力を抜いて,ゆったりと・・・・


第39回   みんなで考えよう!日本の子育て支援 

■「にっぽん子育て応援団」緊急アピール集会に行ってきました
急に寒さが増し、もう厚手の真冬用コートをはおった人も見かけるようになりました。
今月は、海外の子育ての本のレポートをと思っていたのですが、「にっぽん子育て応援団」の緊急アピール集会があったので、そちらのレポートを先にします。

10月28日、今年5月に誕生したにっぽん子育て応援団の緊急アピール集会があり、女性と仕事の未来館に行ってきました。
今年立ち上がった、「にっぽん子育て応援団」については、第36回で書きましたが、今回は、政権が代わって、どうなるの?という国民の疑問と不安の声をどんなふうに伝え、政治に反映してもらえるのかを考えた、にっぽん子育て応援団からの提言の発表がありました。

■5つの提言
 まず、にっぽん子育て応援団事務局の奥山さんから、今回の政権交代で初めて、子どものことが政治の課題として上った、これは、いままでなかったことで、やっと風が吹いてきたと感じるとのお話がありました。
奥山さんは、日本とフランスやドイツとの比較において日本の現状を説明したうえで5つの提言を読み上げました。

1、サービスの地域間格差の是正
2、きめ細やかで切れ目のない体系立ったサービス提供
3、子育て家庭、支援団体、企業など多様な関係者の参画
4、一元的な給付と拠出のシステム作りのための財源の統合
5、地域の創意工夫と人々の信頼やつながりの再構築

■第一部の各政党の議員さんのお話
「にっぽん子育て応援団」からの5つの提言が発表された後、各政党の議員さんたちが、登壇しての決意表明をされました。ここでの司会者は、樋口恵子さんで、にっぽん子育て応援団の共同代表の一人です。
登壇者は、少子化対策担当大臣 福島みずほさん
民主党 衆議院議員 小宮山洋子さん
自民党 衆議院議員 加藤勝信さん
共産党 衆議院議員 高橋千鶴子さん
内閣府大臣政務官 泉健太さんでした。

福島大臣は、「鳩山内閣は、子どもと子育てを応援する内閣だ。」と、これまで子どもに税金を使わなかった国だったが、変わってきたと述べ、1月末までに、「子ども子育てビジョン(仮称)」を数値目標を入れて作る予定で実務者会議が始まっていると話されました。
また、これまで事業所と、地方公共団体も出資していた児童手当については、無くなっても、同額の負担をしてもらい、それを財源に保育所や、学童などの子どものためのサービスに充てたいと述べました。

民主党の小宮山議員は、子ども手当などを掲げるにいたった中心のメンバーで、子ども手当は、所得制限をせず、税制で対応したいと述べました。
また子ども家庭省を作っていきたいと発言。そうすることで、幼稚園と保育園の一体化が可能になり、無駄が省け、統合的な子ども子育て支援ができるだろうとのことでした。

自民党の加藤議員は、厚生労働部会の部会長で、四女の父だと、樋口さんから紹介をされました。自民党と民主党では、家族感が違う。民主党の様々な施策には、賛成することが多いけれど、自民党は、子どもは、家族が育てる、に対して、民主党は、社会が育てる、と考えている。しっかりした財源で継続可能なものを考えなければいけない。
限られた財源のなかで、現金給付と現物給付のバランスをとることが大事だと考えており、自民党は、子ども手当の所得制限を付けるべきと言っていると述べました。

共産党の高橋議員は、きめ細かなサービスの必要性と、世界一の長時間労働国である日本の働き方の問題と向き合わなければいけないこと、また課税最低賃金の国格差があることに触れました。

全体としては、やはり、民主党のマニフェストにある子ども手当とその財源の問題、子育てにおける、家庭の責任と社会的支援のバランスが、話題の中心となっていました。

■第二部では、会場から活発な発言が・・・
二部に入ると、ファザーリングジャパンの安藤さん(共同代表の一人)のコーディネートで、参加している企画委員の方々が登壇しました。
その中には、清原慶子三鷹市長はじめ、資生堂の副社長岩田喜美枝さん「ただいま育休中」の山田正人さんなどがいらっしゃいました。
遠くから会場に来ている方に安藤さんが指名して意見を聞いていました。北九州から参加の古野さんは、「子どものためには使われそうもないから、子ども手当の現金支給に反対。」と発言。
これに対して、福島みずほ大臣は、「そんなことないと思う。日本人を信じましょう」と返されました。

多胎児を持つ親の会、冒険遊び場協会、障害を持つ子どもの親の会など、会場から挙手をして次々に活発な提言や質問が飛び交い熱気にあふれていました。
清原市長は、財源について、子ども手当ての財源は全部国庫でなければ大変なことになるとおっしゃっていました。
マニフェスト通りの子ども手当の支給が決まると、三鷹市の場合は、総予算の10%にあたる金額が子ども手当になるそうです。
このことが他との不平等感などにつながらないかも懸念されるところです。

■政権が変わったことが新しい動きのきっかけになれば・・・
最近は、北欧やフランス、ドイツなどの子育て支援についての勉強会も行われ始めました。
先日も、「世界は子どもをどう支えているか」というNHK教育番組で、フランス、フィンランド、オランダ、そしてイギリスの事例がレポートされていました。
1994年の不況下におけるフィンランドの教育政策やイギリスの子ども政策など、10年のスパンでみるとはっきりとした結果がでることがよくわかりました。
民主党政権になり、このところテレビでは、予算の事業仕分けの様子を放送しています。これは、かつてなかったことです。
何を必要と考え、何を無駄と考えるのか。これは難しい問題です。
税金がこれまでどのように使われていて、これからどのようになっていくのか、子ども手当の財源がどうなっているのか、国民は見守っていかなければいけないと思います。

政権が変わったことが、今後の新しい動きのきっかけになるといいなあと思いました。

少子化が進み、このままいくと、2055年には、総人口は、8993万人になるそうです。
しかも、20歳から65歳までの人口と65歳以上の人口の比が、1.2人対1人になります。つまり1.2人の人で、1人の高齢者を支えないといけなくなるのです。
このことに国は危機感を持っています。
そして、クローズアップされたのが、これまで後回しになっていた、子育て支援です。
子どもが少なくなって国力が落ちるといった発想ではなく、子どもを安心して産み育てられる幸せな社会を作ることを考えなければと思います。
そんな社会になれば自然に出生率も上がるはず。
そのために、どんな仕組みを作っていけばよいのか、どのような社会的支援が必要なのか、政治家まかせでなく、みんなで考えなければいけない時が来ているように思います。

今月は、「みんなで考えよう!日本の子育て支援」なんて大きなタイトルをつけ、なんだかちょっと固い話になってしまいました。

もうすぐクリスマス、まずは、家庭内の平和から。
家族そろって幸せな年末年始をすごせますように!

にっぽん子育て応援団については、コチラのサイトをご覧ください。


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nana


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2009年12月号

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