうするの?」

なんて聞きたくなるのをじっと我慢するのは修行のように難しいことでした。

ずうっとこういう状況が何年も続くのでは
と不安に押しつぶされそうになることもありましたが、
仮にずっとこのままでも元気に生きていて、
好きなことを見つけてくれればいいかと、一度腹をくくってからは、
母子で色々なことをして楽しむようになりました。

絵を描いたり、
アロマオイルの本を読んでアロマテラピーをやってみたり、
お菓子の本を見て片っ端から作ったり、
フエルトで小物やおもちゃのケーキを作ったり、
本を読んだり映画を見たり。
わたしが外出すると夕ご飯を作って待っていてくれたこともありました。
今思い出すとても楽しい日々でした。

こんな感じで
娘は気が向いた時や、行事があるときには学校に行き、
行かないと決めた日は行かないという生活を続けました。
学校との連絡係はわたしがやりましたので、
わたしの方が学校に沢山学校に通ったようなものです。

そうしているうちに6年生になり、
中学という新しい環境に入る時期がきました。

フリースクールなどが向いているのでは?

と思ったのは親の方で、
本人は私立中学に行きたいと言い出しました。
娘の力でも入れそうな私立中学を探し、
秋ごろから自宅で一緒に勉強してなんとか進学することが出来ました。

中学に入学してからは、
お友達もたくさんでき、生き生きと楽しい学校生活を送っています。

この春には併設の高校進み、
勉強に部活に趣味にと充実した毎日のようです。
小学校の時の心配はどこへやら、
とても思いやりのあるしっかりした子に育っています。

わたしはこの経験から、

子どものこころに寄り添うこと

を学びました。

頭ごなしに決め付けるのではなく、
一見マイナスに見える子どもの行動にも何か理由があること、
とにかく一度はすべてを受け入れることの大切さを
身をもって体験しました。
子どもに育てられるとはこのことかと最近しみじみ思います。

わたしは娘の不登校がきっかけで、心理学に興味を持ち
カウンセリングの勉強をはじめ5年ほどが経ちます。

そして現在、
みたか子育てねっとの「子育てコンビニ」で相談コーナーを担当しているというわけです。

完璧な子育てはありません。

みんな親となった以上、試行錯誤しながら、日々がんばっているのです。
そして親がやっと何かわかりかけた頃、子どもは巣立ち始めます。
苦労があればあるほど、
乗り越えた後の喜びは大きく、
子どもまみれになって忙しく過ごした時間が、
いとおしく、輝いて見えるのです。
nana

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2005年7月号

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