力を抜いて,ゆったりと・・・・


第29回映画 「bloom」がつなぎ、伝える母の想い


■イベントの季節
さまざまなイベントが秋に集中しています。年度替りが4月なので、どうしても準備を入れると秋になってしまうのでしょう。
11月はまさに、イベントラッシュでした。
今年も、様々なイベントに、NPOとして参加しています。最初のうちは、参加するだけで精いっぱい、他の団体の活動を見に行ったりする余裕もありませんでした。しかし毎年参加しているうちに、市内の様々な活動を知り、すこしずつ横の繋がりも出来てきました。

NPO法人子育てコンビニは、市民協働センターのNPOフォーラムとボランティアセンターのふれあい秋まつり、社会教育会館のつどい(今年度は不参加)と3つのお祭りにここ数年毎年参加してきました。
参加団体は、年に一度の活動紹介のチャンス、何度も委員会を開いて少しずつ準備を進めていきます。
私たちは昨年からは、日々の活動紹介のほか、映画「bloom」の紹介もしています。
「bloom」今年の1月に完成披露上映会を開催してから、全国で30回近い上映会が開かれています。11月は、そのピークとなり、10カ所で上映会が開かれました。
そのうち2回は市内での開催で、一回は市民協働センターのNPOフォーラムの中で、もう一回は三鷹市民SNS内の「かきしぶ」という、小学生の保護者を対象とした、コミュニティの交流会での上映となりました。
一人でも多くの人に見てもらいたいという私たちの心意気が伝わっての上映会実現です。
他は、福岡県、神奈川県、福島県、静岡県、愛媛県、新潟県、山形県、北海道・・・規模はいろいろですが、全国で上映会が開催が続いています。

■「bloom」がつなぐ縁
母となったばかりの女性たちの声をあつめたドキュメンタリー映画「bloom」は、見えない糸のようなもので、人と人の縁をつないでいるように感じています。
まず、上映会で知り合った方どうしが仲良くなり親友にまで発展したケースがあります。
また「bloom」完成前、昨年秋には、子育て支援をしている方々にお会いして映画の話しをする機会をたくさん持ち映画のことを知っていただきました。そうすると一つつながった先から、また枝分かれのように、縁がつながっていきました。

このエッセイで、山梨で中央大学の広岡先生と知り合った話を書きましたが、その時のご縁で、10月に山梨県立大学で上映会が開催されました。そして、同じく広岡先生の講座の卒業生が立ち上げたNPO法人エンツリーが企画したイベントが、立川の昭和記念公園で開催され、そこでも上映会が実現しました。
このイベントには、1月に上映会を企画してくださっている、多摩のNPO法人シーズネットワークも参加していて、関係者とお会いすることもできました。
「学びっぱなしじゃ、もったいない!」というパネルディスカッションもあり、子育てコンビニの活動や、映画の話もさせていただきました。
このパネルのコーディネーターのスローライフジャパンの野口さんは、余暇、ゆとり、スローライフにこだわりながらの、住民参加による地域づくりをされている方でした。生涯学習の講師などたくさんされている方で、「bloom」をとても気に入ってくださり、またどこかにご縁をつないでくれそうな気がしました。「観た後に、いくらでも話ができますよね。」と、おっしゃり、初対面でも気持ちがすっとつながるような感じがしました。

この立川でのイベント「学びの先へ」は、まさに女性たちのさまざまな活動の姿を見ることができました。出展者、来場者みんな、どこか共通の意識を持っているようで、映画についての説明も伝わりやすい印象を持ちました。また、いただいた映画の感想も共感を持てるものばかりでした。

他にも「bloom」がつなぐ縁は書き始めるときりがないほど。完成披露上映会で再開して以来、詩人でエッセイストの浜文子さんとの交流も続いています。

■母の想いは変わらない
今年1月から上映会を繰り返していて、「bloom」を観た感想を素直に語り合える関係は、年代を超えて同じ想いを持っていることに気がつきました。
「bloom」をご覧になった、市民活動の大先輩の女性の方が、イベント後の懇親会で、ご自分の活動に至るまでのお話をされました。私たちと同じで、子育て中に社会からの隔絶感、閉塞感を感じていたそうです。
活動にかかわるきっかけや、途中経過など、今も30年以上前も変わりないのだなあとしみじみ思ったものです。時代は移り変わり、子育て環境も変わっているけれど、子供を産み育てる母の現実は、変わらないし、その想いもそのままなのだと感じました。

愛媛県南宇和郡愛南町での上映会は、9月に世田谷で行われた、全国つどいの広場連絡協議会の懇親会でたまたま隣にいた方に、「bloom」製作への想いを話したことがきっかけで実現したものです。
製作へのきっかけや想いを話すだけで、試写を観なくても上映会を企画される方がいるほどです。
また、「bloom」のキャッチコピーである。「生まれたのは私」を読んだだけで、「そうなのよね〜。」と言って、目を潤ませる人もいました。

三鷹で生まれた映画が、遠くの町で上映されて、観た人が感想を語り合う様子を思い浮かべ、母の想いがどんどん広がっていく様子を想像していると嬉しくなります。
そして観た人が、普段見過ごしてしまっている大切なことを思い出し、家族や、周りの人に昨日より少しでもやさしくなれれば、
社会がちょっとずつ変わっていけると信じたいと思っています。

この秋、映画「bloom」があちらこちらで、上映され、そこで人と人との出会いをつくり、ご縁をつないでいっています。
来年は、もっと、もっと多くの人に観ていただきたいと願っています。





 

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nana


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2008年12月号

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