力を抜いて,ゆったりと・・・・


第27回 音楽の力


■出会いの不思議
暑かった夏の記憶も遠くなり、栗や銀杏が産直コーナーに並び、実りの秋がやってきました。
朝晩は気温も低くなり、すっかり秋。
今月は、この夏に出会った音楽の話をしたいと思います。
本や、音楽、絵などに出会う偶然は、人との出会いにも似ています。ある日突然、出かけた先での思いがけない出会いの奇跡。
そんな経験ありませんか?
めぐりあわせの不思議さに私はいつも感動します。

■「輝きの音」
7月に渋谷巴里祭という音楽イベントがあり、面白そうだったので出かけてみました。
いくつかのステージがあり、音楽フェスティバルのように自分で聴きたいミュージシャンを選んで移動しながら半日過ごしました。
聴きたいと思っていったアーティストの次の回で、知らない名前のミュージシャンでしたが、その場に残って聴いてみました。

小さな会場で、ステージを暗くしてリハーサルをしていていましたが、そのままいきなり本番に突入。
巴里祭だからということで歌ってくれた、アカペラでの「愛の讃歌」にいきなり酔ってしまいました。
ハスキーでソウルフルで温かい声。山根麻以というアーティストでした。
オリジナルの歌もとても素敵で、すっかりフアンになってしまいました。

その日に聴いた中で、とりわけ印象に残ったのが、「輝きの音」。
その曲の前に、ちょっとした語りが入ります。アフリカのある部族に伝わるお話。
その部族では、子どもが生まれた朝、その子の歌がつくられます。そしてその歌は、その子の成長の節目に周りの大人たちが集まって歌うのだそうです。
それは、お祝い事だけでなく、その子が道を誤りそうになったときにもみんなで集まって歌われるのだそうです。

初めて聞いた素敵なこの話は、人間の本来の姿、音楽の本来の形が思い起こされて感動します。
生まれたときにできた自分だけの歌があって、それを家族や周りの大人が覚えていて、何かがあると歌って励ましてくれるなんて、いいな〜って、音楽の力ってそんなところにあるのではないかなあと思います。
■音楽の力
人のこころに直接触れてくる、音や言葉の響き、何かの折にふと口ずさむメロディー、楽しい時やつらい時、頑張っているときに頭の中で聞こえてくる音楽。
私たちの生活の中には、いつも音楽があります。
つらい時や悲しい時に聴きたくなる曲が、きっとだれにもあるでしょう。落ち込んだ気持ちを慰めてくれます。
昔よく聴いた音楽を何十年も経ってから聴くと、昔の時間にタイムスリップします。
昔の自分に会えるのも音楽の力のお蔭です。

子どもが生まれると、自分が聴きたいものをなかなか聴く時間がとれません。
わたしも、子どもが小さかったころは、たまに好きなものを聴いていても「○○が聴きたーい!」とすぐに子どもに割り込まれてばかりでした。
でも、子どもと一緒だかったからこそ聴いた曲もたくさんありましたし、新しい発見もありました。そしてそれは親子で過ごした思い出に変わっていきました。
最近は子どもとと楽しむ音楽会の企画もたくさんありますね。
この秋みなさんは、どんな音楽に出会うでしょう。きっと素敵な出会いが待っていますよ!

このところ、母と子の悲しい事件が続いていますが、つらい時、悩んでいるときに、好きな音楽を聴いて、
子どもが生まれた時のことや、子どもと過ごした楽しい時間、また自分の子どもの頃のことや若かったころのこと
を思い出す時間をもてると行き詰った気持ちが少し楽になるのではと思います。子供と一緒になにか歌ってみるのも良いかもしれません。
音楽はきっとあなたの力になってくれるはずです。

 

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nana


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2008年10月号

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