第34回 『産後白書』(NPO法人マドレボニータ産後白書プロジェクト発行)のこと
■産後カラダとココロの実態調査
4月1回目のみたか子育てねっと子育てコンビニの編集会議で、この春から編集に加わったKさんから、『産後白書』という冊子を受け取りました。
文伸という印刷会社の社長さんから、「『産後白書』が出来上がったのだけれど、とてもよいですよ。」と聞いた直後でしたので、早速手に取ることが出来てラッキーでした。そういえば、印刷所を紹介したという経緯がありました。
もう少し厚いものかと思っていたのですが、40ページほどの気軽に手にできる冊子でした。しかし中身はとても、濃いものでした。一読した印象は、「ああ、母たちの想い、今まで表に出さず、自分たちだけで、または自分一人
の胸の中だけにとどめていた想いを語り始めた。子育てコンビニは「bloom」という映画で、子どもを産んだばかりの女性たちの声を集めたドキュメンタリー映画を作ったけれど、顔を出しては話せないことがここにはあるなあ。」でした。
この『産後白書 産後のカラダとココロの実態調査』は、NPO法人マドレボニータさんが実施している「産後のボディケア&フィットネス教室」の受講生にアンケート調査(620人)とインタビュー(15人)を行いその声をまとめたものです。
出産直後からの身体の状態と夫婦関係についての実態調査をまとめてあり、特にはじめての出産前後のカップル必読!の冊子だと思いました。
■出産直後のあの気持ちを伝えたい
私自身のマイ産後ストーリーは、遥か昔の話になってしまいましたが、出産直後に独身の女友達に「男女の不平等をこんなに感じたことはない。どうして女性だけがこんな思いをしなきゃいけないの!?」と電話で訴えた記憶が鮮明に残って
います。しかし、待ったなしの子育て時代に突入し、最早そんな愚痴も言っていられない現実にどっぷりと浸かりながら日々が過ぎて行きました。
そして気がつけば子育ては終わったのに、子育てをしているお母さんたちが、元気に子育てを楽しめる環境を!と現役ママやパパたちとNPO活動を続けています。
それはやはり、最初の出産直後に感じたあの気持ちをもっと社会に伝えたいと心のどこかで思い続けていたからかもしれません。
■出産直後からの身体の状態と夫婦関係
『産後白書』の中で特に、夫婦の関係にスポットライトを当てているところがとても良かったと思います。育児書や出産関係の本に、産後の夫婦関係や、セックスについて触れてはありますが、実態や体験が表に出ることはありませんでした。
今、子育てがつらいとか、苦しいとか感じる場合、さまざまな要因がありますが、その半分以上は夫婦関係が改善すれば緩和されるものだと常々思っていました。
どんなに大変な一日だったとしても、夫のやさしい一言で帳消しになるというお母さんたちの声をこれまでたくさん聞いてきましたから・・・・。
妊娠、出産、出産後の生活で、女性は、いやというほど男女の身体の違いを認識します。しかしそのことをパートナーににうまく説明し理解を得られることは、至難の業だと思います。
まして仕事でへとへとになって帰る男性たちは、よほどの気持ちに余裕がない限り聴く耳がありません。
その上、状況をうまく言語化するのが難しいということもあるかもしれません。どうせ話してもわかってもらえないとあきらめてしまっているケースもあると思います。
この『産後白書』にある、産後の身体の変化や産褥期や、産後の夫婦関係の実態調査を、夫や家族に読んでもらうと理解が深まると思います。
■新しい時代が始まった!
少子化が来るところまで来たという現実、このままでは、子供の数は減る一方、何とかしなければと腰を上げた行政の力もあってか、最近ずいぶん耳を傾けてもらえるようになってきたと思います。
子どもや子育て関係のことは、女性の分野とばかりに、すべてお任せにされていた時代からすると、男性の子育て参加もだいぶ進み、子育てに主体的にかかわっているパパや、これからパパになる男性で、パートナーの身体や心の変化を一生懸命理解しようとされている方も私の身近にいて時代の変化に喜んでいます。
一人でも多くのこれから子育てをするカップルが、この『産後白書』を手に取り、家族のの会話やスキンシップを多く持って、思いやりのある豊かな子育てライフを楽しんでほしいなあと思います。
子どもを産み育てることで、否応なく人は成長させられるとつくづく感じる今日この頃です。
『産後白書』についてのお問い合わせは、http://plaza.rakuten.co.jp/sangohakusho/003007
「子育ての悩み相談しましょう」コーナーにエッセイを連載中です。みなさまのご意見ご感想をお待ちしています。
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nana
2009年5月号