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力を抜いて,ゆったりと・・・・

第3回「抱きしめる」

 小春日和の良いお天気が続いています。ちょっと寒いけれど、昼間は動くと心地よい気候で、お散歩やサイクリングが快適です。小さなお子さんがいると、外遊びもまだまだ大丈夫、ただ日が暮れるのがあっという間ですね。

 「子育てをするとき、どんなことに気をつければ良いですか?」などという質問の答えとして、「毎日、一度はお子さんを抱きしめてあげなさい。」とよく言われます。

 抱きしめられた時の安心感、大丈夫だと思える時、腕の中で暴れながらも、子どもは嬉しくってたまらないでしょう。そして抱きしめる側の親の方も、やわらかな子どもの肌に触れ、安らぎを感じるのではないでしょうか。

 大人でも、恋人や夫に抱きしめられる時に幸福感を感じるように、しっかりと抱きしめられる時、子どもはさまざまな不安から解放されて安心と安らぎを感じこころが安定します。

 そうは言っても、毎日いたずらばかりする子や、ぐずったり、泣いたりしてお母さんを困らせてばかりの
子、いつもかわいくて良い子でいるわけではないわが子を毎日抱きしめるなんて、出来そうでそう簡単には出来ませんよね。

子どもが何か問題行動をするとき、怒っても怒っても同じいたずらを繰り返す時、ちょっと立ち止まって考えてみましょう。それは、何かのサインかもしれないからです。

さびしい思いをしたり、友達とうまく行かなかったり、外でいやな思いをした時、親に自分の方を振り向いて欲しいと思う時、親がどこまで自分を認めるか、許すかを試してきます。反抗して困らせたり、乱暴した り、いろんなことをやってくれます。親がどれだけ自分を愛しているか、おりこうだったから、何かが上手にできたからなどの理由がなくても、無条件で自分を受け止めてくれるかを試してくるのです。

そんな時、ちょっとムカッと来ても、グッとこらえて、一呼吸ついて、こどもと同じ目線になって、「どうしたの?どうしてそういうことをしたの?」と落ち着いてきいてみましょう。(そこまで余裕がないときは、とりあえずトイレに駆け込んで呼吸を整えると言う手もあります。) 子どもによっては、うまく理由を言えないかもしれませんが、困った行動の裏には何か必ず訳があることが多いです。何か言ってきたら、「お前がそんなことするから!」と思っても、まずは「そうだったの。」と受け止めてあげましょう。

何も言わない時、または上手に表現できない時は、背中や足、腕などをやさしくさすってあげたり、ギュッと抱きしめてあげるのも、子どものこころを落ち着かせるのに有効です。抱きしめることで、○○ちゃんが大好きだよっという親の思いが身体で伝わります。もちろん「ママは(パパは)○○ちゃんがだーい好き!」と言うともっと効果絶大です。何があっても、お母さん(またはお父さん)だけは自分の味方になってくれるという安心感がどれだけこころの栄養になるでしょう。こころにいっぱい栄養をもらった子どもは、思春期になって悪い仲間に誘われたりした時、たとえ友達から仲間外れにされても、ちゃんと断ることが出来ますし、間違っても人のぬくもりが欲しいと変な大人についていくような子どもに育つはずがありません。

11月は紀宮さまのご成婚という大きな行事でにぎわいました。紀宮さまが嫁がれた朝、美智子皇后は「だいじょうぶよ。」と言って、紀宮さまを抱きしめられたと言います。
ご自身も皇室に嫁がれる朝、お母様に抱きしめられたそうです。

 いつも大勢の人々に囲まれている生活の皇室ご一家ですが、世間一般の家庭と同じ一人の父、一人の母としての愛情を注いで子育てをされたのだなあと、胸が熱くなりました。

 日本人の生活習慣で、出かけるときや帰って来た時にチュッ!とかハグとかしませんから、子どもが大きくなると、抱きしめると言うことは無くなって来ますが、スキンシップは出来るだけしたいなと思って、わたしは、隙があらばどこか触っています。子どもとだけでなく夫婦のスキンシップも親のこころが安定するためにとても大切なことです。両親のこころが落ち着いていると、不思議に子どもも落ち着いてきますよね。


10月から、「子育ての悩み相談しましょう」コーナーにエッセイを連載しています。ご意見ご感想などいただけたら嬉しいです。
 また子育てをしていて、嬉しかったこと、驚いたこと、困ったこと、つらかったことなど、子育てをして感じた様々なことを、みんなでおしゃべりしてみませんか?
 子育てコンビニでは、毎月「みんなで作ろう子育てコンビニ」という集まりを開いています。子育てコンビニのスタッフ以外は毎回新しい方の参加があり、いつも同じメンバーの集まりではありません。
悩み相談に行くほどでもないけれど日ごろ気になっていることなどを、みんなで話してすっきりすることもあるようです。どうぞお気軽にお出かけください。
 皆様のご参加やメールでのお便りなどお待ちしています。


nana


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2005年12月号

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