力を抜いて,ゆったりと・・・・


第21回 子どもの意思を大切に


■春ですね。
ぽかぽかと春らしいお天気の日が、少しずつ増えてきて、やっと暖かくなるなあとウキウキしています。
家は一家で夏が大好きなので、暖かくなってくるとみんなそわそわ、夏休みのことを考え始める始末。

さて、3月は、物事の節目の季節です。我が家は下の娘が高校を卒業します。
子育てコンビニの活動を始めた頃は、まだ小学生だったのに・・・時の流れを感じるのは、子どもの成長の節目に立ち会ったときです。わたしもついに、子育て卒業です。18年間のお弁当作りももうおしまいです。
一緒に代表をしているryuryuさんのところも、今年小学校卒業。4月から中学生です。当時は幼稚園児でしたから感慨無量です。
更に、当時0歳で抱っこバンドに入っていたメンバーの子どもたちも、今は小学生。
その成長の様子を時折見ていたので、顔つきや、言葉遣いや、しぐさなどに、その成長ぶりを見つけてとても嬉しくなります。
わが子以外の子どもの成長を見守ることが出来る、この活動はとても幸せな仕事だと思います。

■卒業に思う
来週は、娘の高校の卒業式があります。ハンカチ何枚持っていこうかなんて考えるほど、泣かないでいる自信がありません。
合唱コンクールで歌う姿を見ても、ジーンと来てしまうくらい最近は特に涙腺がゆるいので、かなり心配。特に女子高の卒業式は涙を誘うように盛り上げるので弱いです。
この娘については、中学入学後は落ち着きましたが、小学校時代、学校へ行かなかったり、かなり苦労しました。わたしも親として、問題がおきる度に、色々悩み、勉強させられました。
とても強い意志を持っている娘だったので、最初は戸惑いましたが、だんだんと慣れてきて、他所様に対して我がままをすること以外は、本人の意思を尊重してきたので、のびのびと自分を確立しつつあるように見えます。とはいえ、親から見るといささかのびのびしすぎですが・・・
親に対して、色々と言って来た時、それを我がままと取るか、意志の強さと取るか、ここが親の迷いどころでした。
進路を決める時も、相談にはのるけれど、あくまでも相談のみで、親としてこうした方が良いと言うことは、出来るだけ言わないようにしました。言ったとしても聞くような子ではありませんでした。
そのような親だったのが、良かったかどうかは分かりませんが、娘は、自分で勉強したいことを決め、希望の大学に合格し、4月からの大学生活を楽しみにしています。

■子どもの成長に驚く時
また、先日義父、つまり子どもたちの祖父の80歳のお誕生会をしました。そして誕生会の後、子どもたちのいとこの一人でミュージシャン志望の子のライブに一家総出で駆けつけました。
彼は、中高一貫の私立に行って、回りはほぼ全員大学へ進学する中、高校卒業後、親や先生が進学を勧めたのに、頑として聞き入れず、音楽活動に入りました。もう4年ほどが経ちます。オリジナル曲も増えて、今は、ライブハウスなどで演奏をしています。
インディーズのCDを出し、地方へも行っているようです。プロで食べていけるようになるには、まだまだ大変だと思います。
わたしは、この子の演奏を初めて聴いて、この子があのM君?と思うほど、生き生きとした、素晴らしい演奏にびっくりしました。そしてライブをすっかり楽しませてもらいました。Mくんは、感受性の強い子でした。意思も強く、自分の世界を持っていました。わたしは、生まれた時から知っている一人の子どもの成長振りを驚きを持って見ました。
一緒に行った家の子どもたちも、「ギターを弾いて歌っているのがあのM君だと思うと、本当に凄いねえ。カッコいいねえ。」と感心していました。
親の葛藤は、きっと大きかったと思いますが、一度決めてからは、ずーっと、親もライブに通って一生懸命応援しているようです。
おじちゃんもライブがあると、必ず行っていて、最初は耳栓をしていたのに、今ではすっかり慣れて、ロックを聴いて元気になっている様子!これからも、みんなで応援して行きたいねと家族で話し合いました。

■子どもの意思を大切に
子育てを振り返る時期にいるので、こんな物分りの良いような事を言えるのだと思います。子育て真っ最中の時は、毎日が平和に過ぎる日は少なく、修行か戦いかといった日々で、これで良いのかと迷うことばかり、心穏やかな時は少なかったような気がします。
朝早くから、お弁当を作ったり、行事の支度をしたり、友達を家に呼んで遊ばせたり、宿題をみたりと本当に毎日てんてこ舞いで気が付けば、夜はぐったり疲れていました。自分の時間もほとんどありませんでした。でも、そんな日々が今は、懐かしく、とてもいとおしく思い出されます。

このエッセイを読んで下さっているのは、まだ小さなお子さんを育てている方だと思います。
「人は何か使命を持って生まれてくる。」といいます。それが何なのか、早く目覚める人もいれば、歳をとってから分かる人もいるのだそうです。
縁あって親子となったのですから、ご自分のお子さんは、どんな使命を持って生まれてきたのだろうと、思いめぐらすのもまたいつもと違った見方が出来、今まで気づかなかった、お子さんの良いところが見えてくるかもしれません。
そして、その子の「意思」を大切にしてください。わたしは、そこにきっと使命が隠されているように思えるのです。
お稽古や、クラブ活動に親が口出しするという話を聞きますが、親の意見は参考程度で、本人の意思を尊重して決めるのが一番だと思います。
自分で決めたことは長続きますし、大抵はうまく行くように思います。

卒園、卒業の季節、子どもの成長を喜び、来月からの新しい生活の準備を親子でゆったりと楽しみましょう。
春らしい日差しがまぶしく感じられ、さくらの開花が待ち遠しい季節です。

 

 「子育ての悩み相談しましょう」コーナーにエッセイを連載中です。みなさまのご意見ご感想をお待ちしています。
  
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nana


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2008年3月号

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