第16回 子どもと過ごす夏休み

■親子で楽しむ時間
梅雨明け宣言はいつだったのか？気がついたら毎日猛暑ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
ついに下の娘は１８歳になり、子育てももうゴールが見えてきています。
幸いわが家は、親子で音楽という共通の趣味があるため、夏の音楽フェスティバルに一家で出かけたり、親子で楽しむ時間がまだ残っています。
フェスティバルの間は、狭い部屋に４人で合宿みたいな生活をするのですが、子ども達は、そんな中から親であるわたし達を
見て、色々学んでいるのかなと思います。
そう思うとこちらもウカウカできませんが、だらしないところやカッコ悪いところもいっぱい見せてしまう結果になります。こちらも普段気がつかない子ども達の一面をたくさん見ることが出来るので楽しくもあり、驚きもあり？！

■「子どもを非行に走らせる１０か条」
　さて、夏休み前になると、学校で非行予防の話があったり、プリントが配られたりします。わたしは町内会から回ってきた回覧板で、「子どもを非行に走らせる１０か条」というタイトルを見つけました。随分前に新聞に掲載されたそうですが、とても興味深かったので紹介します。

少年院で以前から伝えられてきたものだそうで、こうすれば子どもは確実に非行に走るという１０か条です。
その概要は、
〈１〉幼い時から冷たく放りっぱなしにせよ
〈２〉欲しいと言ったら何でもすぐ買い与えよ
〈３〉間違いや失敗は理由を問わずしかり飛ばせ
〈４〉どこで何をして遊ぼうが気にとめない
〈５〉よその子や兄弟と比較して、お前はバカだ、だれだれを見習え、を連発せよ
〈６〉忙しいのに食卓のだんらんなど無駄
〈７〉善いことや努力をしてもめったにほめるな
〈８〉子供の前では決して夫婦間の意見を一致させるな
〈９〉お金こそ人生のすべてと身をもって教えこめ
〈１０〉子供の前で常に法律、警察、学校、役所の悪口を言い、社会の決まりや公共機関への敵意を植えつけよ
　
以上のすべてを忘れても、いつも夫婦仲悪く暮らし憎しみ合い、できれば不貞を働き大人のエゴをむき出しにすれば、非行化は効率よく進むと結んでいるそうです。

確かに、この１０項目の正反対のことをすれば、子供は健全に育ちますよね。
少年院に入った子ども達の親と接しているうちに、出来上がった１０か条と聞きます。
時代を越えた真実があるとわたしは感じました。

■親にとっては体力勝負の夏
　わたしも遡ること１０年〜１５年、子どもと過ごす夏休みは、体力勝負の毎日でした。日焼けなど気にしている余裕もなく、プール、外遊び、宿題、子供向けの催しへお出かけ、旅行など、目が回る忙しさでした。そんな中で子どもを持ったからこそ体験できたことが、たくさんありました。
多摩動物公園、鉄道博物館、国立科学博物館、恐竜展などへのお出かけ、駅ごとに降りてスタンプを押すラリーにも水筒を持って参加しました。
サッカーの試合の当番や、ビーズアクセサリー作り、ステンシル、石鹸作り、アイスクリーム作り、フエルトでケーキづくりなどなど・・・・すべて子どもがいなければ、絶対にやらなかったことばかり。
わたしにとって今思えば、子どもと一緒に過ごしたこの時間は、至福の時でした。しかし、当時は、「夏休みは地獄じゃー！」と思っていて、９月１日に学校が始まり、引き取り訓練が終わり、夏休みから開放されると、「バンザーイ！」と思ったものです。

■子どもの力を信じて
　そんな時間を経て、今は大人同士として、息子とはお酒も飲めるようになり、ちょっと深い会話も出来るようになりました。
そして、なんとなく安心して子どもを見ている事ができます。もちろん心配の種は尽きませんし、心配しているとキリがありません。
子どもは自分で育つ力を持っているということを信じて、暖かく見守る姿勢を続けようと自分に言い聞かせる毎日です。

猛暑の毎日ですが、元気の塊の子ども達と、日々楽しく過ごされますように！

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nana

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200７年8月号