力を抜いて,ゆったりと・・・・


第24回 不思議な出会いに乾杯!



■『母になったあなたに贈る言葉』
「再びのなつかしい出会い「母」に関わる出会い・・・・不思議に乾杯!」
というメッセージとともに、サイン入りの本が届きました。

その本とは、浜文子さんの新著『母になったあなたに贈る言葉』(清流出版)。

出産と子育ての日々から生まれた詩とエッセイは、浜さんとの再会は、4月のエッセイに書いたのだけれど、この出会いの不思議さを、更に深く感じています。


■「bloom」書き起こしで気づいたこと
先日「bloom」の、インタビューの書き起こしをしました。延々つづくお母さんたちの話を、一言一句聞き漏らさないよう、書き留めていく作業からさまざまな発見がありました。

何ページかが文字になったところで、読み返しながら、まず、思ったのは、文字だけを読むとなんと味気ないものかということでした。

最初から文章として書かれたものだと、表現や言葉、行間から読み取るプラスアルファーの何かがあるのだけれど、しゃべり言葉を文字にしたもののなんと素っ気なく薄っぺらな事。

そして、映像が発信する情報量の多さに改めて驚かされました。

インタビューに協力してくださった方の顔、表情、服装、髪型、声、話し方、仕草などから私たちが受け取るメッセージは、言葉の何倍もの量なのでした。


■感性の不思議な一致
「bloom」の中で「大海原に、わたしと赤ちゃんが浮かんでいて、大波小波が来て、でも大丈夫大丈夫みたいなそういうことを想像したりして、なんとか耐えていました。」と、果てしない陣痛に耐えた話が語られます。

そして、『母になったあなたに贈る言葉』のなかの、「あの日から」の詩に、母は「器」、母は「舟」という言葉をみつけその感性の一致に驚きました。

生まれてきた子どもとの初めての対面で、「もう義理の母そっくりで、・・・・」と語る人がいましたが、浜さんの、お嬢さんのとの初対面は、「あら・・・・。おばあちゃん!?」だったそうです。

また、出産後の印象を、「生かされているって感じとか、与えてもらったんだとか命を、なんかそんな感じがすごくしました。」と語る部分があります。この方は、こどもを作ろうと思っての妊娠だったのに、出産後はこのように「もらったんだ」と、感じたと話していました。

この言葉に、「もらいもの」という題の浜さんの一編の詩を思い出しました。

こんな風に、「bloom」の中で、命を宿し、育て、産むことを体験したものが語る言葉と、浜文子さんの詩の世界はあちらこちらで共鳴していました。


■出産も育児も「文学」
 浜さんは、「母たち私たちにとって出産も育児も「科学」ではなく「文学」であり、出産は物語の始まり。」と「bloom」に寄せてくださって文のなかに書いておられます。

育児は、マニュアルもなにもない、一人ひとり違う生身の生命へ、真正面から向かい合い、始めるものだと浜さんはおっしゃいます。だから、最初はわからないことだらけなのは当たり前、お母さんとしてうまくできなくても当たり前。そんなあなたを掛値なく、一番求めているのは、子どもたち、だから大丈夫と繰り返しおっしゃいます。

あふれる情報に振り回され、頭で育児をしてしまいそうになる、現代のお母さんが、浜さんの詩やエッセイを読むことで、毎日の育児に疲れ、日常に押しつぶされそうな心に安らぎを得ることができるのです。

油断しているとすぐに忘れてしまい、目先の現実に流されるわたしたち、人の心は、浜文子さんの詩を読み、母となったものが体で理解したことをしっかりと力ある言葉でかみしめ、目に見えない大切なものに改めて気がつくのです。

私のように、すでに子育てが終わった者でも、子育ての頃を思い出し、懐かしさに胸がいっぱいになり、日々の暮らしへの暖かい眼差しを取り戻すことが出来ます。
わたしは、これからお母さんになる人へのプレゼントとして、この『母になたあなたに贈る言葉』を是非差し上げたいなあと思っています。

■心が元気になる言葉がけ。
「bloom」のパンフレットの原稿をお願いした際、浜さんと数度にわたって、電話とファックスのやり取りをしました。

とても気さくな方なので、お忙しいと知りつつ、つい世間話などもしてしまったのですが、浜さんはとても素敵な言葉をかけてくだるのです。とてもやさしい語り口で、繰り返し私の良いところを言って励ましてくださる。
もちろんお世辞と思っても、言葉の力でその気になって前向きな気持ちになるから不思議です。
数度のやり取りで、きれいに打ち直した原稿の確認には、「打ち込みをありがとうございます。合格、100点」と書いてあり、お母さんにほめられた子ども頃の気持ちを思い出しました。

人を元気にする言葉をかけられるようにわたしもなりたいものだなあと、電話を切った後、ほんわかと暖かい気持ちになりながら思いました。

そして、この本の「ことば」のところは、「母親自身も、自分の生活を前向きにする言葉を生活に取り込む努力をし、わが子には、小さいときから心が元気になる言葉をたくさん話しかけるように努めましょう。」と書いてあったことを思い出したのです。

気持ちを前向きにする言葉がけが上手な親に育てられると、自己肯定感の高い自信を持った人間に育つそうです、梅雨に入り、どうしても気持ちが沈みがち、そんなときだから、ちょっとがんばって家族の良いところをみつけて、「一日最低一回は、プラスの言葉をかける」を今月のテーマにしてみませんか。


 「子育ての悩み相談しましょう」コーナーにエッセイを連載中です。みなさまのご意見ご感想をお待ちしています。
  
 子育てをしていて、嬉しかったこと、驚いたこと、困ったこと、つらかったことなど、子育てをして感じた様々なことを、みんなでおしゃべりしてみませんか?
 子育てコンビニでは、毎月「みんなで作ろう子育てコンビニ」という集まりを開いています。子育てコンビニのスタッフ以外は毎回新しい方の参加があり、いつも同じメンバーの集まりではありません。
 悩み相談に行くほどでもないけれど日ごろ気になっていることなどを、みんなで話してすっきりすることもあるようです。どうぞお気軽にお出かけください。
 皆様のご参加やメールでのお便りなどお待ちしています。


nana

 


このページトップへ 「そうだん」トップへ

2008年6月号

みたか子育てねっと・子育てコンビニトップへ