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力を抜いて,ゆったりと・・・・

第9回 ボランティアって何?

■何故今社会福祉の勉強をしているのか?
 わたしは、今振り返ると、子どもを産むまでとても自分中心に生きていたと思います。
自分次第で物事は何とでもなると、どこかで思っていたような気がします。
子どもが生まれてからは、自分の意思で動くことの方が少ないということに気がつき、自分の周りに目が行くようになりました。
通勤電車を乗り降りするだけだった駅の近くのことや、家の周りの公園のこと、虫めがねでズームするように近くを見るようになりました。
 バギーを押して外を歩いた時、初めて車椅子の方の気持ちを少し察することが出来ました。
なんと歩道が狭く不便なこと!子どもを育てながら、子どもの育ちと一緒に社会のことを色々考えました。
そしてあるきっかけから子育て支援のNPO活動を始めましたが、世の中の仕組みがよく分かっていない自分に気がついて、
社会福祉の勉強をしようと、昨年大学の通信教育の3年生に編入したのです。
そして今年は4年生。社会福祉施設での24日間の社会福祉援助技術実習があり、この夏は近くの市の社会福祉法人で実習をしました。

 通信制大学で学ぶことや実習の内容については、別の機会に詳しくレポートさせていただくとして、
今月はボランティア活動ということについて、考えてみたいと思います。

■自分も何か人の役に立ちたいという思い
 ボランティアと一口に言っても、町内から海外まで範囲も広いし、子ども、高齢者、障がい者、外国人、環境問題など対象も様々です。とらえ方も人によって千差万別と言えます。
でもボランティア活動をしたいと思う根っこには、「自分も何か人の役に立ちたい」という気持ちがあります。
そして何か人の役に立った時に感じるこころの充足感が次の活動のエネルギーにつながります。

 私は実習を通して、沢山の地域ボランティアの方にお会いしました。何十年もの間、一ヶ月に1〜2回地域の1人暮らしの高齢者のために、地域センターなどで料理をし、会食会を開くサービスを続けているグループ。自宅を開放してやはり同じような活動をしている介護ヘルパーの方。手話通訳の勉強をして、聴覚障がい者のための活動をしている方、視覚障がい者のガイドヘルパーをしている方。1人暮らしの高齢者に毎週定期的に電話訪問をする方、また実際に自宅に訪問して安否確認をする方。高齢者や身体障がい者のための通所施設での手伝いのボランティア。知的障がい者の授産施設で一緒に作業をするボランティア。
自ら障がいを持ち、そのことを話したり、手話や車椅子の使い方の講習会をしている当事者ボランティアの方にもお会いしました。
年に1回でも、月に1回でも、週に1回でも、それは自分次第で決めることが出来るし、何ができるか、何がしたいかも自分次第です。
 海外では、ボランティア活動が生活に浸透していて身近なものですが、日本では、まだまだボランティアというと、とても特別なこと、大変なこと、自分とは遠い世界というイメージが強いのではないかと思っています。

■地域社会で自分のできることを探す
 地域社会には、こどもから高齢者まで様々な年代の人が住んでいます。
20代から60代前半までの、働く大人の殆どが昼間都心の会社に出勤しますが、こども、高齢者、障がい者、専業主婦などが地域で一日中暮らしているのです。
地域の住民が、みんなで協力し合って、元気に楽しくいきいき生活できるとどんなに安心でしょう。
 しかし、最近では、近所づきあいが殆どなく、子供会さえなくなる地域が出てきています。新聞やテレビで小学生の登下校時の事件や事故が相次いで報道され、今、地域再生が急務となっています。
シニアの地域パトロールなどが始まっていますが、近所の子どもの顔を知っている大人、近所の方と親しく付き合っている方
がどのくらいいるでしょうか。そういう私も、町内会の方とは、たまに立ち話をする程度のお付き合いしかありません。
 市の広報などの印刷物やケーブルテレビ、インターネットで沢山の情報が得られる現在、井戸端会議的な主婦同士の情報交換の場もあまり必要とされていません。
その代償として人間関係が希薄になっており、それに連動して、様々な社会問題が起きていると思います。

 子育て中の方、市民活動などをされている高齢の方、色々な方とお会いする機会がありますが、みなさん口をそろえて仰るのは、「みんなで集まっていろいろおしゃべりする場が欲しい。」ということです。
コミュニティーセンター、ボランティアセンター、市民協働センター、公民館など場所はあるけれど、そこをうまく利用するためのノウハウが欠けているのかも知れないと思っています。
 みんなで楽しめる何か、年齢、立場、環境に拘わらず無理せず自分が関われるものを見つけて参加できる場があれば、地域の人間関係が広がりますし、安全で生活しやすい地域作りに繋がるのではと思います。

 あなたも何か地域で、自分ができるボランティアを見つけてみませんか?
ボランティア活動についてもっと詳しく知りたい人、自分が何が出来るか、何をしたいか見つけたい人は、ボランティアセンターのサイトをご覧ください。

 NPO法人子育てコンビニでもボランティア活動チームを作ろうと思っています。
こちらもinfo2@kosodate.or.jpまでお問い合わせください。
人間関係も広がりますし、今までと違う自分に出会えるかも知れません。
 

 「子育ての悩み相談しましょう」コーナーにエッセイを連載中です。みなさまのご意見ご感想をお待ちしています。
  
 子育てをしていて、嬉しかったこと、驚いたこと、困ったこと、つらかったことなど、子育てをして感じた様々なことを、みんなでおしゃべりしてみませんか?
 子育てコンビニでは、毎月「子育てコンビニひろば」という集まりを開いています。子育てコンビニのスタッフ以外は毎回新しい方の参加があり、いつも同じメンバーの集まりではありません。
 悩み相談に行くほどでもないけれど日ごろ気になっていることなどを、みんなで話してすっきりすることもあるようです。どうぞお気軽にお出かけください。
 皆様のご参加やメールでのお便りなどお待ちしています。


nana


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2006年9月号

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