力を抜いて,ゆったりと・・・・


第23回 「自分の時間」持っていますか?



振り返るとき
3月は法人の年度末です。NPO法人子育てコンビニも今年は、[bloom」製作で受けた助成の報告書を作成し、映画プロジェクトとともに走り抜けた1年を振り返りました。

また、NPO総会のための活動報告書づくりで、子育てコンビニの全体の活動について1年間の振り返りをしました。

NPOの各部門の活動の他、私や理事たちが、市内や市外の会議に出席したり、活動についてのお話をさせていただいたり、原稿を依頼されて書いたり、メディアの取材を受けたり、そういうすべてのことを書き出して報告書にしてみて、「あ〜やっぱり大変な一年だったなあ。」と今更ながら思ったのでした。

また、4つ葉プロジェクトのサイトに、2000年からの自分を振り返る「わたしものがたり」の原稿を頼まれ、自分の生活も振り返りました。2000年からの私の8年間ですが、一年ごとにに、家族の成長、その間の出来事や思ったことを振り返り、自分と家族のこの8年を見つめなおしました。そして気がつかないうちに、少しずつ少しずつ忙しさが増し、昨年度がピークだったことも良くわかりました。

ここ数年、一生懸命、時間さえあれば、家庭内のことも、仕事やボランティアも、何でも引き受けて何とかこなしていたけれど、今回映画という大きな企画が一段落したあと、かなりの疲労感が続いてなかなか抜けず、気力が落ちている感じがしていました。歳を取るってこういうことなのかなあ、これが更年期障害に違いないと、漢方薬を飲んでみたり、出来るだけ睡眠をとるようにしたりいろいろ工夫するうちに、年齢もあるけれど、「自分の時間がない」為のストレスが原因のひとつだったと気がつきました。

知らないうちに失っていた「自分の時間」
毎日予定が詰まっていると、頭の中で、次はこれをして・・・と順番を振って、できるだけ効率よくといくつも詰め込み、それだけで疲れてしまっていました。忙しいという字は、心を亡くすとかくけれど、まさにその通り、気持ちが荒れてきますし、いつも何か忘れ物をしているのではないかとハラハラドキドキしています。

そうやって、最低限の家事も入れながら、一日が終わり、バタンキューと寝てしまう日々。睡眠時間も短い毎日でした。

「むむ・・この感じは???」となんだか懐かしい感覚だとつらつら思い出してみました。

それは、子どもが小さかった頃の、おっぱいやおしめの世話で殆ど眠れなかった頃や、外出する日の前日の段取り確認をしていた頃や、お迎えやお稽古や、歯医者や病院やそういった細かなことに、時間を区切られ追いまくられていた日々とどこか似ていました。

あの頃の体力はもうないけれど、そのくらいの体力を使っている感じだったのです。

それにしても、子どもが幼稚園に入った頃から、年ごとに少しずつ戻ってきた「自分の時間」が、いつの間にか私の生活からなくなっていました。

週末ですら、図書館に行って、ゆっくり本を選んだり、時間を気にせずお風呂に入ったり、一人でふらふら買い物をしたり、テレビドラマやビデオや読書にはまったり、何もせずぼーっと過ごす、そんな時間がなくなっていました。そしていつも頭の中は、次にやること、忘れていることはないか、そんなことがグルグルと回っていました。

それに加えて、受験生も抱えていたので、家族のスケジュールと、私のスケジュールが合わないときにちゃんとフォローできているかも絶えず気にしていなければいけませんでした。

もちろん、子育てだけで家にいた頃と違い、色々な人に会い、刺激を受け、大変だけれど充実して楽しかったので、忙しさもそれほど苦痛ではありませんでしたし、この程度は誰でもやっていることだと思っていました。

でも、なかなか疲れが回復しないという事があったので、下の子も大学生になり、子育てが終わって、少しは、のんびりしても良い時期を迎えているのだから、「自分の時間をちゃんと作り、好きなことをしよう!」と思ったのです。

私には、忙しすぎる生活は性に合っていない。だから、自分のペースを守るように、時間の管理をしようと決心しました。

子育て中のおかあさん、おとうさんも「自分の時間」を
子どもが小さかったとき、本当に「自分の時間」がありませんでした。保育園に長男を預けて働いていたときは、電車の中で本を読む時間が、唯一「自分の時間」で貴重だっのを今でも覚えています。しかし、専業主婦になってからは、24時間営業の日々でした。

子どもが小さいとトイレまで追いかけてきて、トイレの中も、お風呂の中も「自分の時間」を持てない時期がありました。

人は、独りになりたいときがあります。

独りになると、意識するしないに拘わらず自分の内面に向き合います。そして気持ちが落ち着き、また元気が湧いてくるのです。

「自分の時間」を持てないまま、日々が過ぎていくと、疲労感が溜まり、気持ちの余裕がなくなってきます。

子どもが小さいと、本当に独りになる時が取れません。なんだか疲れているなあと感じたら、夫婦で話し合って、20分でも30分でもお互いに独りの時間を取れるよう工夫してみてはいかがでしょうか。

身体は正直
母がよく言っていました。「首の後ろが凝るほど疲れたときは、ちょっとでもいいから横になって休みなさい。」と。

この言葉を、最近時折思い出します。母も毎日大変だったのでしょう。

わたしも首の後ろまで凝りが来たときは、注意!と思って、身体を労わるようにしています。そうすると、寝込むほどの病気にならず、早めに回復するようです。

身体の声をきき、自分を労わることを覚え、実行すると、心も元気になって意欲がわいてくるから不思議です。

なんだか元気が出ないとき、そんな時はさっさとずぼらを決め込んでゆったり、のんびりすればいいと思います。お子さんが小さいとなかなか思うように休めませんが、何かひとつ家事の手を抜くとか、ちょっとした工夫で時間が作れるのではと思います。

5月の爽やかな季節は、長くは続きません、すぐに暑い夏がやって来ます。なんだか疲れが抜けないなあと感じていたら、何かを休んで子どもと一緒に、または独りになって、のんびりしてはいかがでしょうか?

先月のエッセイで書いた浜文子さんから、また新刊のご本『母になったあなたに贈る言葉』(清流社)がサイン入りで送られてきました。私の4月のエッセイも読んでくださり、「私の本について、本当に私の願い、思い、意図をしっかり読みとってくださり感謝です。」とお手紙に書いていただきとても嬉しかったです。

次回は、浜さんの新著について書きたいと思っています。。

 

 「子育ての悩み相談しましょう」コーナーにエッセイを連載中です。みなさまのご意見ご感想をお待ちしています。
  
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 子育てコンビニでは、毎月「みんなで作ろう子育てコンビニ」という集まりを開いています。子育てコンビニのスタッフ以外は毎回新しい方の参加があり、いつも同じメンバーの集まりではありません。
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nana


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2008年5月号

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