力を抜いて,ゆったりと・・・・


第35回 市民交流カフェC-Cafeのこと


■市民交流カフェへの人々の想い
先月、NPO法人子育てコンビニの定期総会が終了して、本格的に新年度が始まりました。
これまでを振り返ると、始めたころは、市民活動という意識はなく、子育て情報発信のみ行っていました。次第に市内外のの市民活動をしている方々と知り合うようになりました。
そして、そんな方々とお話ししていて、今後どんなことをしたいですかと伺うと、ほとんどの方が”市民が交流できるカフェ”
とおっしゃいます。
美味しい食べ物、飲み物、そして楽しい会話、これらがあれば、みんな幸せを感じるということなのでしょう。
 そんな市民の夢を担って、2年前に三鷹市内でスタートした、C-Cafeの今の様子を今月は書いてみたいと思います。

■C-Cafeに変化が・・・
さて、C-Cafeのスタートの頃のことについては、このエッセイの第14回に書いています。C-Cafe運営実行委員会が実質的な運営方針を決め、ボランティア連絡協議会を中心としたボランティアスタッフで約1年間営業をした頃、一人の大学生がC−Cafeの活動と広いスペースに興味を持ち、ここで何かしたいと言ってきました。
当時大学4年生で、ご家族は就職活動を真剣にやって欲しいのに・・・とお考えだったと思います。
その大学生だった菊地さんが昨年の4月頃から、カフェにかかわり始め、5月の連休の間には、お友だちを巻き込んで、C-Cafeの店内大改装をしてしまいました。
最低の予算で少しでも居心地良く素敵に見えるようにと、テーブルと柱のペンキの塗り替えをしたのです。
そして、これまでの固定だったメニューも、利用者を増やし売上を上げるために、日替わりになり、これまであらかじめゆでておいたスパゲッティも、注文を受けてから茹でる方式に変更、味が大幅にアップしました。
店長の川上さんもスタートから頑張っているスタッフも、若い仲間の登場で活気づきました。
毎日メニューの研究に励み、もうひとつの柱のカレーも、ルーなど一切使わない専門店の味を目指して試行錯誤した結果、本格的な味に仕上がってきています。
材料もできるだけ自然のものにこだわり、今では、カレーも、スパゲッティも、スープもとても美味しいと評判で、毎日ランチに通う方も増えました。

■新しく任意団体としてスタート
2年前にも書きましたが、人件費をボランティアで賄っているので、経営は、なんとか成り立っています。しかしこれまで交通費程度の謝礼で店長をやっていた川上さん一人分の人件費も満足にでるだけの売上は上がっていません。
菊地さんが、大学を卒業してもそのままC-Cafeの活動を続けることについて、関係者の間で様々な話し合いがありました。収入や将来の保障が何もないためです。
話し合いを続け、C-CafeがNPOとして独立することを前提とした任意団体になり、その経営を店長川上さんと副店長菊池さんがやるということで、三鷹市社会福祉協議会とC-Cafe実行委員会と川上さん菊地さんの間で話がつき、今年の四月から新しい団体C-Cafeプロジェクトがスタートしました。

■試行錯誤の日々
スタートしたのは良いのですが、前途多難。本当に売上を増やしていけるのだろうかと不安はいっぱいです。昨年、この二人が市内の様々なところに出かけてNPO化の可能性について
相談を続け、その熱意に押されて、何人かがC-Cafeプロジェクトの立ち上げに加わり、意見出しを行ってきました。
市民協働センターのスタッフの方、NPO関係者、福祉作業所の仕事をしている方、また市民協働センターにボランティア助っ人登録をしていたもと大きな会社の社長さんをされていた方などが、
毎週集まり今後の進め方を話し合いました。
他所のうまくいっているコミュニティーカフェを見学に行って、取り入れられるアイデアは、どんどん取り入れようとしています。
また、ブログ更新などを担当する仲間も現れました。

■これからのC-Cafe
限られた営業時間の中で、上手に売上を上げる工夫が必要です。ランチタイムは、毎日満席なので、課題は、それ以外の時間の有効活用や、ボックスショップの経営などです。
また、時間外の貸し出しスペースとしての利用者を増やすことも増収に繋がると考えています。
NPO法人子育てコンビニは、C-Cafeができて以来、毎年定期総会をこの会場で開いています。こどもも入れて40〜50人が集まりますので、C-Cafeの広さと、外に子どもが飛び出しても、車道に面していないという安心感は、他所のどこにも代えがたいと思います。それに、出来たてのパスタや、店長の”三鷹ロール”など注文しておけば、美味しいものを出してもらえますし、
持ち込みもできるため、予算をたくさんかけずに、充実した親睦会や交流会が開けます。
三鷹市の地域SNSポキネットのオフ会の会場としても利用されています。

■市民カフェやコミュニティーレストランの今後の役割とは?
今全国あちらこちらで、市民カフェやコミュニティーレストランが出来ているそうです。全国にこのような場所が100以上あると、先日のテレビの特集で言われていました。
地域により行政とのかかわりや、市民の参加度など様々だと思います。
ただ、美味しいものがあるところには、人が集まり、人が集まれば新しい出会いや交流が始まります。
今、地域社会に不足しているものは、人と人との顔を合わせた交流だと思います。
新聞の三面記事をにぎわしている事件の当事者の話などをテレビのニュースなどで聴くと、社会や家庭でのコミュニケーションの不足を痛切に感じます。
人とのかかわりを上手にできない若者たち、また退職後地域社会に戻ってきた方々などに、ランチやお茶に出かけ、誰かに会って話ができる、
そんな空間が今必要とされていると思います。
C-Cafeが、そんな市民交流の場所になり、誰もがお客さんから参加者になれる団体に成長していけるといいなと、これからも応援を続けたいと思っています。
C-Cafe の Cは、City,Commyunity,Collaboration という協働のまちづくりへの想いが込められているのです。


 「子育ての悩み相談しましょう」コーナーにエッセイを連載中です。みなさまのご意見ご感想をお待ちしています。
  
 子育てをしていて、嬉しかったこと、驚いたこと、困ったこと、つらかったことなど、子育てをして感じた様々なことを、みんなでおしゃべりしてみませんか?
 子育てコンビニでは、毎月「子育てコンビニひろば」という集まりを開いています。子育てコンビニのスタッフ以外は毎回新しい方の参加があり、いつも同じメンバーの集まりではありません。
 悩み相談に行くほどでもないけれど日ごろ気になっていることなどを、みんなで話してすっきりすることもあるようです。どうぞお気軽にお出かけください。
 皆様のご参加やメールでのお便りなどお待ちしています。


nana


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2009年6月号

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